今年、世界のどこが燃えたか Where the world burned this year
地理カテゴリの型が 1 つも無かった。海氷の縁の重ねは極域の 2 時点比較専用で、「国ごとの量を世界地図に置く」型が台帳に存在しない。比例シンボル地図を起こした。v2.0 では焦点を最大の量ひとつに絞った ── 国名は地の重さ、数字だけ太字。


発見から型を選ぶための台帳。各型の入力、適用条件、限界、解剖図、良い例・避ける例、静止画と動画を収録します。
適用範囲
ここに掲載する画像・動画は型を理解するための既存の制作例です。最新の観測値や新しいScene配色の見本ではありません。新作の地理Sceneは現行レジストリを使い、G1カードの作画・動きには制作規範を適用します。
18の型
主キーは「伝えたい関係/発見」。FT Visual Vocabulary の 9 分類に Wilke の「不確かさ」と、方向性 v2.1 の「翻訳(analog)」を足した 11 カテゴリ。日本語ラベルは総務省統計局の語彙に寄せた。見た目から選ばない。読者の問いから選ぶ(Tableau「Start with questions」)。型の選び方はデータの選び方でもある — 8 型のうち 6 型が同じデータだった v0.1 は、型ごとに「その型でしか見えない発見」を持つデータへ差し替えた。
| 発見 | 読者の問い | 既定の型 | 台帳の実例(データ → 見出し) | 代替 | 禁則 |
|---|---|---|---|---|---|
| 横断 Cross-cutting | 今いくつか | 数字の札 | マウナロア CO₂ → 「この数字は、一度も下がっていない」 | 小さな多数 | 数字を 4 つ並べて色分け |
| 偏差 Deviation | 基準からどれだけ離れたか | 偏差の面/偏差の縞 | Niño 3.4 → 「7月の赤は、77年で最も高い」/気象庁 日本 → 「濃い赤の3本は、最後の3年」 | 発散棒・アノマリーマップ | 基準に名前がない図 |
| 偏差(区画) | その区画は、その区画の基準と比べてどうか | 区画の偏差 | GWIS ヨーロッパ → 「少ない年なのに、倍になった国がある」 | パーセンタイル階級マップ | 合計だけ見て各区画を見ない、基準を階級の真ん中に置く |
| 推移 Change over time | いつから、どう変わったか | 折れ線(三本規則)/スパゲッティ+今年強調 | 気象庁 日本 → 「太い線は、2013年からゼロの上」/GISTEMP 月別 → 「2026年は、7か月すべてが帯の上」 | 面・スロープ・段で軸が伸びるスクロール(G2) | 4 本超の折れ線、波線省略、今年を年末まで延長 |
| 大小 Magnitude | どれくらい大きいか | 棒(ゼロ起点) | 未着手 | ロリポップ・翻訳比較 | 切断軸、面積を半径で |
| 順位 Ranking | 何が上で何が下か | 順序棒 | 未着手 | ダンベル・バンプ | アルファベット順 |
| 割合 Part-to-whole | 全体のうちどれだけか | 積上げ棒/100%帯 | 未着手 | ワッフル・ツリーマップ | 多分割の円、時間比較に複数円 |
| 散らばり Distribution | 値はどう散っているか | ヒストグラム/ストリップ | 未着手 | レインクラウド・人口ピラミッド | 箱ひげだけ(標本数を隠す) |
| 関係 Correlation | 二つの量はつながっているか | 断面/散布 | USGS 東北沖 → 「西へ行くほど、震源は深い」 | 接続散布 | 因果の断定、二重軸、相関を書かない回帰線 |
| 地理 Spatial | どこで起きているか | 世界: 比例シンボル(量)/コロプレス(率)/区画の種類(順序の無い区分)/点の集積(事象)/格子(回数)/縁の重ね(2時点)。狭い範囲: 地域の点図(1点に量ひとつ)/海峡(数十km) | GWIS → 「広さの1位と、割合の1位は違う」/GWIS 地被別 → 「焼けているのは、森林ではない」/USGS → 「濃い点は、地震ではなく地震計の数」/NSIDC → 「いつもの氷より、ときどきの海が広い」/USGS 日本中部 → 「深い地震は、海溝の側に無い」/PortWatch → 「タンカーの割合がいちばん高い海峡」 | ドット密度・六角ビン・格子アノマリー・フローマップ | 絶対量のコロプレス、大きさの違う区画を回数で塗る、区分を1色相の濃淡で塗る、量の発見を地図で言う、点の濃さを事象の濃さと読む、縮尺を置かない |
| 流れ Flow | 何から何へ移ったか | サンキー(素材化) | 未着手(NYT「The Choking of Hormuz」が原型) | ウォーターフォール・フローマップ | 双方向を 1 本で |
| 不確かさ Uncertainty | どこまで確かか | 帯(分位・信頼区間) | HadCRUT5 → 「帯がいちばん太いのは、戦争の年」/IF: 「点線が線に届くのは、2030年代」 | ファン・破線・ハッチング | 定義のない「誤差範囲」 |
| 翻訳 Analog | その量は、人の尺度で何にあたるか | 暦の翻訳 | 気象庁 東京 → 「東京の3月は、百年前の4月はじめ」 | 場所の翻訳(気候帯)・身体の翻訳(暑い日数) | 別の物へ翻訳する(「東京ドーム何個分」)、量を消して翻訳だけ残す |
| 横断(多数) | 全部同じか、順に変わるか、1 つだけ違うか | 小さな多数 | 東京 12 か月 → 「東京は、寒い月ほど速く暖まった」 | 連作(1 パネル 1 データセット) | パネルごとに軸を変える |
入力データの形(From Data to Viz)— 数値/カテゴリ/時系列/地理/ネットワーク × 変数の数 × 順序の有無。ファセット(Data Viz Project・Kirk)— 形(棒/線/点/面/円/地図/単位)と主エンコーディング(位置>長さ>角度>面積>色)。素材(v0.3)— この図で何が何に見立てられているか(年輪・水面・霧・標本・窓・計器)。型のページにはこの三つを書く。
1型1ページ。図版はすべて engine/forms が実データ(気象庁・NOAA・Met Office・NASA・NSIDC・USGS・GWIS)から生成し、
見出しの前提は demo() が毎回検算する(崩れれば発行しない)。型ごとに「その型でしか見えない発見」を持つデータを選んだ。
v2.0 で全型を三つの工程で作り直した ── 焦点は一つ(太字と色を持つ名指しは 1 枚に 1 つ。記録年・山の名前・戻った海・12 個の数字は地の重さの注記へ)、
基準の所在(何と比べたか・何を含めないかを型が宣言し、図題か注記に書く)、データに対応しない要素を置かない。
翻訳(analog)カテゴリに「暦の翻訳」を新設。各型に「なぜこの数か」と「素材の言葉」を持たせ、欧文版と和文版を並べて置く。
v2.1 では全型に動く版を両言語で付けた ── 静止版はその最後のコマ(M-07 / M-10)。束のある型はデータの時間の順に現れ、焦点は最後(M-11)。
v2.2 で世界の地図の型を 3 つ足した ── コロプレス(率)(区画は率でしか塗らない)、点の集積(1点1事象。濃さに観測網の偏りが混じることを図の中に書く)、格子(回数)(同じ暦日の 12 枚を重ねて数える)。
v2.4 で狭い範囲の地図を 3 つ足して 18 型 ── 海峡(ホルムズ、数十km の縮尺で通過量を数える)、地域の点図(日本中部の震源、1 点に深さをひとつ)、区画の偏差(ヨーロッパの火、基準を階級の境目に置く)。
狭い範囲の地図は切った範囲と縮尺を型が持ち、枠のほうを範囲の縦横比に合わせる(forms/_geo.py)。残りの型は日次で足す(点線が未着手)。
1本の縦縞が1期間。色だけで基準からの偏差を表し、軸を持たない。
「いつから変わったか」を、数字を読まずに一瞥で答えるため。128本の縞は、1本ずつ読む図ではなく、全体の色の重心が右に寄っていることを見る図。
縞は年輪。1本が1年の木口で、色はその年の温度。紙に刷った縞は壁に掛かる年表になる。



sweep(データの時間で刷る)。最後のコマが左上の静止版(M-07)sweep(データの時間で刷る)。最後のコマが左上の静止版(M-07)| min_bars | 30 |
| colors | 発散1系統・白中央 |
| annotations_min | 1 |
1列の順序付き期間(年・月)× 1列の偏差値(基準からの差)
推移/diverging
sweep — データの時間で刷る。横軸が 128 年。左から右へ刷ると、色の重心が右に寄っていく過程がそのまま見える。
forms.stripes.draw(card, ax, years, values, focus=, mark_year=, mark_label=, title=, end_label=)
基準線の上下を面で塗り分けた折れ線。偏差の向きと大きさと持続を同時に見せる。
「基準の上と下、どちらにどれだけ溜まったか」。偏差の向きだけでなく面積で持続を読ませるため。エルニーニョは山の高さより、赤が続いた月数が効く。
赤い面は熱の貯金、青い面は借り。基準線は水面で、面はその上下に溜まった水。


deviation(基準が先、偏差が後)。最後のコマが左上の静止版(M-07)deviation(基準が先、偏差が後)。最後のコマが左上の静止版(M-07)| series | 1 |
| colors | 発散1系統(上=暖、下=冷) |
| baseline | 必須・INK 1.4px(LW zero)、名前つき |
1列の順序付き期間 × 1列の値。基準値(定数または系列)
推移/diverging
deviation — 基準が先、偏差が後。答えているのは「基準と比べてどうか」。基準線が立つ前に差を見せると、何と比べたのか分からない。
forms.surplus_deficit.draw(card, ax, x, y, baseline=, ylim=, ticks=, baseline_label=, title=, events=, end_label=, focus=)
区画を、その区画自身の基準(参照平均・前年・目標)との比で塗る。分母が区画ごとに違う。
「多いのか少ないのか」は、合計では答えられない。分母が場所ごとに違うから、合計が基準を下回っていても、基準の倍の区画がありうる。合計だけを見ると、それが消える。
濃さは、その区画がいつもの自分からどれだけ離れたか。地図は台紙で、基準は各区画の中にあって図の上には描かれない ── だから階級の境目に基準を置く。


deviation(基準が先、偏差が後)。最後のコマが左上の静止版(M-07)deviation(基準が先、偏差が後)。最後のコマが左上の静止版(M-07)| fill | 率(rate)── 分母が区画自身の基準。区画の塗りは率・種類・回数の三つで、絶対量は選べない(F-11) |
| value | 基準との比(または差)。絶対量では塗らない |
| classes | 4階級まで |
| boundary | **基準(比なら 1.0)が階級の境目に来ること** |
| denominator | 基準の小さい区画を落とす(ここでは 2万ha)。落とした条件を書く |
| hue | 1色相の順序スケール。基準の上下を色相で分けない(灰色で潰れる) |
| legend | 置かない。数字の格子が代わり |
区画(ISO3)× 今期の量 × 同じ区画の基準
地理、割合/sequential
deviation — 基準が先、偏差が後。基準が先、偏差が後。区画の形が台紙として立ってから、基準から離れた階級が順に乗る。比べる相手が無いうちに差を見せない。
forms.anomaly_map.draw(card, ax, {ISO3: ratio}, bins=, extent=, title=, notes=, grid=)
同じ系列を、年々の値(細)・平滑(太)・傾向(直線)の三本で重ねる。揺れと向きを同時に読ませる。
「揺れ」と「向き」を分けて読むため。年ごとの上下に目を奪われると傾きが見えず、傾きだけ見ると揺れの大きさを忘れる。三本で両方を持つ。
細い線は波、太い線は潮、点線は海面の上昇。同じ海を三つの時間で見る。



sweep(データの時間で刷る)。最後のコマが左上の静止版(M-07)sweep(データの時間で刷る)。最後のコマが左上の静止版(M-07)| series | 1 |
| lines | 3 |
| smooth_window | 5年(気象庁)または 10年 |
| trend | 有意(90%)な時だけ描く |
1列の順序付き期間 × 1列の値。平滑窓と傾向の有無
偏差/sequential
sweep — データの時間で刷る。三本には順がある。年々の値が先に刷られ、その揺れの中を太い平均が通り、最後に一本の傾きが引かれる。揺れ → 潮 → 向き。
forms.line_three.draw(card, ax, x, y, smooth=5, trend=True, ylim=, ticks=, per=, title=, end_label=)
周期(1年)ごとに切った系列を重ね、今年だけに色を与え、平均を点線で通す。過去は薄い束。
「今年は過去のどこにいるか」。周期のある量は、平年からの差より「束の中の位置」で読むほうが早い。帯の外に出ていれば、それが発見。
過去年の束は霧、今年の線はその中を進む一本の道。帯は道幅の平年値。


sweep(データの時間で刷る)。最後のコマが左上の静止版(M-07)sweep(データの時間で刷る)。最後のコマが左上の静止版(M-07)| colored_series | 1 |
| named_lines | 今年・平均・(記録年)の3本まで |
| past_years | 1px 薄灰の束。名前を付けない |
| band | 使うなら分位を明記(10–90 / 25–75 パーセンタイル) |
| record_rule | 年末まで記録年に昇格させない(NSIDC) |
周期内位置(日・月)× 年 の行列。今年の途中までの値は欠測(NaN)
散らばり、不確かさ/sequential
sweep — データの時間で刷る。データの時間は年。古い年から 1 本ずつ束が積み上がり、帯と平均がその要約として現れ、最後に今年の 1 本が束の上に刷られる。今年が束から出ていく瞬間は、束が先に無ければ見えない。
forms.spaghetti.draw(card, ax, xs, matrix, this=, record=, band=, ylim=, ticks=, xlabels=, title=, this_label=)
位置の一軸(経度・距離)と量の一軸(深さ・高度)で切った散布。地図を捨てて、関係だけを残す。
「位置と量はつながっているか」。地図では重なって見えない奥行き(深さ)を、位置の一軸で切って見せる。沈み込む板の傾きが相関の数字になる。
断面は地面を縦に切った土壌の標本。点は地中で鳴った音の位置。


sweep(データの時間で刷る)。最後のコマが左上の静止版(M-07)sweep(データの時間で刷る)。最後のコマが左上の静止版(M-07)| points | 25 以上(それ未満は傾きを描かない) |
| fit | 相関係数を必ず併記 |
| encodings | 位置×2+大きさ(面積)まで。色は足さない |
位置(数値)× 量(数値)× 任意の大きさ(数値)。範囲(xlim)
地理、散らばり/sequential
sweep — データの時間で刷る。データの時間は発生順。地震が起きた順に点が置かれ、ばらばらに見えた点が 39 回で一本の傾きに揃っていく。傾きの線はその後に引かれる。
forms.section.draw(card, ax, x, depth, size, xlim=, dmax=, fit=True, left_label=, right_label=, title=, mark=)
場所ごとの量を、その場所に置いた円の面積で表す。色ではなく大きさで量を運ぶ地図。
「どこで、どれだけ」を1枚で答えるため。コロプレス(塗り分け)は国の面積に量が引きずられるが、円の面積は国の広さと無関係に量だけを表す。
円は積み上げた量そのもの。地図は台紙で、円は台紙の上に置かれた駒。凡例を置く代わりに、下に数字の格子(GLACIES LIQUOR #1 の年×面積の並び)を敷いて、大きさと数字を突き合わせられるようにする。


spatial(地が先、量が後)。最後のコマが左上の静止版(M-07)spatial(地が先、量が後)。最後のコマが左上の静止版(M-07)| symbols | 円の面積 ∝ 量(半径 ∝ √量) |
| max_radius | 版面の 1/12 まで |
| projection | 正積(Equal Earth / Mollweide)。メルカトルは使わない |
| legend | 置かない。数字の格子が代わり |
| grid_rows | 8 |
場所(ISO3 か 経緯度)× 量 の1列
大小/sequential
spatial — 地が先、量が後。地図は作画ではなく台紙。陸が現れてから、量が大きい順に着地する。左から右へ拭くと地理が順序に見えてしまう。
forms.symbol_map.draw(card, ax, {ISO3: value}, title=, top=, unit=, fmt=, name_of=, mark=)
区画を、その区画の中の率(割合・密度)で塗る。分母を持たない量では塗らない。
「その場所ではどれだけか」を答えるため。量で塗ると、読者は塗られた面積を量として読んでしまう ── 広い国が濃く見えるだけの図になる。
塗りは区画そのものの濃さ。国の形は台紙で、濃さだけが値。だから濃さの意味は「面積あたり」でなければ嘘になる。


spatial(地が先、量が後)。最後のコマが左上の静止版(M-07)spatial(地が先、量が後)。最後のコマが左上の静止版(M-07)| fill | 率(rate)。区画の塗りは率・種類・回数の三つで、絶対量は選べない(F-11) |
| value | 率・割合・密度のみ。絶対量では塗らない |
| classes | 5階級まで。連続グラデーションにしない |
| hue | 1色相の順序スケール(白→#05396B) |
| projection | 正積(Equal Earth) |
| denominator | 分母の下限を切る(ここでは国土1万km²) |
| legend | 置かない。数字の格子が代わり |
区画(ISO3)× 率 の1列と、同じ区画の分母(面積・人口)
割合、順位/sequential
spatial — 地が先、量が後。区画の形が先に台紙として現れ、そのあとに濃い階級から順に値が着地する。塗りが左から右へ拭かれると、区画の並びが順序に見えてしまう。
forms.choropleth.draw(card, ax, {ISO3: rate}, breaks=, title=, grid=, notes=)
区画を、順序を持たない区分で塗る。色は量ではなく、区分の名前。
「どこがどれだけか」ではなく「どこがどれか」が発見のとき。率でも回数でもなく、区分そのものが答えになる図がある ── 一番になった種類が場所によって入れ替わる、という発見。
色相が区分の名前で、濃さは意味を持たない。区画の形は台紙、色は名札。だから名前を色見本ではなく、その色の区画の上に直接置く。


spatial(地が先、量が後)。最後のコマが左上の静止版(M-07)spatial(地が先、量が後)。最後のコマが左上の静止版(M-07)| fill | 種類(category)。宣言してから塗る(F-11) |
| classes | 4区分まで |
| hue | 区分ごとに別の色相。**同じ色相帯に2区分を置かない**(F-07 の例外規定) |
| value | 濃さに意味を持たせない。ただし刷るために明度は24以上ずつ離す(F-06) |
| projection | 正積(Equal Earth) |
| legend | 置かない。区分の名前を区画の上に直接置く |
区画(ISO3)× 区分キー の1列。区分は順序の無い有限集合
割合/categorical
spatial — 地が先、量が後。区画の形が台紙として現れてから、区分が順に乗る。色に順序が無いので、置く順は区分の並び(出典の分類の順)で、濃い順ではない。地図を左から右へ拭くと、区分が地理の順に決まったように見えてしまう。
forms.choropleth.draw(card, ax, {ISO3: 区分}, kind='category', classes=, colors=, notes=, grid=)
1点が1事象。位置だけを写し、大きさも色も持たせない。集まりが形を作る。
「どこで起きているか」を、区画に集計せずに答えるため。国や州で塗ると、境界線が形を決めてしまう。点なら、形はデータが決める。
点は事象そのもの。地図は台紙で、線は1本も引かれていない ── それでも板の縁が現れる。現れた形は描かれたものではなく、集まった結果である。


spatial(地が先、量が後)。最後のコマが左上の静止版(M-07)spatial(地が先、量が後)。最後のコマが左上の静止版(M-07)| dot | 1点 = 1事象。大きさで量を運ばない |
| dot_size | 1.6〜5pt。重なりが濃さになる大きさ |
| projection | 正積(Equal Earth)。点の密度を図法で歪めない |
| series | 2つまで(全体と、完全性のある部分集合) |
| legend | 置かない。地図の上に直接書く |
事象ごとの経緯度の列(+完全性の判定に使う量。地震ならマグニチュード)
散らばり、不確かさ/sequential
spatial — 地が先、量が後。地図は作画ではなく台紙。陸が現れてから点が着地する。左から右へ拭くと、地震が西から東へ起きたように見えてしまう。
forms.dot_map.draw(card, ax, lon, lat, complete=, title=, notes=)
範囲を狭めた地図に事象を点で置き、1 点に量をひとつだけ持たせる(色の階級で)。
世界の縮尺では点が重なって量を読み分けられないが、範囲を狭めれば点が分離する。「どこで」と「どれくらいか」を同時に読ませられるのは、この縮尺だけ。
点は事象そのもの、濃さはその深さ。地図は台紙で、線は引かれていない ── 濃い点が集まる側と、集まらない側の境目が、そのまま地下の形になる。


spatial(地が先、量が後)。最後のコマが左上の静止版(M-07)spatial(地が先、量が後)。最後のコマが左上の静止版(M-07)| classes | 4階級まで。連続グラデーションにしない |
| dot | 1点 = 1事象。大きさは使わない |
| extent | 経度・緯度で切り、切った範囲を図題と出典に書く |
| aspect | 緯度で横を補正する(正距円筒のまま描かない) |
| scalebar | 狭い範囲の地図には縮尺を置く |
| legend | 置かない。数字の格子が代わり |
事象ごとの経緯度と、1 点が持つ量(深さ・値)の列
散らばり、関係/sequential
spatial — 地が先、量が後。陸が台紙として現れてから、深い階級の点が先に、浅い階級が後に着地する。地図を左から右へ拭くと、地震が西から東へ起きたように見えてしまう。
forms.region_dots.draw(card, ax, lon, lat, values, bins=, labels=, extent=, title=, notes=, grid=)
同じ格子の地図を何枚も重ね、マスごとに条件を満たした回数を数えて塗る。
「いつ動いたか」ではなく「どのくらいの頻度でそうだったか」を答えるため。2枚の比較は変化の向きしか出せないが、回数は毎回・ときどき・一度も、の3つの面に分けてくれる。
1枚の地図が1回の観測。重ねた束の厚みがそのままマスの濃さになる。写真を12枚重ね焼きしたとき、いつも写っていたものだけが濃く残るのと同じ。


spatial(地が先、量が後)。最後のコマが左上の静止版(M-07)spatial(地が先、量が後)。最後のコマが左上の静止版(M-07)| fill | 回数(count)。**マスの大きさが揃っているから回数で塗れる**。大きさの違う区画(国・県)では回数を率に直す(F-11) |
| classes | 4階級まで(0 を含めない)。回数をそのまま連続色にしない |
| hue | 1色相の順序スケール |
| maps | 4枚以上。枚数を図題に書く |
| date | 同じ暦日で揃える(季節を混ぜない) |
| legend | 置かない。数字の格子が代わり |
同じ格子・同じ暦日の 2 値ラスタを n 枚(と陸のマスク)
散らばり、不確かさ/sequential
spatial — 地が先、量が後。海と陸が先に台紙として現れ、そのあと回数の多い面から順に着地する。回数は場所の性質であって時間の順ではないので、左から右へ拭かない。
forms.grid_count.draw(card, ax, counts, land_mask, n=, bins=, labels=, title=, notes=, grid=)
極ステレオ図法の上に今日の氷を面で置き、基準(中央値や過去の同日)の縁を一本の線で重ねる。
「どこの海が開いたか」。面積の数字は線グラフに任せ、地図は場所だけを答える。海ごとに数えてから見出しを書く。
白い面は今日の氷。オレンジの線は16年前の岸。線と面の隙間が、開いた海。


compare(参照が先、今が後)。最後のコマが左上の静止版(M-07)compare(参照が先、今が後)。最後のコマが左上の静止版(M-07)| edge_lines | 2 |
| projection | 極ステレオ(70°N 正角、EPSG:3411/3413) |
| threshold | 密接度15% |
極ステレオ格子(0=海 1=氷 253=海岸 254=陸)× 2枚(今日・基準)
偏差、推移/sequential
compare — 参照が先、今が後。16 年前の縁が先に置かれ、そのうえに今日の氷が重なる。読者が引き算をする順番と同じ。
forms.ice_edge.draw(card, ax, grid_today, grid_ref, label_today=, label_ref=, crop=, title=, labels=)
地理を数十kmの縮尺まで狭め、その一点を通る量と、通るものの偏りを数える。
「どこか」はもう決まっている。答えるのは、その一点をどれだけの量が通り、それが何に偏っているか。世界地図では点にしかならない場所が、この縮尺で初めて幅のある水路になる。
海のほうに地を置き、陸を白く抜くと、図が「通り道」の形になる。数えているのは水路の断面を横切った船で、円はその断面そのもの。


spatial(地が先、量が後)。最後のコマが左上の静止版(M-07)spatial(地が先、量が後)。最後のコマが左上の静止版(M-07)| extent | 数十〜数百km。縮尺を必ず置く |
| series | 1つの断面。複数の断面を1枚に置かない |
| count | 断面を横切った数。滞留や寄港を混ぜない |
| period | 期間を宣言する。受信の落ちた期間は入れず、入れなかったことを書く |
| legend | 置かない。数字の格子が代わり |
断面の位置(経緯度)と、期間ごとの通過数(種別つき)
割合、流れ/sequential
spatial — 地が先、量が後。陸と海が台紙として現れてから、数えている断面が置かれる。水路を左から右へ拭くと、船が一方向にだけ通るように見えてしまう(実際は双方向)。
forms.chokepoint.draw(card, ax, extent, mark=(lon, lat, km), lane=, title=, notes=, grid=)
推定や散らばりの幅を面で塗り、中央(中央値・平均)を線で通す。点ではなく幅で値を見せる。
「どこまで確かか」。点ではなく幅で値を見せると、観測網の薄い時代と厚い時代の差、戦争や衛星の登場が図に残る。幅の変化そのものが発見になる。
帯は霧の濃さ。線は霧の中の道。霧が晴れた時代ほど道がはっきり見える。


uncertainty(推定が先、幅が後)。最後のコマが左上の静止版(M-07)uncertainty(推定が先、幅が後)。最後のコマが左上の静止版(M-07)| bands | 1 |
| quantiles | 四分位/十分位/±2σ/5–95%/very likely のいずれかを明記 |
| series | 1 |
順序付き期間 × 中央値 × 下限 × 上限
推移/sequential
uncertainty — 推定が先、幅が後。答えているのは「どこまで確かか」。推定が引かれてから幅が開くので、幅が推定に付随するものだと分かる。
forms.band.draw(card, ax, x, mid, lo, hi, ylim=, ticks=, band_label=, mid_label=, title=, width_marks=, end_label=)
抽象量(°C)を、同じ観測列の中の人の尺度(暦の日付)に置き換える。量を先に置き、翻訳を後に添える。
「+2.5°C」は体で分からない。「いまの3月は百年前の4月はじめ」は分かる。翻訳は量の説明であって、量の代わりではない。だから量(°C)を必ず併記する。
二つの年周期は、同じ場所の百年前といまの暦。翻訳の寸法線は、暦の上を先へ進んだ距離。


analog(量が先、翻訳が後)。最後のコマが左上の静止版(M-07)analog(量が先、翻訳が後)。最後のコマが左上の静止版(M-07)| analogs | 焦点は1つ。他の月は地の重さの注記 |
| scales | 暦・場所・身体の三つだけ |
| source_of_analog | 同じ観測列(別の場所・別の物を持ち込まない) |
| quantity | 翻訳元の量(°C)を必ず併記 |
基準期間の 12 か月平均 × いまの 12 か月平均(同じ地点・同じ量)
推移、偏差/sequential
analog — 量が先、翻訳が後。量が先、翻訳が後。二つの年周期が置かれてから寸法線が現れる。翻訳先が先に見えると、量が翻訳に従属してしまう。
forms.analog.draw(card, ax, ref, now, focus_month=, focus_label=, ref_label=, now_label=, notes=, title=)
1面に1つの数字を大きく置き、その由来(量の名前・観測日・基準)と、小さな文脈図だけを添える。
読者が最初に知りたいのは「今いくつか」。数字を先頭に置くと、図は「それが多いのか少ないのか」を答える役に回れる。日次で更新できる骨格の表紙。
数字は計器の針。桁は測定精度そのもので、回る桁(Bloomberg の小数6桁)は「いま測っている」の合図。旅行ポスターでは太陽の円がこの数字の席になる。


count(数字が測定精度で止まる)。最後のコマが左上の静止版(M-07)count(数字が測定精度で止まる)。最後のコマが左上の静止版(M-07)| numbers | 1 |
| digits | 測定精度に合わせる(CO₂ 0.1ppm・気温 0.01°C・面積 万km²) |
| context_figure | 1つ。目盛は3〜4本 |
| colors | 2 |
最新値(数値・単位・観測日・場所)と、任意の文脈系列(順序付き期間 × 値)
推移、大小/sequential
count — 数字が測定精度で止まる。答えているのは「今いくつか」。桁が回って測定精度で止まるのが、その問いの形そのもの。
forms.big_number.draw(card, ax, value, unit=, label=, x=, y=, trend=, ylim=, ticks=, yunit=, end_label=, start_label=)
同じ型・同じ軸・同じ大きさの小図を格子に並べ、目の移動だけで比較させる。
「全部同じか、順に変わるか、1つだけ違うか」。12枚を見比べる代わりに、各パネルの右上の数字12個を読ませる。
12枚の窓。同じ大きさの窓から同じ景色を見て、窓ごとの数字で違いを言う。


sweep(データの時間で刷る)。最後のコマが左上の静止版(M-07)sweep(データの時間で刷る)。最後のコマが左上の静止版(M-07)| panels | 4〜16 |
| axes | 共有(独立は明記) |
| cols | 3〜4 |
| per_panel_series | 1 |
パネル名 × 系列(同じ x 軸・同じ単位)
推移、散らばり/sequential
sweep — データの時間で刷る。12 枚が同じ時間軸。全部を同時に刷ると、月ごとの速さの違いが並んで見える。
forms.small_multiples.draw(card, ax, panels, cols=4, ylim=, smooth=, title=, values=, value_color=)
07 章の図版は「型の見本」で、型ごとに 1 枚しかない。ここは逆に、外から来た 3 つの問いに台帳を引いた記録と、 v2.0 で立てた STUDY の下の IF(「もし」のレジスター)の初回。型が足りなければ、足りなかったことが検証結果になる。 手順は 06 章のとおり ── データを取る → 発見を掘る → 発見の種類から型を引く → 焦点を一つ決める → 見出しを書く → 検査に通す。
| 問い | 引いた型 | 結果 | 台帳に返したこと |
|---|---|---|---|
| 今年、世界のどこが燃えたか | 比例シンボル地図 | 無かった(v0.6) | 型を新設。正積図法・面積比例の円・凡例の代わりの数字の格子 |
| 今年の夏の世界平均気温 | スパゲッティ | 通った | 目盛の書式を引数に(実測値の軸に + は付けない) |
| ネパール氷河の衰退 | 基準線偏差の面 | 通った | 谷の名前は面の中ではなく谷の下へ。焦点を山の名前に置けるように focus= |
| もし1990年以降の傾きが続いたら | 不確かさの帯の延長(IF) | 通った(v2.0) | 「もし」は帯と経路の形しか取らない。閾値の数字は見出しに置かず、基準線の名前と landing へ |
問いの言葉が data の言葉と違うことがある。「森林火災」で引いたが、GWIS の焼失面積は全地被で、森林はその 7% しかない(2025 年)。 型を引く前に、問いの量が観測されている量と同じかを確かめる。違うなら、図題と出典でその差を書く(02 章「見えないものを書く」)。
地理カテゴリの型が 1 つも無かった。海氷の縁の重ねは極域の 2 時点比較専用で、「国ごとの量を世界地図に置く」型が台帳に存在しない。比例シンボル地図を起こした。v2.0 では焦点を最大の量ひとつに絞った ── 国名は地の重さ、数字だけ太字。


既存の型でそのまま通った。月別 87 年を日別 87 年に替えただけで、帯・平均線・今年の線・記録年の線という部品の割り当ては変えていない。v2.0 では「最も暑い日」の札を地の重さに落とし、太字は今年の線末だけにした。


気候の型を氷河に当てて通った。色だけ替えている ── 12 年のうち増えたのが 1 年なら、発散色ではなく 失った年を INK、増えた年だけ ACCENT にしたほうが「1 年」が立つ。v2.0 では焦点をその「増えた 1 年」に置き(focus="event:…")、線末の値は地の重さに。


STUDY の下の「もし」のレジスター。実データ(HadCRUT5)から延ばした像だけを描く ── 1990 年以降の直線回帰と、その 95% 予測区間。思弁は帯と経路の形しか取らない。見出しは「点線が線に届くのは、2030年代」で止め、閾値の数字は基準線の名前と landing に置く。現れ方は uncertainty(推定が先、幅が後)。月 1 の予定で、初回題材は 1.5°C。

