
同じ地球を、半年先まで見つめる。2026年秋から2027年春へ、雨の多い側と少ない側に傾く場所が移り変わる。
同じ地球を、半年先まで見つめる。2026年秋から2027年春へ、雨の多い側と少ない側に傾く場所が移り変わる。
2026年9月、世界気象機関(WMO)は、エルニーニョが2027年まで世界の天候に影響を及ぼす見通しを伝えた。けれども、「エルニーニョの年」という言葉だけでは、自分の暮らす場所の雨はわからない。季節が進むと、同じ場所でも予測の傾きが変わる。 WMO · El Niño outlook, September 2026

2026年10月の降水確率予測。琥珀色は少雨、青は多雨の区分。2026年9月初期値の同じ予測から6か月を比較します。
雨の量ではなく、どちらへ傾くか
ここに重ねたのは、米国海洋大気庁の気候予測センター(NOAA CPC)が公開する、北米の複数の気候モデルを組み合わせたNMMEの月別降水予測だ。地図は雨の量そのものではなく、平年より少ない・平年並み・多いという三つの区分の確率を示す。基準は1982〜2010年の再予報に置かれている。 NOAA CPC · NMME NMME · Probability forecasts青い場所がすべて同じ雨量になるわけではない。もともと雨の多い土地と乾いた土地では、それぞれの平年が違う。地球を覆う色は、異なる気候の場所を「その場所の平年から、どちらへ傾くか」という共通の問いでつないでいる。
ジャカルタ付近で、色が入れ替わる
収録した元データの東経107度・南緯6度、ジャカルタ付近の格子を見る。10月は少雨78%、平年並み19%、多雨3%。翌年3月には少雨10%、平年並み17%、多雨74%となる。同じ9月の初期値から計算された予測の中で、季節によって優勢な区分が逆転している。都市全域の予報ではなく、1度格子の一例だ。
2027年3月。視点と色の意味を固定して、10月からの違いを見ます。地点の三つの確率はData Scapeで確認できます。
一つの現象で、世界を決めつけない
雨にはエルニーニョ以外の海や大気の状態も関わる。この図から、その影響だけを切り分けることはできない。また、多雨の確率は洪水の確率ではなく、少雨の確率も干ばつの確率ではない。地図が示すのは、月ごとの降水が平年のどの区分に入るかという見通しだ。 WMO · El Niño outlook, September 2026 NMME · Probability forecasts水を使う季節、作物を育てる季節、人が移動する季節。その背景の雨を、ひと月だけでなく並べて見る。未来を一色に塗るためではなく、場所と季節の違いに気づくための地図である。
データと表現
NMMEの未調整確率、2026年9月初期値、2026年10月〜2027年3月。元データは1度格子。地図表示は補間して滑らかにし、地点値は最近傍の元格子を使用。40%以上の優勢区分を表示し、しきい値付近を段階的に薄くしています。灰は優勢区分なし、明るい灰は平年並み、黒は欠測。丸めにより三つの確率の合計が100%にならない場合があります。出典
執筆者
SORAH Editorial
2026年10月5日



