
2011〜2022年の市民観測から、夜空の明るさが年平均9.6%増したことに相当する変化が読み取られた。街で生まれた光は、街の外の空にも広がっている。
2011〜2022年の市民観測から、夜空の明るさが年平均9.6%増したことに相当する変化が読み取られた。街で生まれた光は、街の外の空にも広がっている。
これはGlobe at Nightの参加者が報告した、肉眼で見える星の変化を解析した研究の結果だ。地球上のどこも同じ速さで明るくなったという意味ではない。身近な夜空の記録が、衛星画像だけでは捉えきれない変化を示した。 [4]

白:NASAの2016年夜間光画像。色:David Lorenzの2020年人工天頂輝度モデル図。異なる年・異なる量で、経年変化の比較ではありません。 色は空に加わる人工光の強さ。黒〜青は影響が小さく、赤〜白ほど暗い星が見つけにくくなります。
光のある場所と、光が届く場所
NASAの2016年の夜間光画像では、光が沿岸や都市に集まる。宇宙へ届く光の分布から、人が暮らす場所の形が浮かび上がる。 [1] 一方、地上から空を見上げると、都市から上がった光が大気中の分子や粒子で散乱し、離れた場所の空まで明るくする。David Lorenzのモデルが扱うのは、真上の空、天頂に加わる人工の明るさだ。光源のすぐ近くにいなくても、空が白んで星を見分けにくくなる。光害の広がりは、市街地の輪郭の内側に収まらない。 [2]
18年で変わる、頭上の風景
年平均9.6%に相当する空の増光が続く場合、250個見える場所で約18年後には100個程度になるという研究者の例。点1つが星1つで、配置は模式です。実際の星座や観測時系列、全地点の予測ではありません。
明るい空では、暗い星から背景に埋もれていく。子どものころに見えた星を、同じ場所で見つけられなくなる。その変化は、街灯一つの明るさだけでなく、光が向かう方向や点灯時間、光の色にも関係する。
必要な場所に、必要な光を
帰り道や仕事を支える照明は、暮らしに必要だ。DarkSkyと照明学会IESは、目的のある照明、照らす場所の限定、適切な明るさ、必要な時間だけの点灯、暖色の光という五つの原則を示している。足元を照らす向きや、誰もいない時間の設定も、空へ漏れる光を減らす手立てになる。 [5]守りたいのは、ただ暗い街ではない。道を歩ける明るさと、その上に星が見える夜。照明の使い方を変えることは、その二つを同じ場所に残すための設計でもある。
データと表現
色区分は、真上の空に加わる人工光を自然の空の明るさと比べたモデル値です。青0.11〜0.33倍、緑0.33〜1倍、黄1〜3倍、橙3〜9倍、赤9〜27倍、明るい灰〜白27倍以上。黒〜暗い灰は0.11倍未満。赤でも明るい星が見える場合があり、実際の見え方は月・天候・観測条件でも変わります。都市の白い光点はNASAの衛星画像で、色区分とは別のものです。 David Lorenz: colour definitions
背景の星空は、見えなくなる星を暗喩する模式表現です。地球と同じ視点の回転に連動し、実際の星の配置・明るさ・可視数は表していません。
NASA Black Marble 2016は8ビットの表示用画像で、放射輝度の数値データではありません。上層はDavid Lorenzの2020年モデル地図の許諾済み図版(Wikimedia Commons、2021年10月31日の原版)を使用。全球図の南緯65度〜北緯75度の範囲を配置し、独立した海岸線と照合して画像の東西方向のずれを補正し、埋め込み凡例の部分は除外。図版の加工であり、元の数値モデルは収録していません。地点の輝度・星数・Bortle階級を画像から逆算しません。表示の濃さは重ね合わせの設定です。黒を「光害なし」と判定せず、現在の観測や2016年から2020年への変化とも読み替えません。
NASA Earth Observatory / David Lorenz。モデル図版は著者表示を条件に商用利用・加工・再配布可(Wikimedia VRT 2021120610011763)。取得・加工・権利記録。
出典
執筆者
SORAH Editorial
2026年10月6日



