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南極から離れた氷山、40年の放浪の末に海に還る。

公開日 03/October/2026 · Ice

南極から離れた氷山、 40年の放浪の末に海に還る。

SORAH Editorial 著

1986年、南極から離れた氷。長い滞留と漂流を経て、2026年4月には南大西洋で細かな氷片へ。A23aと名付けられた、その氷山の40年を追う。

1986年、南極から離れた氷。長い滞留と漂流を経て、2026年4月には南大西洋で細かな氷片へ。A23aと名付けられた、その氷山の40年を追う。

氷山の旅は、離れた瞬間から一直線に始まるとは限らない。1986年8月、フィルヒナー棚氷から離脱した親氷山A23。その主要部分は、その後A23aと呼ばれるようになった。長い時間を南極近くで過ごした氷が、やがて南大西洋へ出ていく。[4][5]

1986年8月は離脱の出来事。位置系列の最初の記録は9月28日で、未観測の離脱位置は作成していません。[1][5]

1986年8月は離脱の出来事。位置系列の最初の記録は9月28日で、未観測の離脱位置は作成していません。[1][5]

地図の上では小さな点、時間の中では長い滞在

1986年11月10日、棚氷から離れた直後の親氷山A23と周辺の氷山。ランドサット5のMSSによる衛星画像。画像:NASA Earth Observatory / Michala Garrison、USGS Landsatデータ。表示用に縮小。[4]

1986年11月10日、棚氷から離れた直後の親氷山A23と周辺の氷山。ランドサット5のMSSによる衛星画像。画像:NASA Earth Observatory / Michala Garrison、USGS Landsatデータ。表示用に縮小。[4]

米国ユタ州のブリガム・ヤング大学(BYU)が公開する「南極氷山追跡データベース」は、衛星の散乱計による観測と、米国立氷センター(USNIC)の位置記録を統合している。その記録を地図に重ねると、同じ海域で重なる軌跡と、北へ伸びる軌跡が現れる。[1]

20秒の映像では、1986年から2020年までの長い滞留を短くまとめ、後半の漂流、とりわけ最後の数か月に時間を割いた。年月日の進み方は一定ではない。地図の位置関係を保ったまま、長い静止と短い変化をひとつの時間の中に収めている。

最後の漂流へ向かう軌跡。位置記号の大きさは、面積や体積を表していません。[1]

Data Scapeで見る

最後の漂流へ向かう軌跡。位置記号の大きさは、面積や体積を表していません。[1]

動く場所と、減っていく面積

面積は、取得できた期間だけに描いた。英国南極調査所(BAS)の衛星輪郭から算出した系列と、中国気象局の専門家が公表した末期の面積は、方法が異なるため別の色に分けている。2026年2月25日の310km²から、3月3日は180km²、3月27日は169km²、4月3日は35.2km²へ。最後の値もゼロではなく、残存部分を捉えた値だ。[2][3]

4月3日のNOAA-21の衛星画像は、ばらばらになった氷の姿を記録した。この作品が終点とするのは、大きな氷山としての旅の終わりである。そこから先にも氷片は残る。地図からひとつの名前が消えていくことと、氷がすべて融けることは、同じ瞬間ではない。[4]

2026年4月3日、南大西洋でばらばらになったA23aの残存氷片。NOAA-21のVIIRSによる衛星画像。画像:NASA Earth Observatory / Michala Garrison、NASA・NOAAデータ。表示用に縮小。上の1986年画像とは縮尺が異なります。[4]

2026年4月3日、南大西洋でばらばらになったA23aの残存氷片。NOAA-21のVIIRSによる衛星画像。画像:NASA Earth Observatory / Michala Garrison、NASA・NOAAデータ。表示用に縮小。上の1986年画像とは縮尺が異なります。[4]

2026年4月3日。交差記号は報告された崩壊海域の概略位置。BASは青い線、CMA公表値はオレンジの点で示しています。[2][3][4]

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2026年4月3日。交差記号は報告された崩壊海域の概略位置。BASは青い線、CMA公表値はオレンジの点で示しています。[2][3][4]

南極から離れて約40年。A23aは、巨大なひとつの氷山としての姿を失った。長く海底に座礁していた時期を経て、最後は南大西洋で砕け、細かな氷片になった。一本の軌跡が伝えるのは移動の記録だけではない。長くそこにあり続けた氷山が、ついに海へ還っていくまでの時間である。[4]

※ データと表現 / Data & method 親氷山A23とA23aの提供位置を接続。1986-09-28〜2026-03-31、提供元の補間を含む。14日超の位置空白と日平均150km超の差は線で結ばない。4月3日の概略崩壊海域へ軌跡を延長しない。下部は2023年以降に取得できた面積のみ。異なる面積系列間は補間せず、氷厚未取得のため体積は表示しない。[1][2][3]

出典

  1. 米国ブリガム・ヤング大学 / 米国立氷センター — 南極氷山追跡データベース
  2. 英国南極調査所(BAS)— 衛星輪郭と面積の原資料
  3. CCTV / 中国気象局専門家への取材 — 最後の漂流・面積・崩壊海域
  4. NASA / NOAA-21 — 2026年4月3日の崩壊確認
  5. Grosfeld et al. (2001) — 1986年8月の離脱と初期漂流
  6. Natural Earth — Public domain

執筆者

SORAH Editorial

2026年10月3日

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