
1993年から2023年へ。ブラジルからペルー、コロンビア、ギアナ地域へと続く森を、同じ分類で見渡す。8か国と仏領ギアナにまたがる森林被覆に、各年の減少を重ねる。
ブラジルの地図を越えて西へ進むと、アマゾンの森はペルーやコロンビアのアンデス山麓へ続く。北にはベネズエラやギアナ地域、南にはボリビア。川も森林も、国境で終わらない。変化の全体像を捉えるには、その連続した広がりを同じ時間と分類で見る必要がある。
MapBiomas Amazonia Collection 6は、衛星画像からアマゾン地域の土地被覆と土地利用を年ごとに分類したデータである。今回の対象は8か国と仏領ギアナにまたがる約842万km²。1993年から2023年まで、30年を隔てた森林の姿と、その間の毎年の変化をたどる。MapBiomas Amazonia

ブラジルのアマゾン。川に沿って広がる森林を上空から見る。2009年9月9日撮影。 lubasi · 出典 · CC BY-SA 2.0 · 加工なし。
30年で、約69.4万km²の純減
対象地域で森林群に分類される面積は、1993年の約688万km²から、2023年の約619万km²へ変わった。差は約69.4万km²、1993年の森林面積に対して約10.1%の純減である。この集計の森林群には、森林、サバンナ・開放林、マングローブ、冠水林が含まれる。濃い緑のひと続きに見える場所にも、水辺と陸地、密な森と開いた森という違いがある。公式面積・遷移表を集計30年の純減は、両端の年に存在した森林面積の差である。その間には森林から他の被覆へ移る場所も、森林に戻る場所もある。年ごとの記録を重ねることで、終点の面積だけでは見えにくい、変化の積み重なりを読むことができる。
毎年、森のどこが変わったか
衛星分類では、同じ場所を繰り返し観測する。前年に森林だった場所が翌年には他の被覆になる。その面積を公式の遷移表で見ると、2021年は約3.64万km²、2022年は約3.78万km²、2023年は約4.60万km²だった。この3年間の対象全域では、森林から他被覆へ変わった年間面積が大きくなっている。対象地域を揃えることで、異なる国の発表や別の期間の数字を混ぜずに推移を確かめられる。地図には、その量がどこに現れたかという情報もある。まとまった森林の周縁で変わるのか、内部に細かく入り込むのか。土地利用の広がりを調べる際には、この形と、各国・各地域の記録を重ねることが手がかりになる。MapBiomasは、国のほか、流域や保護地域などの単位で被覆を検討できる基盤を整えている。Collection 6・方法書
森はなぜ減るのか — その土地の使い方が変わる
森林が減った場所では、その後に何が広がったのか。MapBiomasの1985〜2022年の分析は、アマゾン地域で自然植生から転換された土地のおよそ4分の3が牧草地になったと報告している。牛を育てる土地の拡大が、森の輪郭を変える大きな要因である。ブラジルではパラー州からロンドニア州などへ続く地域に変化が集中し、ボリビアのサンタクルス県では農業用地の拡大が目立つ。MapBiomas・土地利用の変化畑や採掘場への転換も重なる。1985〜2023年を扱うMapBiomasの報告は、自然植生が、大豆やアブラヤシなどの農地、牧草地、金の採掘場へと置き換わる様子を記している。森林減少の背景を読むには、地域ごとの土地利用と、その土地で営まれる生産を結び付けて見ることが手がかりになる。MapBiomas・Collection 6の報告

伐採と焼却の跡を確認するIbamaの消防隊員。ブラジル・アマゾナス州アプイ、2020年8月11日。 Bruno Kelly / Amazônia Real · 出典 · CC BY 2.0 · 加工なし。
写真は、伐採・焼却された森を調べる現場だ。地図のオレンジを一つの場所へ近づけると、木を失った地面と、変化を確認する人の仕事が見えてくる。年ごとの被覆変化に土地利用の記録を重ねれば、森がどのような用途へ移り変わったのかを、さらに具体的にたどることができる。
森の面積は、水の行方にも関わる
森林は、地面から吸い上げた水を葉から大気へ戻す。蒸発散によって供給された水蒸気は、その先で降る雨の一部になる。2023年の研究は熱帯域の森林減少と降水の観測を比較し、広い空間尺度で森林減少に伴う降水の減少を捉えた。森の広がりを考えることは、その場所の木々とともに、周囲や風下の水の循環を考えることでもある。Smith, Baker & Spracklen, Nature(2023)川沿いの暮らしや農地の営みは、水と土地の状態に支えられている。森林の変化を国境の内側だけで読んでいると、隣の流域やその先の地域との関係が視野から落ちてしまう。30年の地図を全域へ広げると、残る森林の連続性と、変化が集中する場所を一緒に見ることができる。そこから、どの土地をどう使い、どの森を次の季節へ残していくのかという、地域ごとの具体的な問いが始まる。
データと表現
地域・期間: MapBiomas Amazonia / RAISG対象域、約842万km²。8か国+仏領ギアナ。1993〜2023年の31時点。国別の定義に沿う広域で、ギアナ3地域の全域やアラグアイア・トカンチンス流域等も含む。森林の定義: Collection 6のクラス3・4・5・6:森林、サバンナ/開放林、マングローブ、冠水林。初生林・二次林を含む。植林9とパーム35を除外。ただしエクアドルのクラス3には植林が含まれる場合がある。
地図の量: A:1994年から選択年までの森林→他被覆の年次変化の空間和集合(再生後も表示を保持)。C:1993年の森林のうち選択年に他被覆となった場所。分類変化には自然変化と分類誤差も含む。
面積の量: 主指標の純減は公式COVER_RAISGの森林面積差。棒グラフは公式TRANS_RAISGの森林→他被覆、1994〜2023年の30期間。原表の版はそれぞれ0-2.1と0-2.2で、面積差と遷移の差引には不一致がある。両表の公表値をそのまま用い、合算して整合させる処理は行っていない。
表示解像度: 原資料は30mの衛星分類。表示用画像は同じ範囲の2400×2093画素で取得(約0.01625°、赤道付近で約1.81km間隔)。表示サンプルから同位置の年次差分を抽出。面積の数値は公式統計による。
欠測・位置合わせ: 31年間共通の観測済み領域を使用。未観測クラス0・27を除外し透明表示。森林と変化は共通の範囲・投影・切り抜きで重ねる。
出典: MapBiomas Amazonia Collection 6.0 · 公式面積・遷移表 · CC BY 4.0。SORAH分類再集計・再描画。
国境・地名・座標線: 国境は対象域内外の位置関係を示す。Natural Earthの国名・地域名と主要都市、5°間隔の緯度経度線を使用。地名の重なりを抑制。Natural Earthはpublic domain。
映像: 20秒で1993〜2023年。森林面は当年、オレンジは1994年から選択年までの森林→他被覆の年次変化の空間和集合。同地点の減少は1度だけ塗り、再生した場所も履歴を保持。棒グラフは公式の年間減少面積で、オレンジの面積合計とは別指標。寄った画角で地図端をクリップする。
出典
執筆者
SORAH Editorial
2026年10月18日



