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黒潮、7年9か月の大蛇行がほどける。

公開日 30/September/2026 · Water

黒潮、 7年9か月の大蛇行がほどける。

SORAH Editorial 著

2017年8月から2025年4月まで続いた大きな回り道。その終息を、97か月の海流の変化からたどる。

2017年8月から2025年4月まで続いた大きな回り道。その終息を、97か月の海流の変化からたどる。

日本の南を流れる細い光の筋が、沖へ大きく張り出す。岸から離れた流れは弧を描き、また東へ向かう。2017年に始まった黒潮の大蛇行は、形を変えながら長く続いた。そして2025年、その大きな回り道がほどけていく。[1][3]

2025年3月の黒潮と周辺海流

2025年3月、終息前の月平均表層海流。粒子の色は速さを示す。[2]

Data Scapeで黒潮の流れを動かす

気象庁による終息時期は2025年4月。2017年8月からの継続期間は7年9か月で、1965年以降の記録では最長だった。発表は同年8月29日。海の変化が起きた時期と、それを確かめて公表した時期には隔たりがある。[1]

曲がりながら続いた流れ

大蛇行とは、黒潮が単に少し曲がることではない。気象庁は、潮岬で安定して離岸し、東海沖で北緯32度以南へ大きく蛇行する流路を目安にしている。映像では陸地の輪郭を控えめに残し、日本の南側で流れがどこまで張り出すかを見られるようにした。[1]

2017年8月の黒潮と周辺海流

2017年8月、大蛇行が始まった月。すべての場面で地理範囲と流速の色尺度を固定。[1][2]

長い継続は、同じ形が止まっていたという意味ではない。映像を進めると、流れの曲がり方や周辺の渦の配置が変わる。気象庁の記録では2020年にも一時的に蛇行が縮小したが、その後戻ったため、大蛇行は続いていたと整理されている。[3]

終わりを、後ろから確かめる

2025年にも、2月の一時的な縮小と、4月下旬から持続した縮小が区別されている。気象庁は5月に終息の兆候を伝え、その後の推移を経て4月の終息を確認した。一つの場面が細く見えるだけで、長期に続いた流路の終わりとは決められない。[1][3]

2025年5月の黒潮と周辺海流

2025年5月、終息後の月平均表層海流。終息の判断は気象庁の資料に基づく。[1][2]

最後の場面にも、海流は残る。ほどけたのは大きな蛇行で、黒潮そのものが消えたわけではない。非大蛇行の流路にも、岸に近い型と、沖を通る型がある。「終息」を、その後の道筋が一つに固定されたという意味で捉えないことも大切だ。[3]

暮らしのそばで、道筋が変わる

黒潮の流路は、船の航路や漁場、沿岸の海の状態と関わる。大蛇行が終わるという知らせが海に携わる人にとって重要なのは、いつもの場所へ届く流れの条件が変わりうるからだ。[1]

この映像は、その関係を考えるための地図になる。たとえば海流の筋を一度追い、その後で岸との距離を見る。ただし、ここから個別の漁獲量や航行時間を直接求めることはできない。海の変化を知ることと、その影響を確かめることは、つながりながらも別の観測を必要とする。

97か月を、一つの画面で

表示しているのは、Copernicus MarineのGLORYS12による月平均の表層海流だ。再解析は、海のモデルへ観測を取り込み、広い範囲の状態を一貫した方法で推定する。動画は2017年8月から、終息後を含む2025年8月までの97か月を使っている。[2]

2025年に入ると年月の進み方を遅くし、最後の流れをしばらく留めた。長く続いた形の変化と、そのあとにも流れ続ける海。その両方を、同じ日本の輪郭の前で見届ける。

※ データと粒子の読み方 表層0.494 m、東経127〜146度・北緯26〜38度。元の約1/12度格子から描画用に1/6度間隔で抽出。色は流速0〜1.5 m/sで、上端は飽和。粒子は月平均ベクトル場と月間の補間に沿う視覚表現で、実測した水粒子の軌跡ではない。49.6秒の動画は2025年から時間の進行を遅くし、2025年8月を最後に7秒保持する。大蛇行が続いた7年9か月と、映像が含む97か月は期間が異なる。[1][2]

出典

  1. 気象庁 — 黒潮大蛇行の終息について(2025年8月29日)
  2. Copernicus Marine — GLORYS12 / GLOBAL_MULTIYEAR_PHY_001_030
  3. 気象庁 — 黒潮流路の長期変動
  4. Copernicus Marine — licence
  5. Natural Earth — public-domain geography

執筆者

SORAH Editorial

2026年9月30日

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