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暮らしを支える水は、どこで逼迫している?

公開日 12/October/2026 · Environment

暮らしを支える水は、 どこで逼迫している?

SORAH Editorial 著

水の需要は、自然が供給する水にどこまで迫っているか。16,395流域の全球表示から、川の本流・支流へ。

16,395流域の水需要と再生可能供給の比率を青から茶で示す全球。

Data Scapeでデータを探索する

水の需要は、自然が供給する水にどこまで迫っているか。16,395流域の全球表示から、川の本流・支流へ。

水の問題を、川が集める範囲で見る

蛇口から出る水の向こうには、雨を集める山や平野、地中に蓄えられた水、そして同じ資源を使う農地や工場がある。川が水を集める流域へ視野を広げると、暮らしの場所と、その水を支える土地の関係が見えてくる。

水があることと、余裕があること

主図にあるのは、16,395流域のベースライン水ストレスだ。家庭、農業、産業などの年間水需要を、利用可能な再生可能地表水・地下水の供給で割った比率である。水を使う量が自然の供給にどれほど迫っているかを読み取る。 Aqueduct 4.0 methods

同じ量の水が供給される場所でも、利用しようとする量が増えれば余裕は小さくなる。雨の少ない地域では、水利用の規模も合わせて見ることで、乾燥と需要の両面から土地の条件を考えられる。

水ストレスは需要と再生可能供給の関係。青から茶の5区分と、乾燥・水利用少、データなし。

国の平均では隠れる隣り合った違い

本流と支流を重ねると、同じ国の中にも異なる水のまとまりがあることがわかる。源流側と下流側、山並みを隔てた谷。それぞれをたどると、行政の区切りを越えて水が集まる範囲が見えてくる。

Aqueductは世界を同じ枠組みで比較するため、HydroBASINSの流域区分を使う。大きな流域をさらに分けた地図だからこそ、国の平均に埋もれた違いをたどれる。 WRI・技術FAQ

世界地図で気付いた場所を、地域の観測や利用の実態へつなぐ。町へ水を届ける仕組みや農家の灌漑を重ねて調べると、その流域で水が必要とされる場所や時期を、さらに具体的に考えられる。

畑にも、工場にも、暮らしにも

水の利用は、一杯の飲み水に限られない。畑へ水を届ける設備や、製品をつくる工場にも水が必要だ。地図に農地や町を思い浮かべると、同じ流域の中で、異なる仕事や生活が水を必要としていることに気付く。

写真にあるのは米国ユタ州の灌漑の風景で、2007年の記録である。川や地下水の話は、水を農地に届ける装置と、それを動かす仕事へとつながっている。

年間の指標は、大きな関係を見せる一方、季節の偏りをならしてしまう。水が必要な時期と雨の時期がずれる問題、ある年の干ばつ、設備の故障は、それぞれ別に確かめる必要がある。

ユタ州の緑の農地で複数のスプリンクラーが水を散布している。

米国ユタ州の灌漑。2007年9月21日撮影。

水資源から、飲める水を届ける仕組みへ

家庭で安全な水を必要な時に使うには、水源までの距離、給水設備、水質などの条件が関わる。流域全体の水資源と、家庭まで水を届ける仕組みを合わせて見ることで、暮らしを支える水の課題を捉えられる。

別表示に残したWHO/UNICEF JMPの「基本的な飲料水サービス以上」は、改善された水源から、水くみと待ち時間を含む往復30分以内に利用できる人口の割合である。「安全に管理されたサービス」は、さらに敷地内で利用でき、必要時に利用可能で、汚染されていないという条件を持つ。WHO/UNICEF JMP・定義

流域の圧力と、家庭が水を得る条件。この二つを分けて考えると、水をめぐる課題のどこに目を向けるべきかがはっきりする。川の青い線を暮らしまでたどる途中には、自然の供給と、人が水を届ける仕組みの両方がある。

データと表現

主図:WRI Aqueduct 4.0のベースライン水ストレス、16,395流域。1979〜2019年のモデル系列を基礎とする2023年公開データ。指標は年間の水需要÷利用可能な再生可能地表水・地下水供給。分子・分母はいずれも水量です。

青から茶の5区分は、10%未満、10〜20%、20〜40%、40〜80%、80%超。茶色に明るい点は「乾燥・水利用少」、明るい灰色に暗い点は「データなし」。点は区分を識別する模様で、地理座標に固定して球面へ投影します。WRI CC BY 4.0、HydroBASINS/WWF。

河川:HydroRIVERS v1.0 / ©WWF。全球はStrahler次数5以上、地域図は3以上の本流・支流を表示。線は簡略化した河川の地理的位置です。流域と河川はそれぞれ簡略化され、細部の境界にはずれがあります。

別表示A〜C:WHO/UNICEF JMP・2025年8月版、wat_basal(基本的な飲料水サービス以上)。改善された水源を、水くみ・待ち時間を含め往復30分以内で利用する人口の割合(%)。安全に管理されたサービスも含む区分です。水質と供給の継続性は、サービス水準を評価する追加条件として扱います。

JMPの2024年の国全体推計は216 / 219地域、農村は171地域、都市は181地域。アルゼンチン、ニカラグア、フォークランド諸島の国全体推計は欠測として保持。調査等に基づく推計値を使用し、欠測は灰色で表示します。

Natural Earthで地図化。形状との結合対象外となる小地域も、選択と数値の対象に保持。UNICEFの指標公開方針はCC BY 3.0 IGO。JMP配布ファイル固有の再利用条件は一般配信前の照合項目です。

米国ユタ州の灌漑。2007年9月21日撮影。 Danny Hart / USEPA · Public domain — US federal EPA work · Source. 比例縮小・JPEG圧縮のみ。

出典

執筆者

SORAH Editorial

2026年10月12日

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