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オーロラ、光の帯が変わる1年

公開日 15/October/2026 · Space

オーロラ、 光の帯が変わる1年

SORAH Editorial 著

2025年10月から2026年9月。毎日同じ時刻のモデル分布と地磁気の観測から、北の空を形づくる変化をたどる。

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光の帯を、1年の長さで見る

オーロラを待つ夜は、空の一部分に目を凝らす時間だ。北極を囲む領域を1年に広げて見ると、日ごとに強さも形も変える帯が現れる。2025年10月から2026年9月まで、毎日12時UTCの同じ時刻を並べ、上空へ入る粒子のエネルギーを追う。

主図のもとになるのは、NASAのCCMCが保存するOVATION Primeモデルの分布だ。太陽風の条件に応じて、電子やイオンが高緯度の大気へ運ぶエネルギーを計算している。1年を通して眺めると、強い日と穏やかな日が交じり合う様子を、同じ物差しで比べられる。 NASA CCMC — OVATION Prime model

雪の山と道路の上に広がる緑と紫のオーロラ

アラスカ州デナリの夜空に広がるオーロラ。撮影日不明。 NPS / Kent Miller · Source · Public domain — NPS 画像の内容は無加工。

粒子のエネルギーが、空の光になる

オーロラは、地球の磁場に導かれた電子などが上空の大気へエネルギーを渡す現象だ。酸素や窒素がエネルギーを受け取り、光を放つ。磁場が通り道をつくるため、その分布は磁極を取り巻く帯に集まりやすい。 NOAA SWPC — Aurora

このモデルの土台には、地球を極方向に周回するDMSP衛星が集めた粒子の観測がある。CCMCの説明では11年間の観測を整理し、磁気緯度、磁気地方時、太陽風の条件ごとに統計的な分布を求めている。地上の一つの夜空と、宇宙から得られる広い観測が、同じ現象の異なる大きさを捉えている。 NASA CCMC — OVATION Prime model

宇宙船の窓から見える赤と緑のオーロラとドラゴン宇宙船

インド洋上空の国際宇宙ステーションから見たオーロラとドラゴン宇宙船。2024年10月7日。 NASA / Matthew Dominick · Source · NASA Images and Media Usage Guidelines — editorial use 比例縮小・JPEG圧縮のみ。

2025年11月と2026年1月、磁場の揺れが強まった

別図には、同じ1年間の地磁気活動を示すGFZのKp指数を置く。3時間ごとの2,920区間をたどると、この期間の最大値は8.667だった。2025年11月12日の0時・3時UTCに始まる区間と、2026年1月19日の21時UTCに始まる区間に記録されている。

365日のうち、Kpが5以上となる区間を少なくとも一つ含む日は56日あった。静かな時間を挟みながら、活動が強まる日が繰り返し訪れている。粒子が入る場所と量を示す主図に、地上の磁場がどれほど揺れたかという別の観測を添えると、1年の変化を二つの側面から読める。 GFZ — Kp data

観測所から、地上の暮らしへ

Kpは1949年にJulius Bartelsが考案した地磁気活動の指数だ。現在の計算には、ドイツのニーメク、カナダのオタワ、米国アラスカ州のシトカなど13の観測所の記録が使われる。別々の場所で測った磁場の揺れを、地球規模で比較できる形に整えている。 GFZ — About Kp

同じ宇宙環境の変化は、送電網や衛星、測位にも関わる。NOAAの宇宙天気スケールは、地磁気嵐の段階に応じた電力系統や宇宙機への影響を整理している。空に見える光を追うことは、地上の設備を見守る人々が使う観測にも目を向けることになる。 NOAA SWPC — Space Weather Scales

次の夜を待つために

アラスカやカナダ、北欧で実際に光を見るには、宇宙の条件に加えて、夜の暗さや雲の状態が関わる。年間の分布を眺めたあと、当日の予測と現地の空へ視線を戻す。広い時間の中で活動の強まりを知り、最後は一つの場所の夜を待つ。その行き来が、オーロラを眺める体験を支えている。 NOAA SWPC — Aurora

データと表現

主図:NASA GSFC CCMC / ISWAのOVATION Prime「e+i, all」アーカイブ。2025年10月1日〜2026年9月30日の365日から、毎日12:00 UTCと完全一致する340枚を採用した。映像は取得済みの340日を順につなぎ、欠測の25日を省く。表示日付は各モデル出力の実際の日付に合わせる。各図は日平均ではなく、その時刻のモデル出力である。元ファイルから確認できる時刻は出力UTCで、入力太陽風の観測時刻と伝播時間は記録されていない。

格子は磁気緯度50〜89.5度を0.5度刻み、磁気地方時(MLT)0〜23.75時を0.25時刻みで表す7,680点。MLT12時を上、0時を下、6時を右、18時を左に置く。下地にはNatural Earth 1:110mの陸地輪郭を置く。海岸線の地理座標をAACGM-v2 2.7.1で高度0kmの磁気座標へ変換し、各日の12:00 UTCに対応する磁気地方時へ合わせる。地図は塗りを省いた陸地の輪郭線として画角全体に敷き、中央の流束と同じ投影・縮尺で重ねる。流束の収録範囲は磁気緯度50度以北のまま保つ。国境・地名を省く。背景の地理は位置関係を読むための参照図である。

値は全オーロラ型を合計した電子+イオン降下エネルギー流束。原単位erg/(cm² s)を数値が等しいmW/m²で記載する。色は全期間共通の0〜10、上端は「≥10 mW/m²」。10を超える値は2,611,200セル中287セル(約0.011%)で、原データは最大14.47まで保持する。粒子による表現はこのモデル量に対応し、可視光の実測強度や出現確率とは区別する。

映像は20秒。取得済みの日付の間を短いクロスフェードでつなぐ。遷移は編集上の表現であり、日内のモデル出力を補間したデータは作成していない。

Kp:GFZ Helmholtz Centre for Geosciences、CC BY 4.0。同期間の3時間値2,920件、欠測0。取得時のstatusは全件def(確定値)。時刻は各3時間区間の開始UTC。最大値と56日・123区間というKp≥5の集計は保存したAPI応答から算出した。Kpから主図の緯度や流束を生成していない。

補図として残すNOAA予測は2026年10月14日13:53 UTC対象、観測入力12:58 UTCの別データ。年間のエネルギー流束系列とは座標・値の定義が異なるため、独立した図として扱う。

謝辞:モデル出力はNASA GSFCのCCMC公開サービスによる。OVATION PrimeはJohns Hopkins APLのPatrick Newellらが開発。CCMCはISWAの近リアルタイム出力を研究用途の試作水準と位置づける。GFZのKpについてMatzka et al. (2021), doi:10.1029/2020SW002641を参照。

出典

執筆者

SORAH Editorial

2026年10月15日

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