SORAH Design System
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DESIGN SYSTEM 2026.09
02 / Earth Language に戻る

観察・注釈・言葉の設計

何を見つけ、何と比べ、どう名づけるか。地図と色の選択を、観察と編集の作法へつなぎます。

適用範囲
共通の観察原則と、編集図版の作法を扱います。「黒=観測・青=解釈」「凡例を置かない」「1枚1色相(分類は例外)」はG1編集カードの規定です。地理Sceneの凡例・題材色・CrosspointにはEarth LanguageとS-01〜12を適用します。

00 — Premise

描く技術ではなく、写す技術

データビジュアライゼーションは長く「描く」技術として語られてきた。チャートを描く、図を描く。 しかしリサーチで共感の対象になった四つ ── Migliozzi、F1 のアプリ、Anadol、NASA SVS ── に共通していたのは、 描かれているものがデータ以外にないことだった。つまり彼らは描いていない。写している。

この態度を三つの工程に分ける。そこにあるものを見えるようにする(光を当てる)、 一つを選んで言葉を与える(焦点を結ぶ)、媒体に定着させる(写し取る)。 本質は写真と同じだが、この台帳で写真の語を使うのはこの三つの名だけにする。 作り手が対象を作らないこと、写し取るが判じないこと ── 引き受けるのはその構造である。

Thesis 光を当て、焦点を結び、写し取る。三つの工程の主体はそれぞれ違う ── 見えるものはデータが、焦点は作り手が、 質感は媒体が決める。作り手が自分で決めるのは焦点だけ。そしてその焦点は観察であって、結論ではない。

四つの共感 — 共通項が一つ、差異が一つずつ

共通項は、描かれているものがデータ以外にないこと。差異は、データの上に何を一つだけ足したか。

共感足したもの何をしているか台帳への写り
Blacki Migliozzi
Bloomberg / The New York Times
言葉記録更新年だけに色を置き、他年は細い灰。基準線の名前、線末の日付と値、Methodology。注釈が図の本体だから、他が要らないX-07 焦点は一つ/T-02〜T-05/線の階層(LW)
F1 App — Live Timing階層毎秒 110 万件のデータを持ちながら、画面に出るのは順位・ギャップ・タイヤという一列だけ。残りは後ろにある ── 持っていて、出さないX-07 の「退避」/F-02 凡例を置かない/landing と Source の層
Refik Anadol Studio
Unsupervised, MoMA
物質MoMA のロビーの壁という媒体に像を定着させる。同じデータでも媒体が変われば像が変わることを、建築のスケールで示す。取るのは方法ではなく、この事実だけX-10 写し取る媒体/判型 G1・G2・M1・P
NASA Scientific Visualization Studio何もない観測値とシミュレーション出力をそのまま像にする。疑似カラーの作法(波長の順序を保ち、注記で明示する)以外は、科学者の出力に手を入れないX-06 データに対応しない要素を置かない/F-04 色の系統/X-02 前提の検算

立ち位置 — 座標系のどの一点にも属さない

五つの領域はそれぞれ別の評価軸と資金を持ち、四つの出力形式は別の物理的制約を持つ。SORAH はそのどこにも属さない。各領域から一つずつ借り、一つずつ借りない。 一文で言えば ── 学術の根拠で、報道の作法を守り、アートの物質性を持つ、観察のメディア。

借りるもの誰から借りないもの
作法(基準を先に言う・除外を書く)報道(Migliozzi / Rojanasakul / 荻原)速報性・結論を言い切る見出し
知覚の根拠(位置>長さ>面積、object constancy、viridis)学術(Cleveland & McGill / Heer / Moreland)査読のための網羅性
物質性(媒体が像を決める)アート(Anadol / 池田)ML の幻覚・建築スケール・没入
階層(一つに絞る)エンターテインメント(F1 アプリ)スポンサー表示・予測の演出
記法(反復生成に耐える)産業(IBCS / Carbon)ダッシュボードの網羅・KPI タイル
01 — Three steps

三つの工程 — 光を当てる、焦点を結ぶ、写し取る

順序がある。光が当たらなければ焦点は結べず、焦点が結ばなければ写し取れない。それぞれ主体が違う ── 見えるものはデータが、焦点は作り手が、質感は媒体が決める。従属・決定・委任。中庸とはこの三つの配分そのものである。 台帳の 43 条はどれもこの三つの工程のいずれかに属し(Rule.step)、02〜04 章はその工程ごとに条を置く。

データ・作り手・媒体の三者と、三つの工程の主体の対応。工程ごとの条の数と条番号。
作り手が自分で決めるのは焦点だけ。何が見えるかはデータが、どう写るかは媒体が決める。工程の下の条番号は norm.RULES から描いた ── 全 43 条、機械 28。
工程主体作り手の関係答える問い中身条
光を当てる Illuminateデータ従属何が見えているかそこにあるものを見えるようにするだけで、何も足さない。データでないものは照らしても現れない12(機械 8/人 4)
焦点を結ぶ Focus作り手決定何を名指すか一つの発見を選び、それに言葉を与える。名前は一つのものにしか付かない。焦点は観察であって結論ではない13(機械 10/人 3)
写し取る Capture媒体委任どう定着するか質感・尺・判型は媒体が持つ。画面は画面、動画は動画、紙は紙の像を持ち、別のものに擬態させない16(機械 10/人 6)
三つを貫く Across——三つが一つの発見に従属しているか一つの発見が三つの工程を通る。検査に落ちた出力は生成されない2(機械 0/人 2)

焦点を結ぶ — 名づけて、決めない

三つの工程のうち、作り手が決めるのはここだけ。だからここに SORAH の仕事の核と、SORAH が越えない線の両方がある。 焦点は一点にしか合わない。一つの発見を選び、それに言葉を与える。「言葉を足す」と「一つだけ前に出す」は同じ行為の二つの面で、 名前は一つのものにしか付かない。選ばれなかったものは後ろに退くが、消えない ── Source と注記の層に退避させる。削ぐことと隠すことは違う。

ERA5 の夏の日別気温の束。灰色の過去年の中に今年の一本だけが青く、線末に年と平均値のラベルが付く。下に Source と注記の層。
焦点は今年の一本。過去年は薄い束、平年は点線と文字(ERA5 の夏の日別値、実データ)。削ぐのは見せる量であって持っている量ではない ── 残りは Source と注記の層に必ず退避する。
Rule 写し取るが、判じない。焦点を結ぶのは観察であって、結論ではない。「夏の四つの最高記録は直近の四年」は焦点。「だから危険だ」は結論。 SORAH は前者で止まる。結論を出すのは SORAH の役割ではなく、焦点の合った観察が問いを開き、結論を出さないことで読者の思弁の余地が残る。

焦点と wonder は対立しない。焦点が見出しを一つに決めるから、図と landing は開いたままでいられる。 台帳の T-01(観察のレジスター)と T-03(見出しは結論の数字を持たない)がすでにこの線を引いていて、v2.0 では X-07(焦点は一つ)を機械の検査にした ── 太字と色を持つ名指しが 1 枚に 1 つでなければ、画像は書かれない。

規範は 1 箇所にしか書かない。この台帳の条項は engine/norm.py の RULES にあり、 検査(spec.py / motion.py)も、いま読んでいるこの文書も、同じ RULES を読んで作られている。 条ごとに機械が見るのか人が見るのかを明記したのが 05 章の契約表。

02 — Illuminate

光を当てる — そこにあるものを見えるようにする

そこにあるものを見えるようにするだけで、何も足さない。データでないものは照らしても現れない ── イラスト層・装飾・比喩の形は置かない。「装飾を排したタイポグラフィ主導」はこの帰結であって出発点ではない。 光を当てるのは作り手が選ぶことではなく、データを見える状態に置くこと。何を前に出すかを選ぶのは、次の焦点の仕事。 主体はデータ。作り手はデータに従属する。

以下の 12 条がこの工程の条。作画の面積・凡例の有無・色の系統・ゼロ起点・明度差・密度は発行のたびに機械が見る。 「データに対応しない要素を置かない」(X-06)と「罫の最小限」(F-09)と「地図の必然性」(F-10)は人が見る。 発見の前提(X-02)は各型の demo() が毎回データから検算し、崩れていればその日は出さない。

条規範・根拠判定
X-02発見の前提は、発行のたびに検算する

「一度も下がっていない」「最後の3年」「増えた年は1年」── 見出しが立っている前提は、毎回データから確かめ、崩れていたら発行しない。前提が崩れた図は、きれいなまま嘘になる。

各型の demo() が ValueError を投げる
自動
X-06光を当てる ── データに対応しない要素を置かない

そこにあるものを見えるようにするだけで、何も足さない。装飾・比喩の形・イラスト層・写真の地は、データでないので照らしても現れない。「装飾を排したタイポグラフィ主導」はこの帰結であって出発点ではない。F-07(1枚1色相)・F-09(罫の最小限)の上位原則。

方向性 v2.1 §3 光を当てる(NASA SVS「何も足さない」)
人が確認
F-01作画が紙面を支配する

作画は紙面の 55% 以上(G1 は 56.6%=936×764px)。作画が小さいのは、何を見せるか決められていないことの現れ。

商品は版面いっぱいに図がある
自動
F-02凡例を置かない

置ける場所があるなら図の上に直接書く。凡例は色と意味を目で往復させる。代わりに、線の端・面の中・点の横に名前を置き、それでも足りなければ**縮小図の列か数字の格子**を敷く(AQUA FLUXUS / GLACIES LIQUOR #1)。

v5.1 07「凡例より直接ラベル」+商品の構造
自動
F-04量は順序・発散、種類は分類色で表す

量の大小は順序色、基準との差は発散色で表す。順序のない種類には分類色を認める。fill_kind=categoryを宣言し、分類名を直接併記する。色だけで種類を伝えない。虹(jet / rainbow / turbo)は順序が知覚と一致しないので使わない。

2026-09-20 対話で分類色を採用 / v5.1 07
自動
F-05長さ・面積で量を表す型はゼロ起点

棒・縞・面・柱はゼロ起点。線・点・地図は任意だが、波線省略はしない。主エンコーディングを宣言してから描く(marks=)。

v5.1 07「比較を歪めない」
自動
F-06グレースケールで生きる

データに使う色は、明度だけで区別がつくこと(明度差 24 以上)。赤緑の識別に依存しない。VI Blue #00BFFF はブランド専用でデータに使わない。

v5.1 07「グレースケールで生きる」
自動
F-081つの要素は1px 以上を占める

系列の点が版面の幅に対して 1px 未満になるまで詰め込まない。元データより細かい解像度に集計しない。読めない密度は密度ではなく汚れ。

v5.1 07 六角格子の条項
自動
F-09軸・罫・格子は最小限。消して読めるなら消す

残す罫は #F0F0F0 まで薄く、目盛は2〜4本、単位は最上段だけ。商品には軸も目盛も格子罫も無い。

v5.1 07 Do +商品「していないこと」
人が確認
F-10地図である必然性がある

位置そのものが発見であるときだけ地図にする。量が発見なら地図ではなく量の型へ。面積で量を表すなら正積図法を使う。

v5.1 07 地図を使ってよい条件
人が確認
F-11区画を塗るなら、率・種類・回数のどれかを宣言する

区画の塗りが運べるものは三つ。**率**(分母がその区画に属する割合・密度)、**種類**(順序を持たない区分)、**回数**(数え上げ)。**絶対量は選べない** ── 読者は塗られた面積を量として読むので、分母を持たない量で塗ると、広い区画が濃く見えるだけの図になる。回数で塗れるのは区画の大きさが揃っているとき(固定格子)だけで、国や県のように大きさの違う区画では、回数は率に直す。種類のときだけ色相を区分の数だけ使ってよく(上限4)、その色は順序を持たない ── だから凡例ではなく、区分の名前を図の中で直接名指す。表は norm.FILL_KINDS。

v2.1 の「率でしか塗らない」を三つに分けた(2026-09-06)。禁じるべきだったのは率以外ではなく、分母を持たない量
自動
T-05出典に観測日がある

データ名・基準期間・観測日・暫定の別・ライセンスを2行以内に。「今日」「最新」と書くなら、その日付がどこかに必ずある。

v5.1 07「不確かさを描く」
自動

照らし方の作法 — 商品から

参照は外にだけあるのではない。SORAH が実際に刷って売っている4枚(CLIMATE STRIPES / AQUA FLUXUS / GLACIES LIQUOR #1 / SYLVANIA CONTINUUM)が していることは、そのまま「光を当てる」の作法だった ── 紙が見える(地を塗り潰さない)、図版は版面いっぱい、凡例は縮小図か数字の格子、 軸を引かない・目盛を打たない・格子罫を敷かない・色を3色以上使わない・同じ情報を2度書かない。台帳の図版が「機械的」に見えていた原因はほぼこの裏返しだった(doc H)。

色 — 紙の色とデータの色

紙の色は型・罫・地にだけ使い、データには使わない。データの色は1 図 1 系統+強調 1 色、合わせて 3 色まで。有彩色は焦点にだけ置く ── 今年か、記録か、名指した一つ(Rojanasakul / Migliozzi)。色を置く相手を選ぶのは焦点の仕事(03)で、ここは置ける色の系統だけを決める。

定数値役割
INK / PAPER#1A1A1A / #FFFFFF文字・主線・基準線/地。夜版(P・動画)では反転
GRAY_MID / GRAY_LIGHT / RULE#8A8A8A / #B5B5B5 / #D8D8D8目盛の値・薄い名前/ゼロ線/罫
PAST#D2D2D2過去年の束・年々の値(1.0px、名前を付けない)
AVG#808080平均・気候値の点線(2,3)。#555 は ACCENT との明度差 10 で検査に落ちた
GRID#EBEBEB横罫 1px。目盛は 3〜4 本、単位は最上段だけ
ACCENT#006BFF(Graphic 01)今年・強調・線末ラベル・寸法線。1 図に 1 点
WARM / COLD#B2182B / #2166AC偏差の面の上下(RdBu の両端、明度を揃える)
EDGE_REF#E8721C氷縁の基準線(NSIDC・極地研の慣例)
NEGATIVE#DA003C(Accent)負の変化・警告のみ。閾値線(「2015 limit」型)にも使える
VI Blue#00BFFFデータに使わない(ロゴ専用)。palette() が拒否
系統使う発見規定根拠
順序 Sequential量・密度・深さ明度が単調に変わる知覚均等スケール。白→INK、白→#05396B、または cmocean(thermal / ice / deep)・Crameri(batlow)・viridis。色相を増やさない。P 判型では 5 段に量子化して平塗り(夕日の段階色)Thyng 2016、Crameri 2020、NASA EO、SORAH ART ボード
発散 Diverging基準からの偏差白または薄灰を中央に。両側は対称に暗くなる(RdBu、cmocean balance)。青/紫、緑/赤の組は避けるIPCC AR6 colour guide、Wilke
濃淡 1 系統同じ量の段階(濃縮度 2 / 5 / 20 / 60%)1 色相の 3〜4 段。段の名前は右端に直接(NYT Uranium)NYT Migliozzi
分類 Categorical順序のない種類種類ごとの色分けを認める。分類名を直接併記し、色だけに依存しない。G1は上限4区分。量の大小は順序色、基準との差は発散色を使う2026-09-20 対話による採用。F-04 / F-07 / F-11。作例の色値は共通カテゴリパレットの指定ではない
意味色慣例で読者が知っている色暖=赤、冷=青、植生=緑、水=青、氷縁の基準線=オレンジ、欠測=灰、No Data=#EBEBEB。素材の色(原油=黒、氷=白)はこれに含めるNSIDC、GFW、NYT Hormuz

黒=観測、青=解釈

1枚の中で色が担う役割を先に決める。INK は測られたもの(観測値・平滑・氷・震源)、ACCENT は人が足したもの(傾向線・回帰・寸法線・今年の強調・線末の値)。読者は色の名前を覚えなくても、青いものは「誰かの解釈」だと分かる。PAST は文脈(過去年の束・年々の値)で、名前を持たない。分類データでは、種類ごとの色と直接ラベルをこの規定の例外として使える。

段階と検証

隣接色は最大 10–11 段階(IPCC)。縞は 16 色(Hawkins)。誤差 ±0.5°C のデータに 0.1°C 刻みの色を当てない。公開前にグレースケール変換で読めること、色覚シミュレーション(Color Oracle・Coblis)で崩れないことを確認する。spec.py の check_palette は輝度差 24 未満の組を拒否する。本文の数量は図の色で組む(03 焦点を結ぶ)ので、本文に現れる色も palette() に含める。

使わない

虹(jet / rainbow / turbo / hsv)— 順序が知覚と一致せず、偽の縞を作る。赤緑だけで正負を分ける。半透明の重ね塗り(色の混合が新しい意味を持ってしまう)。4 色以上の平塗り(P 判型の 5 段量子化を除く)。

不確かさ・観測日・欠測 — 見えないものを書く

状況描き方書き方(実例)出典
推定の幅帯(四分位/十分位/±2σ/5–95%/95% 信頼区間)。輪郭なし。幅が発見なら寸法線図題の 2 行目に定義(「1961–1990年平均との差、95%信頼区間」)。本文は「+1.05°C [1.01–1.09]」HadCRUT5、Berkeley Earth、IPCC SPM.8、Wilke 16章
暫定値線は最新点で止め、● を置く。延ばさない出典に「速報値含む」「直近1年は暫定」「今年は7月まで」。記録年は年が終わるまで「記録年」と呼ばないNSIDC、NOAA GML、NYT「data … are preliminary」
欠測描かない。線を切る。補間しない欠測色(灰)を凡例ではなく注記で。気象庁の品質記号( ) ] )は落として使う気象庁、NASA EO
観測日・基準期間—出典に取得日・データ版・基準期間(「1951–1980年平均との差、1950–2026年(今年は7月まで・2026年9月取得)」)。「今日の」と書くなら観測日必須NASA EO、JAXA
観測網の変化帯の幅で見せる。隠さない「観測が減った1942年に幅0.42°Cまで広がり」HadCRUT5
低確率・高影響破線。帯と混ぜない「排除できない経路」IPCC SPM.8
手法の不一致ハッチング、または 0「モデル間で一致しない」IPCC SPM.3、Climate Central CSI
観測点の移転・方法変更三角印、断絶を線で切る。都市化の影響は出典に「都市化の影響が小さい15地点」「都市化の分を含む」気象庁、GFW

地図 — 地図である必然性

地図にするのは、どこで起きたかが発見の中身であるときだけ。量の比較は地図に向かない(面積が値を歪める)。海氷は「線の内側に縮んだ」と書く前に海ごとに数える — 2026.08.29 vs 2010.09.01 では東シベリア海で −16万km²、チュクチ海では +8万km² で、合計だけ見ると戻った海が消える。面積の合計は線グラフの側で言い、地図では海ごとの差だけを言う。

用途投影規定
全球のアノマリーRobinsonNASA SVS の標準。発散色・白中央・基準期間を図題に
極域極ステレオ(70° 真緯度、EPSG:3411/3413)歪みを注記(「北極を上から見た図」)。面積比較には使わない。全球には使わない
面積の比較等積図法、または等面積カートグラムIPCC は六角形カートグラムで面積バイアス自体を回避
率の分布コロプレス(率)率のみ。絶対量は不可(FT・Sunlight)。5 階級以下。No Data 色を定義
区分の分布区画の種類順序の無い区分だけ。4 区分まで・区分ごとに別の色相・凡例を置かず区画の上に名前
回数の分布格子(回数)マスの大きさが揃っているときだけ。国や県では回数を率に直す
総数の分布比例シンボル面積比例。細差は読めない
密度ドット密度・六角格子元データより細かく集計しない。見せたいパターンを注釈
位置と量の関係断面(地図を捨てる)位置の一軸と量の一軸で切る。傾きは読者の単位で(「西へ1°ごとに約17km深い」)+相関

ベースマップは無彩色(Stamen Toner の思想)。海岸線は描かず、データの陸海マスクで見せる。氷縁の基準線はオレンジ(NSIDC・極地研の慣例)、今日の縁は INK 1px。海の名前は地図の上に薄く置き、開いた海・戻った海だけ太字で面積を添える。行政単位に吸着させない。SORAH の Maps ボードが集めているのは等高線・流線・稜線・海底地形 — 線の密度で量を見せる地図で、面塗りの地図ではない。

区画の塗り — 率・種類・回数(絶対量は入っていない)

v2.1 の台帳はここに「率でしか塗らない」と一行だけ書いていた。理屈は正しいが効きすぎていて、 開票マップ(いちばん票を取った政党=種類)も被災履歴マップ(被災した回数)も作れなかった。 禁じるべきだったのは率以外ではなく、分母を持たない量である。だから三つに分けた ── 区画を塗る図は、塗る前に色が何を運ぶかを宣言する(F-11、Card.fill_kind)。宣言の無い塗りは発行されない。

塗りが運ぶもの宣言条件持っている型
率 Raterate分母がその区画に属する割合・密度。面積あたり・人口あたり・全体に占める割合。区画の形は問わないコロプレス(率)・区画の偏差
種類 Categorycategory順序を持たない区分。色は量ではなく区分の名前なので、区分ごとに色相を分ける。上限4区分区画の種類
回数 Countcount数え上げ。分母を持たないので、区画の大きさが揃っているときだけ(固定格子)。国や県では回数を率に直す格子(回数)
絶対量—選べない。分母を持たない量で区画を塗ると、読者は塗られた面積を量として読む比例シンボル地図(円の面積)へ

回数の条件が要る理由。大きさの違う区画(国・県)を回数で塗ると、広い区画ほど数が多くなり、 読者は塗られた面積を量として読む ── それは絶対量で塗るのと同じ嘘になる。だから回数で塗れるのは、 マスの大きさが揃っている固定格子のときだけで、国や県では回数を面積あたり・人口あたりの率に直す。 種類だけが色相を分けてよい理由。種類の色は量ではなく区分の名前なので、濃淡で並べると 「濃いほうが多い」と読まれてしまう。だから 1 枚 1 色相(F-07)の唯一の例外として、区分ごとに色相を分ける ── ただし 4 区分まで、そして刷ったときと色が見えない読者のために明度も 24 以上ずつ離す。

03 — Focus

焦点を結ぶ — 一つを選び、言葉を与える

焦点は一点にしか合わない。一つの発見を選び、それに言葉を与える。見出しは見えているものの名指し、landing は読み方の受け渡し、 出典は作り方の開示。三つを混ぜない。図の側でも同じことが起きる ── 有彩色と太字は焦点にだけ置き、残りは無彩色の濃淡と地の重さで退く。 主体は作り手。作り手が決定する。そして決めてよいのはここだけ。

以下の 13 条がこの工程の条。v2.0 で足したのは X-07(焦点は一つ ── 太字の名指しは 1 枚にちょうど 1 つ、機械)、 X-08(焦点は観察 ── 名づけて、決めない、人)、X-09(基準の所在 ── 宣言した基準が図題か注記に無ければ書かない、機械)。 色相の数と分類の例外(F-07)、注釈の有無(F-03)は図の条だが、意味はここに属する ── 色と注釈は焦点の道具だから。

条規範・根拠判定
X-07焦点は一つ ── 前に出る発見は1枚に1つ

名前は一つのものにしか付かない。**太字と色を持つ名指し(線末の札・山の名前・寸法線の値)は1枚にちょうど1つ**。二つ目を前に出したくなったら、それは二枚目の図。選ばれなかったものは消さずに後ろへ退く ── 地の重さの注記と Source の層に退避する。削ぐことと隠すことは違う。

方向性 v2.1 §3 焦点を結ぶ(Migliozzi「記録年だけに色」)
自動
X-08焦点は観察 ── 名づけて、決めない

見出しと landing は観察の文で、評価語・因果の断定・「だから」を含まない。「夏の四つの最高記録は直近の四年」は焦点、「だから危険だ」は結論。SORAH は前者で止まる。結論を出さないことで、図と landing は開いたままでいられる。T-01 の上位原則。

方向性 v2.1 §3 但し書き
人が確認
X-09基準の所在 ── 立場は基準の選び方にだけ現れる

平年・基準期間・閾値・除外条件を先に決め、**図題か図中の注記に必ず書く**。型は何を基準にしたかを宣言し(Card.basis)、宣言した語が図題か注記に無ければ発行しない。今年だけに色を使い、暫定データの範囲を切り、除外条件(「M4.0以上」「全地被」「都市化の分を含む」)を書く。

方向性 v2.1 §5 中庸(Rojanasakul “not included”/Goodsell「水分子は描かない」)
自動
F-03図の中に注釈が1つ以上ある

注釈は説明文ではなく図の一部。パターンか解釈を名指す。「ここにデータがあります」は注釈ではない。

v5.1 07「注釈が図の主役」
自動
F-071枚1色相を基本に、分類は種類で色を分ける

有彩色は1枚に1系統(発散だけ2色相)。色は今年か記録か、焦点の合った一つにだけ置き、残りは無彩色の濃淡で退く。分類データは例外として種類ごとに色相を分け、名前を併記する。G1の分類は上限4区分。5区分以上は図を分ける。商品は4点中3点が特色1〜2版で刷られている。

商品の実仕様(doc H §2-1)+ Migliozzi
自動
T-01観察のレジスターに立つ

見出しは図に見えているパターンを名指す。規範・断定・扇動をしない。「〜すべきだ」「危機」「衝撃」は観察ではない。**語彙は T-06 が機械で見る(売り言葉と価値判断の表)。レジスターそのものは人が見る** ── 表に無い語でも、良し悪しを先に決めてから図を選んでいれば、それはもう観察ではない。

SEE 編集原則 + v5.1 08
人が確認
T-02見出しは文ではなく名指し

常体。句点で終えない。問いかけにしない。和文は全角17字以内、欧文は 68 字以内(46pt で3行)。1行の切れ目は改行文字で指定する。

v5.1 08 見出しの作法
自動
T-03結論の数字と術語は見出しに置かない

測った量(+1.73°C・429.1ppm・16万km²)と術語(偏差・パーセンタイル・extent)は本文に潜ませる。見出しが運ぶのは数の**向き**か、例外の**無さ**。

v5.1 08
自動
T-04landing は読み方を渡す。凡例の説明にしない

「色は…を表す」「縦軸は…」は凡例であって読み方ではない。何を1本が表すか、どこを見るか、何と比べたかを渡す。「〜は含まない」を書いてよい。和文54字・欧文100字以内。

v5.1 08
自動
T-06使わない語がある

二群ある。**売り言葉**(革新的・イノベーション・ソリューション・シームレス/innovative・revolutionary・seamless・unprecedented・alarming)と、**価値判断・規範**(優しい・こわい・ひどい・深刻・正しい・愚か・危険・脅威・過激・〜すべきだ/gentle・scary・devastating・dangerous・wrong・foolish・should)。図に現れているのは量であって善悪ではない。良し悪しは読者が決める ── 作り手が先に決めてしまうと、図は根拠ではなく飾りになる。絵文字も使わない。表は norm.BANNED と norm.JUDGEMENT。

v5.1 08「使わない語」+ T-01 の語彙側
自動
T-07同じものを2つの言葉で呼ばない

台帳の語彙(norm.LEXICON)に載っている言い換えを使う。「平年」は書かず基準期間を書く。「anomaly」は書かず difference from … と書く。

20枚目のカードが1枚目と違う語を使わないため
自動
T-08本文の数量は、図でその量に使った色で組む

landing の中の数字を図の色で太く組めば、凡例を置かずに本文が凡例になる。1文に2つまで。数字以外の語には使わない。

NYT の作法 + F-02
人が確認
T-11図の中の言葉も、同じ台帳で書く

図題・図中の注記・数字の札の文は、見出しや landing と同じ語の検査を通る(T-06 使わない語 + T-07 台帳の語彙)。四つのテキストスロットだけを見ていると、抜け道が開く ── 「優しい日本と、こわい日本」は見出しに置けば落ちるのに、塗り分けの図題に置けば通ってしまっていた。図の中は言葉の数が少ないぶん、一語が図全体の意味を決める。

実測(2026-09-06): 図中の注記はどの検査も通っていなかった
自動

語の台帳

同じものを2つの言葉で呼ばない。20枚目のカードが1枚目と違う語を使い始めたら、それは台帳が無いということ。 その場で定義しているなら通す(「平年(1991–2020年)」は可、「平年」だけは不可)。

使わない語置き換える
平年1991–2020年平均(基準期間を書く)JA
アノマリー平均との差JA
偏差平均との差(見出しでは使わない)JA
エクステント面積JA
温暖化気温の上昇(測った量で書く)JA
危機(使わない。観察のレジスターから外れる)JA
衝撃(使わない)JA
anomalydifference from the … meanEN
extentareaEN
unprecedented(do not use)EN
alarming(do not use)EN
crisis(do not use)EN
skyrocket(do not use)EN

使わない語 — 売り言葉と、価値判断

二群ある。売り言葉(革新的・シームレス・unprecedented)は最初から入っていた。 価値判断・規範(優しい・こわい・深刻・正しい・愚か・危険・〜すべきだ)は v2.4 で足した ── 日常語なので、長さの検査も文体の検査も素通りしていた。図に現れているのは量であって善悪ではない。 作り手が先に良し悪しを決めてしまうと、図は根拠ではなく飾りになる。 そして v2.4 から、この検査は図の中の言葉にもかかる(T-11)── 図題・注記・数字の札。 四つのテキストスロットだけを見ていたときは、「優しい日本と、こわい日本」を図題に置けば通っていた。

使わない語群
革新的売り言葉JA
革命的売り言葉JA
イノベーション売り言葉JA
Creative Platform売り言葉JA
世界をより良くする売り言葉JA
ソリューション売り言葉JA
シームレス売り言葉JA
衝撃的売り言葉JA
危機的売り言葉JA
innovative売り言葉EN
revolutionary売り言葉EN
game-chang売り言葉EN
cutting-edge売り言葉EN
world-class売り言葉EN
seamless売り言葉EN
solution売り言葉EN
make the world a better place売り言葉EN
unprecedented売り言葉EN
shocking売り言葉EN
alarming売り言葉EN
優し価値判断・規範JA
やさし価値判断・規範JA
こわい価値判断・規範JA
怖い価値判断・規範JA
恐ろし価値判断・規範JA
恐怖価値判断・規範JA
ひどい価値判断・規範JA
酷い価値判断・規範JA
悲惨価値判断・規範JA
悲劇価値判断・規範JA
惨状価値判断・規範JA
深刻価値判断・規範JA
甚大価値判断・規範JA
壊滅価値判断・規範JA
破滅価値判断・規範JA
脅威価値判断・規範JA
正しい価値判断・規範JA
間違価値判断・規範JA
誤った価値判断・規範JA
愚か価値判断・規範JA
賢い価値判断・規範JA
賢明価値判断・規範JA
まとも価値判断・規範JA
良い価値判断・規範JA
悪い価値判断・規範JA
最悪価値判断・規範JA
最良価値判断・規範JA
素晴らし価値判断・規範JA
見事価値判断・規範JA
危険価値判断・規範JA
安全価値判断・規範JA
過激価値判断・規範JA
残念価値判断・規範JA
憂慮価値判断・規範JA
懸念価値判断・規範JA
警告価値判断・規範JA
べきだ価値判断・規範JA
べきである価値判断・規範JA
すべき価値判断・規範JA
ねばならない価値判断・規範JA
なければならない価値判断・規範JA
gentle価値判断・規範EN
scary価値判断・規範EN
frightening価値判断・規範EN
terrifying価値判断・規範EN
horrific価値判断・規範EN
horrifying価値判断・規範EN
appalling価値判断・規範EN
devastating価値判断・規範EN
catastrophic価値判断・規範EN
disastrous価値判断・規範EN
grim価値判断・規範EN
tragic価値判断・規範EN
threat価値判断・規範EN
threatening価値判断・規範EN
dangerous価値判断・規範EN
safe価値判断・規範EN
good価値判断・規範EN
bad価値判断・規範EN
evil価値判断・規範EN
wrong価値判断・規範EN
foolish価値判断・規範EN
stupid価値判断・規範EN
wise価値判断・規範EN
worrying価値判断・規範EN
worrisome価値判断・規範EN
troubling価値判断・規範EN
should価値判断・規範EN
must価値判断・規範EN
ought価値判断・規範EN

注釈の六種 — 焦点と、その後ろに退く層

種類役割実例(台帳の図から)置き場
図題測った量と基準期間「月別の世界平均気温/1951–1980年平均との差」「東北沖の震源の断面/東経138–146°、M4.0以上、この1か月」form 枠の左上、太字 24pt・2 行。見出しはパターン、図題は量(Card.title)
線末ラベル最新の日付と値を線と同じ色で「7月 +1.23°C」「2026年7月 +1.73°C」「2025年 +1.05°C」「7月 429.1」線の末端の ● の横。届かなければ引き出し線で右上へ(Card.end_label)
基準の明示何と比べているか「1981–2010年の平均」「平均 1950–2025」「0 地表」基準線の左端の上、平均は点線の上
山の名前・指差し出来事と発見の位置「1997–98」「2015–16」「記録年 2024」「2023年から +1°C超」「M6.0 8月23日 深さ41km」山の左肩、罫(INK 1.4px)の横。線に乗せない。重ねるときは紙色の縁取り(halo)
寸法線・パネルの数字幅や差そのものを測って見せる「1942年 幅0.42°C」「1860年 幅0.30°C」「11月 +3.4°C」帯の幅に縦線+値、小さな多数は各パネルの右上に 1 つ
数字の札今日の数字と由来「429.1 ppm — 大気中の CO₂ 濃度、2026年7月、マウナロア」form 枠の上 44%、Poppins Bold 132pt(Card.big_number)

直接ラベル

凡例は置かない。線の端・面の中・点の横に名前を書く(Card.annotate)。目盛は薄灰の横罫と左端の値で足りる(Card.yticks)。目盛は 3〜4 本、単位は最上段の目盛にだけ(「+1.5°C」「50 km」「440ppm」— NYT / Bloomberg)。年は下端に 3〜5 つ、始点の年は左寄せ、終点は右寄せ。単位は数字より小さく、数字に密着。数字はタブラー。

線の階層(Rojanasakul / Migliozzi の寸法)

NYT Climate の Mira Rojanasakul、Bloomberg → NYT の Blacki Migliozzi の作品から取った作画の階層を、card.LW と色定数に固定した。今年・強調 3.0px ACCENT + 末端の ● + 同色の線末ラベル(1枚に1つ。これが焦点)/主線 2.4px INK/副線・傾向 1.6px/過去年の束 1.0px PAST(名前を付けない)/平均・気候値 AVG 点線(2,3)に「平均 1950–2025」を線上に置く/横罫 GRID 1px/ゼロ線 GRAY_LIGHT 1.4px。色は 1 図に 3 色まで。同じ図を並べるときは目盛・ラベル語彙を完全に共通化し、パネルごとに結論の数字を 1 つ置く。暫定データの期間と除外条件を出典に書く。詳細は doc F。

見出し・landing・出典

見出しは全角 17 字以内・常体・図に見えているパターンを名指す・結論の数字と術語を置かない(v5.1 08)。1 行は 12.5 字(54pt=75px/字)なので、2 行目の切れ目は改行文字で指定する(「7月の赤は、/77年で最も高い」)。見出しの前提(「一度も下がっていない」「最後の3年」)は demo() が毎回検算し、崩れれば発行しない。landing は読み方を渡す 2 行で、凡例の説明にしない。出典はデータ名・基準期間・観測日・暫定・ライセンス・sorah.io/earth を 2 行以内に(長いときは機関名を短くする)。すべて norm の検査を通る。

本文の数字を図の色で

landing の中の数量(「+1.73°C」「16万km²」「429.1ppm」)は、図でその量に使った色で太く組む(Card(marks={"+1.73°C": WARM}))。凡例を置かない代わりに本文が凡例になる(NYT「10 times the normal levels」の作法)。1 文に 2 つまで。数字以外の語には使わない。

三極の統合 — 態度ではなく、作法として

ニュートラル/中庸、Optimistic Humanism、Speculative Art。三つの極は、リサーチの結果、いずれも作法として書けることが分かった。 ムードではなく、条文と番組になる。三つとも焦点の工程に属する ── 何を基準にし、何に翻訳し、何を「もし」として延ばすかは、作り手の決定だから。

極作法台帳での現れ方参照
中庸
Neutral
基準を先に決め、書く。立場は基準の選び方にだけ現れる。平年・基準期間・閾値を先に決め、図題か注記に書く。今年だけに色を使い、暫定データの範囲を切り、除外条件を書くX-09(機械)。型が Card.basis() で基準を宣言し、図題か注記に無ければ保存しない。deviation(基準が先)と compare(参照が先)はこの順序を動きとして持つBloomberg 2015(基準 1880–1910 を固定し要因を重ねる)/Goodsell「水分子とイオンは描かない」/荻原和樹 2020
Optimistic Humanism
Humanism
人間尺度への翻訳。実際に人の認知を動かした型は「自分ごと化」と「翻訳」だった。抽象量を似た場所・身体・一日に翻訳する。楽観は wonder 系番組の役割とし、気候番組で無理に作らない ── 良くなっているものも、同じ作法で数える発見カテゴリに翻訳(analog)を追加し、動きの語彙の 7 つ目 analog(量が先、翻訳が後)を足した。最初の型は「暦の翻訳」(07 章)。翻訳先は同じ観測列の中から取るNYT 2018「How Much Hotter Is Your Hometown」/The Pudding「Climate Zones」
Speculative Art
Speculative
「もし」のレジスター。SORAH は実データしか扱わないが、思弁は成立する。反実仮想の経路、予測の帯、閾値の同心円は実データから延ばした像。思弁は帯と経路の形しか取らない、という制約が SORAH らしさになるSTUDY の下に IF を立てた(08 章「もし1990年以降の傾きが続いたら」)。uncertainty(推定が先、幅が後)がそのまま動きになる。kicker は study / ifEd Hawkins climate spiral(1.5℃・2.0℃ の同心円)/NYT の 2090 年までの予測の帯/池田亮司 data.tron

物質性は Speculative の第二の面で、写し取る工程と同じことを指す。SORAH では印刷が担う ── 刷った日のポスターは固定された参照、日次の G1 は偏差。壁の紙と画面の今日が compare の関係にある。

07 — Data Visualization

データビジュアライゼーション

SORAH は図を二つの場所で使う ── 人が操作している画面の中と、単体で受け取られる発信物。同じ規範では作れない。まずどちらかを決め、そのうえで共通の法則に従う。

二つのレジスター

プロダクトの図発信のグラフィック
読まれ方操作の途中で走査される単体で受け取られ、共有される
地ライト=純白 / ダーク=#0C1428G1は白。P・動画の夜版は媒体規定に従う
書体数値 Poppins 800 tabular / 和文 Noto Sans JP欧文 Poppins / 和文 Noto Sans JP
色#006BFF を強調1点。#DA003C は負の変化のみ紙の色(INK / GRAY)+データの色を1系統
数字大きく太く、カードの最上段に見出しに置かない。本文に潜ませる
正典本ガイド本ガイド + SEE 編集原則

迷ったときの判定 ── その図を、人が操作している画面の中で見るのか、それ単体で受け取るのか。操作の中なら前者、単体なら後者。記事の中の図版は後者に従う。

共通の法則

法則意味落ちる例
1図1メッセージひとつの図はひとつの発見だけを運ぶ。二つあるなら二枚に分ける指標を並置したダッシュボード
色は階層、装飾ではない色は情報の重みを区別するためだけに使う。きれいだから塗る、はしない系列ごとに違う色を割り当てただけの折れ線
凡例より直接ラベル置ける場所があるなら図の上に直接書く。凡例は最後の手段色と意味を目で往復させる凡例
基準のない数字は意味を持たない何と比べたのかを図の中に置く。平年、前年、他の地域、45年前単独の「+1.23°C」
注釈が図の主役言葉はパターンか解釈を名指す。「ここにデータがあります」とは言わない軸ラベルだけの図
比較を歪めない棒はゼロ起点。面積は面積で比べる。二重軸・切断軸・3Dは使わない差を誇張した切断軸
隠さない重要な内容をホバーやタップの裏に置かない。既定の状態で意味が通ることツールチップにしかない数値
不確かさを描く暫定値・欠測・観測日を、確定値と同じ顔で出さない観測日を書かない「今日の」
グレースケールで生きる色を落としても読めること。赤緑の識別に依存しない赤と緑で正負を分けただけの図

図の型と用途

図の形式選びは T シャツ選びではない。型にはそれぞれ機能がある。

型使う場面注意
線連続量の推移同時に描くのは3本まで。4本を超えるなら面を分ける
棒離散した項目の比較ゼロ起点。項目は意味のある順に並べる(アルファベット順にしない)
縞1次元の長い時系列1本=1期間を明示。端の年を必ず置く
面構成比の推移合計が意味を持つときだけ。積み上げの順序を途中で変えない
点分布と外れ値重なりは透明度ではなく間引きか六角格子で解く
六角格子密度元データより細かい解像度に集計しない
地図位置そのものが発見であるとき下記
円グラフ使わない5分割以下でも棒が勝つ。例外は「ほぼ全部か、ほぼゼロか」を一目で示す場合のみ

地図を使ってよい条件

地図にする
  • どこで起きたかが発見の中身であるとき
  • 地理の形そのものが読者の知っている形と結びつくとき
  • 分布の偏りが、面積ではなく位置で説明できるとき
地図にしない
  • 「どこにでもある」ことしか示していない(=世界地図に点を撒いただけ)
  • 実際に読ませたいのは順位や量で、位置は付随情報にすぎない
  • 人口の多い場所に点が多い、という当たり前を再確認しているだけ

データの色

量・偏差・種類を区別し、現行の題材レジストリと編集カードの規定を用途別に使います。区画の種類という型は保持します。G1ではF-04の色系統制約があり、多色カテゴリの採用には条文と検査の改版が必要です。発散色は基準と中心を明記し、凡例を同じ定義から作ります。虹色による恣意的な順序づけは行いません。

現行の配色と地図を選ぶ

没入シーン ── Data Scape From SORAH App 2024

プロダクトの図のうち、1題材で画面全体を使うものを「シーン」と呼ぶ。原案(2024 Data Scape仕様)は4作品を2つの型に整理していた。この2つは構成の参照例です。現在はScene・Story・Crosspointから目的に合う構成を選びます。

地図/データ+チャート型地球+ボタン型
題材時系列で形が変わるもの(Arctic Ice、Climate Stripes)状態を比べるもの(Forest: Original / 2020、River: Flow / Impacted)
初動操作による再生(年が進む)操作による回転(球体)
操作チャートをタップで停止 → スライダーで年を選ぶ(年ごとにスナップ)球体をタップで停止 → ドラッグで回す。表示はボタンで切替(2択・セグメント)
読み出し「年|値」の対+スパークライン(03「読み出しの対」)比率+面積など「率|量」の対。切替に連動して更新
色題材色を全画面に(02「シーン色」)。発散スケールは白が中点現行の題材レジストリと昼夜を参照し、切替でも意味と値域を保つ
共通の骨格固定タイトル+×、右上に「関連記事」「インフォメーション(出典・観測日)」の2ボタン、初回のみ操作チュートリアル(2秒で消える)。SP/タブレット/PCで縦横比に応じて縦積み⇄横並び(04「没入画面」)

シーンは「操作している画面の中」にあるのでプロダクトの図だが、切り取っても意味が残るように作る(発信のグラフィックの条件を兼ねる)── だから出典と観測日はインフォメーションに必ず入れ、読み出しは常時表示にする。

数字の組み方

  • 数値は必ずタブラー数字。桁が縦に揃わない図は作らない
  • 4桁以上は3桁区切り。単位は数字より小さく添え、数字との間を空けない(1,234 kcal ではなく 1,234kcal)
  • 有効桁は意味のある桁で止める。観測精度を超える桁を書かない
  • 大きすぎる数はそのまま出さず、身体か生活で測れる単位に翻訳する
  • 比率と実数の両方を持たせる。読者に暗算をさせない
Do
  • 作画が紙面を支配する。図が主で、余白は従
  • 軸・罫・格子は最小限。消して読めるなら消す
  • 色を落として(グレースケールで)読めるか毎回確認する
  • 出典・観測日・系列の位置を必ず添える
Don't
  • 影・グラデーション・3D・立体棒・装飾アイコン
  • 二重軸、切断軸、面積で量を表す円
  • 凡例を読ませる、単位を換算させる、順路を探させる
  • 図を余白に浮かせる(作画が小さいのは、決められていないことの現れ)