
白い大陸を同じ視点で見続ける。1995年を基準に、氷床の表面がどこで低くなり、どこで高くなったのかをたどる。
白い大陸を同じ視点で見続ける。1995年を基準に、氷床の表面がどこで低くなり、どこで高くなったのかをたどる。
輪郭は同じなのに、その内側が変わっていく。南極を真上から見るこの映像では、白い面に青とオレンジの線が現れる。青は低くなった場所、オレンジは高くなった場所。どちらも、1995年3月21日を基準とした氷床表面の高さの差を表している。[1]

2026年4月7日の製品時点。1995年3月21日からの累積表面高度変化。白は変化なし、青は低下、オレンジは上昇。灰色は欠測。[1][2]
白い大陸を一つの平均値にしてしまう前に、場所ごとの違いを見たい。海へ向かう沿岸の一部では青い線が重なり、内陸や別の沿岸にはオレンジの線が続く。低下する場所と上昇する場所が、同じ時期の地図に並んでいる。
同じ基準から、30年を読む
使ったのは、英国の極域観測・モデリングセンター、CPOMが公開する累積表面高度変化のデータだ。ERS-2、Envisat、CryoSat-2によるレーダー高度計の記録を共通の格子にまとめている。ここでは1996、2000、2010、2020、2026年の5時点を選び、投影・範囲・色の尺度を固定した。[1][2]
2000年3月13日の製品時点。2026年の図と同じ基準日・投影・色尺度で表示。[1]
この映像で見比べるのは、直前の場面からの増減ではない。すべての場面が、共通の1995年からどれだけ高さを変えたかを示す。白に近い場所も、その間ずっと静止していたとは限らない。基準時点と比べた差が小さい、という読み方になる。
表面を上下させるもの
氷床の高さには、雪の積もり方、積もった雪が締まる過程、氷の流動などが重なって現れる。低くなる場所をすべて「そこで融けた量」と読むことはできない。高くなる場所も、露出した土を描いているわけではない。[2]西南極では、海の温暖化に伴う氷の流動と薄化が重要な背景になる。ESAが2019年に紹介した1992〜2017年の研究では、降雪量の変動と、長期間にわたる氷の不均衡を分けて調べている。今回の2026年までの地図は地域差を見渡す入口であり、それぞれの色の原因を一つずつ決めるには、こうした別の観測や解析が必要になる。[5]
高さから、海面への関係へ
高さが1メートル変わったとしても、それだけでは増減した質量はわからない。雪と氷では密度が異なり、面積も必要になる。地図の高さを、そのまま海面上昇のメートル数に置き換えることはできない。[2]氷床の質量については、IMBIEが高度計、重力、氷の流入・流出の推定を組み合わせて評価している。2026年公表のデータセットに収められた南極の期間は1979〜2023年。ここで使う2026年の高度図とは、測る量も終点も異なる。両方を見ることで、表面の変化と、氷床全体の収支を結びつけて考えられる。[3]
二つの極を、異なる量で見る
北極では「海に浮かぶ氷がどこまで残るか」を見るが、南極では「陸を覆う氷の表面がどう変わるか」を見る。似た構図の二つの図が、異なる変化を伝える。南極の輪郭を見慣れたあとで、もう一度その内側へ目を戻す。沿岸で重なる青い線、離れた場所に現れるオレンジの線。大陸の変化は、ひとつの色やひとつの数字に収まらない。その違いを残したまま、次の観測を同じ地図に重ねていく。
※ 図と映像の読み方 色面は5 km格子。等変化線は20 km内の中央値を使い、低下を青い破線、上昇をオレンジの実線で描く(±2・5・10・20・40 m)。色は±20 mで飽和。提供元の補間・極域の外挿を含み、棚氷の固定色面は表示していない。日付は製品の代表時点で、1日だけの観測ではない。5時点の間を編集上のクロスフェードでつなぐ19秒の映像で、合成中は日付を非表示にする。画面上の等しい秒数は、等しい経過年数を意味しない。[1][2]
出典
執筆者
SORAH Editorial
2026年9月30日



