SORAH DV Library
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SORAHDV Library v2.4
SORAH inc. — Data Visualization Library v2.4

SORAH DV
Library

SORAH のデータビジュアライゼーションは、描く技術ではなく写す技術である。そこにあるものだけを見えるようにし(光を当てる)、一点に焦点を結び(焦点を結ぶ)、媒体に写し取る(写し取る)。判じるのではなく、名づける。この台帳はその三つの工程で 43 条の規範を置き、型ごとに実データから図版を生成し、焦点が一つでなければ・基準が図の中に無ければ画像を書かない。1枚は欧文版と和文版の2枚で刷る。方向性 v2.1 が思想、この台帳が規範と具体、engine が実装。

Illuminate, focus, capture — 光を当て、焦点を結び、写し取る
00 — Premise

描く技術ではなく、写す技術

データビジュアライゼーションは長く「描く」技術として語られてきた。チャートを描く、図を描く。 しかしリサーチで共感の対象になった四つ ── Migliozzi、F1 のアプリ、Anadol、NASA SVS ── に共通していたのは、 描かれているものがデータ以外にないことだった。つまり彼らは描いていない。写している。

この態度を三つの工程に分ける。そこにあるものを見えるようにする(光を当てる)、 一つを選んで言葉を与える(焦点を結ぶ)、媒体に定着させる(写し取る)。 本質は写真と同じだが、この台帳で写真の語を使うのはこの三つの名だけにする。 作り手が対象を作らないこと、写し取るが判じないこと ── 引き受けるのはその構造である。

Thesis 光を当て、焦点を結び、写し取る。三つの工程の主体はそれぞれ違う ── 見えるものはデータが、焦点は作り手が、 質感は媒体が決める。作り手が自分で決めるのは焦点だけ。そしてその焦点は観察であって、結論ではない。

四つの共感 — 共通項が一つ、差異が一つずつ

共通項は、描かれているものがデータ以外にないこと。差異は、データの上に何を一つだけ足したか。

共感足したもの何をしているか台帳への写り
Blacki Migliozzi
Bloomberg / The New York Times
言葉記録更新年だけに色を置き、他年は細い灰。基準線の名前、線末の日付と値、Methodology。注釈が図の本体だから、他が要らないX-07 焦点は一つ/T-02〜T-05/線の階層(LW)
F1 App — Live Timing階層毎秒 110 万件のデータを持ちながら、画面に出るのは順位・ギャップ・タイヤという一列だけ。残りは後ろにある ── 持っていて、出さないX-07 の「退避」/F-02 凡例を置かない/landing と Source の層
Refik Anadol Studio
Unsupervised, MoMA
物質MoMA のロビーの壁という媒体に像を定着させる。同じデータでも媒体が変われば像が変わることを、建築のスケールで示す。取るのは方法ではなく、この事実だけX-10 写し取る媒体/判型 G1・G2・M1・P
NASA Scientific Visualization Studio何もない観測値とシミュレーション出力をそのまま像にする。疑似カラーの作法(波長の順序を保ち、注記で明示する)以外は、科学者の出力に手を入れないX-06 データに対応しない要素を置かない/F-04 色の系統/X-02 前提の検算

立ち位置 — 座標系のどの一点にも属さない

五つの領域はそれぞれ別の評価軸と資金を持ち、四つの出力形式は別の物理的制約を持つ。SORAH はそのどこにも属さない。各領域から一つずつ借り、一つずつ借りない。 一文で言えば ── 学術の根拠で、報道の作法を守り、アートの物質性を持つ、観察のメディア。

借りるもの誰から借りないもの
作法(基準を先に言う・除外を書く)報道(Migliozzi / Rojanasakul / 荻原)速報性・結論を言い切る見出し
知覚の根拠(位置>長さ>面積、object constancy、viridis)学術(Cleveland & McGill / Heer / Moreland)査読のための網羅性
物質性(媒体が像を決める)アート(Anadol / 池田)ML の幻覚・建築スケール・没入
階層(一つに絞る)エンターテインメント(F1 アプリ)スポンサー表示・予測の演出
記法(反復生成に耐える)産業(IBCS / Carbon)ダッシュボードの網羅・KPI タイル
01 — Three steps

三つの工程 — 光を当てる、焦点を結ぶ、写し取る

順序がある。光が当たらなければ焦点は結べず、焦点が結ばなければ写し取れない。それぞれ主体が違う ── 見えるものはデータが、焦点は作り手が、質感は媒体が決める。従属・決定・委任。中庸とはこの三つの配分そのものである。 台帳の 43 条はどれもこの三つの工程のいずれかに属し(Rule.step)、02〜04 章はその工程ごとに条を置く。

データ・作り手・媒体の三者と、三つの工程の主体の対応。工程ごとの条の数と条番号。
作り手が自分で決めるのは焦点だけ。何が見えるかはデータが、どう写るかは媒体が決める。工程の下の条番号は norm.RULES から描いた ── 全 43 条、機械 28。
工程主体作り手の関係答える問い中身条
光を当てる Illuminateデータ従属何が見えているかそこにあるものを見えるようにするだけで、何も足さない。データでないものは照らしても現れない12(機械 8/人 4)
焦点を結ぶ Focus作り手決定何を名指すか一つの発見を選び、それに言葉を与える。名前は一つのものにしか付かない。焦点は観察であって結論ではない13(機械 10/人 3)
写し取る Capture媒体委任どう定着するか質感・尺・判型は媒体が持つ。画面は画面、動画は動画、紙は紙の像を持ち、別のものに擬態させない16(機械 10/人 6)
三つを貫く Across——三つが一つの発見に従属しているか一つの発見が三つの工程を通る。検査に落ちた出力は生成されない2(機械 0/人 2)

焦点を結ぶ — 名づけて、決めない

三つの工程のうち、作り手が決めるのはここだけ。だからここに SORAH の仕事の核と、SORAH が越えない線の両方がある。 焦点は一点にしか合わない。一つの発見を選び、それに言葉を与える。「言葉を足す」と「一つだけ前に出す」は同じ行為の二つの面で、 名前は一つのものにしか付かない。選ばれなかったものは後ろに退くが、消えない ── Source と注記の層に退避させる。削ぐことと隠すことは違う。

ERA5 の夏の日別気温の束。灰色の過去年の中に今年の一本だけが青く、線末に年と平均値のラベルが付く。下に Source と注記の層。
焦点は今年の一本。過去年は薄い束、平年は点線と文字(ERA5 の夏の日別値、実データ)。削ぐのは見せる量であって持っている量ではない ── 残りは Source と注記の層に必ず退避する。
Rule 写し取るが、判じない。焦点を結ぶのは観察であって、結論ではない。「夏の四つの最高記録は直近の四年」は焦点。「だから危険だ」は結論。 SORAH は前者で止まる。結論を出すのは SORAH の役割ではなく、焦点の合った観察が問いを開き、結論を出さないことで読者の思弁の余地が残る。

焦点と wonder は対立しない。焦点が見出しを一つに決めるから、図と landing は開いたままでいられる。 台帳の T-01(観察のレジスター)と T-03(見出しは結論の数字を持たない)がすでにこの線を引いていて、v2.0 では X-07(焦点は一つ)を機械の検査にした ── 太字と色を持つ名指しが 1 枚に 1 つでなければ、画像は書かれない。

規範は 1 箇所にしか書かない。この台帳の条項は engine/norm.py の RULES にあり、 検査(spec.py / motion.py)も、いま読んでいるこの文書も、同じ RULES を読んで作られている。 条ごとに機械が見るのか人が見るのかを明記したのが 05 章の契約表。

02 — Illuminate

光を当てる — そこにあるものを見えるようにする

そこにあるものを見えるようにするだけで、何も足さない。データでないものは照らしても現れない ── イラスト層・装飾・比喩の形は置かない。「装飾を排したタイポグラフィ主導」はこの帰結であって出発点ではない。 光を当てるのは作り手が選ぶことではなく、データを見える状態に置くこと。何を前に出すかを選ぶのは、次の焦点の仕事。 主体はデータ。作り手はデータに従属する。

以下の 12 条がこの工程の条。作画の面積・凡例の有無・色の系統・ゼロ起点・明度差・密度は発行のたびに機械が見る。 「データに対応しない要素を置かない」(X-06)と「罫の最小限」(F-09)と「地図の必然性」(F-10)は人が見る。 発見の前提(X-02)は各型の demo() が毎回データから検算し、崩れていればその日は出さない。

id規範根拠誰が見るか
X-02発見の前提は、発行のたびに検算する
「一度も下がっていない」「最後の3年」「増えた年は1年」── 見出しが立っている前提は、毎回データから確かめ、崩れていたら発行しない。前提が崩れた図は、きれいなまま嘘になる。
各型の demo() が ValueError を投げる人
X-06光を当てる ── データに対応しない要素を置かない
そこにあるものを見えるようにするだけで、何も足さない。装飾・比喩の形・イラスト層・写真の地は、データでないので照らしても現れない。「装飾を排したタイポグラフィ主導」はこの帰結であって出発点ではない。F-07(1枚1色相)・F-09(罫の最小限)の上位原則。
方向性 v2.1 §3 光を当てる(NASA SVS「何も足さない」)人
F-01作画が紙面を支配する
作画は紙面の 55% 以上(G1 は 56.6%=936×764px)。作画が小さいのは、何を見せるか決められていないことの現れ。
商品は版面いっぱいに図がある機械
F-02凡例を置かない
置ける場所があるなら図の上に直接書く。凡例は色と意味を目で往復させる。代わりに、線の端・面の中・点の横に名前を置き、それでも足りなければ縮小図の列か数字の格子を敷く(AQUA FLUXUS / GLACIES LIQUOR #1)。
v5.1 07「凡例より直接ラベル」+商品の構造機械
F-04色の系統は発散か順序の1系統だけ
分類色は使わない ── 分類色が要る図は、2図に分けるべき図である。虹(jet / rainbow / turbo)は順序が知覚と一致しないので使わない。
v5.1 07 データの色機械
F-05長さ・面積で量を表す型はゼロ起点
棒・縞・面・柱はゼロ起点。線・点・地図は任意だが、波線省略はしない。主エンコーディングを宣言してから描く(marks=)。
v5.1 07「比較を歪めない」機械
F-06グレースケールで生きる
データに使う色は、明度だけで区別がつくこと(明度差 24 以上)。赤緑の識別に依存しない。VI Blue #00BFFF はブランド専用でデータに使わない。
v5.1 07「グレースケールで生きる」機械
F-081つの要素は1px 以上を占める
系列の点が版面の幅に対して 1px 未満になるまで詰め込まない。元データより細かい解像度に集計しない。読めない密度は密度ではなく汚れ。
v5.1 07 六角格子の条項機械
F-09軸・罫・格子は最小限。消して読めるなら消す
残す罫は #F0F0F0 まで薄く、目盛は2〜4本、単位は最上段だけ。商品には軸も目盛も格子罫も無い。
v5.1 07 Do +商品「していないこと」人
F-10地図である必然性がある
位置そのものが発見であるときだけ地図にする。量が発見なら地図ではなく量の型へ。面積で量を表すなら正積図法を使う。
v5.1 07 地図を使ってよい条件人
F-11区画を塗るなら、率・種類・回数のどれかを宣言する
区画の塗りが運べるものは三つ。率(分母がその区画に属する割合・密度)、種類(順序を持たない区分)、回数(数え上げ)。絶対量は選べない ── 読者は塗られた面積を量として読むので、分母を持たない量で塗ると、広い区画が濃く見えるだけの図になる。回数で塗れるのは区画の大きさが揃っているとき(固定格子)だけで、国や県のように大きさの違う区画では、回数は率に直す。種類のときだけ色相を区分の数だけ使ってよく(上限4)、その色は順序を持たない ── だから凡例ではなく、区分の名前を図の中で直接名指す。表は norm.FILL_KINDS。
v2.1 の「率でしか塗らない」を三つに分けた(2026-09-06)。禁じるべきだったのは率以外ではなく、分母を持たない量機械
T-05出典に観測日がある
データ名・基準期間・観測日・暫定の別・ライセンスを2行以内に。「今日」「最新」と書くなら、その日付がどこかに必ずある。
v5.1 07「不確かさを描く」機械

照らし方の作法 — 商品から

参照は外にだけあるのではない。SORAH が実際に刷って売っている4枚(CLIMATE STRIPES / AQUA FLUXUS / GLACIES LIQUOR #1 / SYLVANIA CONTINUUM)が していることは、そのまま「光を当てる」の作法だった ── 紙が見える(地を塗り潰さない)、図版は版面いっぱい、凡例は縮小図か数字の格子、 軸を引かない・目盛を打たない・格子罫を敷かない・色を3色以上使わない・同じ情報を2度書かない。台帳の図版が「機械的」に見えていた原因はほぼこの裏返しだった(doc H)。

色 — 紙の色とデータの色

紙の色は型・罫・地にだけ使い、データには使わない。データの色は1 図 1 系統+強調 1 色、合わせて 3 色まで。有彩色は焦点にだけ置く ── 今年か、記録か、名指した一つ(Rojanasakul / Migliozzi)。色を置く相手を選ぶのは焦点の仕事(03)で、ここは置ける色の系統だけを決める。

定数値役割
INK / PAPER#1A1A1A / #FFFFFF文字・主線・基準線/地。夜版(P・動画)では反転
GRAY_MID / GRAY_LIGHT / RULE#8A8A8A / #B5B5B5 / #D8D8D8目盛の値・薄い名前/ゼロ線/罫
PAST#D2D2D2過去年の束・年々の値(1.0px、名前を付けない)
AVG#808080平均・気候値の点線(2,3)。#555 は ACCENT との明度差 10 で検査に落ちた
GRID#EBEBEB横罫 1px。目盛は 3〜4 本、単位は最上段だけ
ACCENT#006BFF(Graphic 01)今年・強調・線末ラベル・寸法線。1 図に 1 点
WARM / COLD#B2182B / #2166AC偏差の面の上下(RdBu の両端、明度を揃える)
EDGE_REF#E8721C氷縁の基準線(NSIDC・極地研の慣例)
NEGATIVE#DA003C(Accent)負の変化・警告のみ。閾値線(「2015 limit」型)にも使える
VI Blue#00BFFFデータに使わない(ロゴ専用)。palette() が拒否
系統使う発見規定根拠
順序 Sequential量・密度・深さ明度が単調に変わる知覚均等スケール。白→INK、白→#05396B、または cmocean(thermal / ice / deep)・Crameri(batlow)・viridis。色相を増やさない。P 判型では 5 段に量子化して平塗り(夕日の段階色)Thyng 2016、Crameri 2020、NASA EO、SORAH ART ボード
発散 Diverging基準からの偏差白または薄灰を中央に。両側は対称に暗くなる(RdBu、cmocean balance)。青/紫、緑/赤の組は避けるIPCC AR6 colour guide、Wilke
濃淡 1 系統同じ量の段階(濃縮度 2 / 5 / 20 / 60%)1 色相の 3〜4 段。段の名前は右端に直接(NYT Uranium)NYT Migliozzi
分類 Categorical—原則不採用。1 図 1 メッセージなら分類色は要らない。要るなら 2 図に分ける。例外は意味色のみv5.1 07、Tableau「7〜10 色まで」は上限であって目標ではない
意味色慣例で読者が知っている色暖=赤、冷=青、植生=緑、水=青、氷縁の基準線=オレンジ、欠測=灰、No Data=#EBEBEB。素材の色(原油=黒、氷=白)はこれに含めるNSIDC、GFW、NYT Hormuz

黒=観測、青=解釈

1枚の中で色が担う役割を先に決める。INK は測られたもの(観測値・平滑・氷・震源)、ACCENT は人が足したもの(傾向線・回帰・寸法線・今年の強調・線末の値)。読者は色の名前を覚えなくても、青いものは「誰かの解釈」だと分かる。PAST は文脈(過去年の束・年々の値)で、名前を持たない。この3役で足りないなら、それは2図に分けるべき図である。

段階と検証

隣接色は最大 10–11 段階(IPCC)。縞は 16 色(Hawkins)。誤差 ±0.5°C のデータに 0.1°C 刻みの色を当てない。公開前にグレースケール変換で読めること、色覚シミュレーション(Color Oracle・Coblis)で崩れないことを確認する。spec.py の check_palette は輝度差 24 未満の組を拒否する。本文の数量は図の色で組む(03 焦点を結ぶ)ので、本文に現れる色も palette() に含める。

使わない

虹(jet / rainbow / turbo / hsv)— 順序が知覚と一致せず、偽の縞を作る。赤緑だけで正負を分ける。半透明の重ね塗り(色の混合が新しい意味を持ってしまう)。4 色以上の平塗り(P 判型の 5 段量子化を除く)。

不確かさ・観測日・欠測 — 見えないものを書く

状況描き方書き方(実例)出典
推定の幅帯(四分位/十分位/±2σ/5–95%/95% 信頼区間)。輪郭なし。幅が発見なら寸法線図題の 2 行目に定義(「1961–1990年平均との差、95%信頼区間」)。本文は「+1.05°C [1.01–1.09]」HadCRUT5、Berkeley Earth、IPCC SPM.8、Wilke 16章
暫定値線は最新点で止め、● を置く。延ばさない出典に「速報値含む」「直近1年は暫定」「今年は7月まで」。記録年は年が終わるまで「記録年」と呼ばないNSIDC、NOAA GML、NYT「data … are preliminary」
欠測描かない。線を切る。補間しない欠測色(灰)を凡例ではなく注記で。気象庁の品質記号( ) ] )は落として使う気象庁、NASA EO
観測日・基準期間—出典に取得日・データ版・基準期間(「1951–1980年平均との差、1950–2026年(今年は7月まで・2026年9月取得)」)。「今日の」と書くなら観測日必須NASA EO、JAXA
観測網の変化帯の幅で見せる。隠さない「観測が減った1942年に幅0.42°Cまで広がり」HadCRUT5
低確率・高影響破線。帯と混ぜない「排除できない経路」IPCC SPM.8
手法の不一致ハッチング、または 0「モデル間で一致しない」IPCC SPM.3、Climate Central CSI
観測点の移転・方法変更三角印、断絶を線で切る。都市化の影響は出典に「都市化の影響が小さい15地点」「都市化の分を含む」気象庁、GFW

地図 — 地図である必然性

地図にするのは、どこで起きたかが発見の中身であるときだけ。量の比較は地図に向かない(面積が値を歪める)。海氷は「線の内側に縮んだ」と書く前に海ごとに数える — 2026.08.29 vs 2010.09.01 では東シベリア海で −16万km²、チュクチ海では +8万km² で、合計だけ見ると戻った海が消える。面積の合計は線グラフの側で言い、地図では海ごとの差だけを言う。

用途投影規定
全球のアノマリーRobinsonNASA SVS の標準。発散色・白中央・基準期間を図題に
極域極ステレオ(70° 真緯度、EPSG:3411/3413)歪みを注記(「北極を上から見た図」)。面積比較には使わない。全球には使わない
面積の比較等積図法、または等面積カートグラムIPCC は六角形カートグラムで面積バイアス自体を回避
率の分布コロプレス(率)率のみ。絶対量は不可(FT・Sunlight)。5 階級以下。No Data 色を定義
区分の分布区画の種類順序の無い区分だけ。4 区分まで・区分ごとに別の色相・凡例を置かず区画の上に名前
回数の分布格子(回数)マスの大きさが揃っているときだけ。国や県では回数を率に直す
総数の分布比例シンボル面積比例。細差は読めない
密度ドット密度・六角格子元データより細かく集計しない。見せたいパターンを注釈
位置と量の関係断面(地図を捨てる)位置の一軸と量の一軸で切る。傾きは読者の単位で(「西へ1°ごとに約17km深い」)+相関

ベースマップは無彩色(Stamen Toner の思想)。海岸線は描かず、データの陸海マスクで見せる。氷縁の基準線はオレンジ(NSIDC・極地研の慣例)、今日の縁は INK 1px。海の名前は地図の上に薄く置き、開いた海・戻った海だけ太字で面積を添える。行政単位に吸着させない。SORAH の Maps ボードが集めているのは等高線・流線・稜線・海底地形 — 線の密度で量を見せる地図で、面塗りの地図ではない。

区画の塗り — 率・種類・回数(絶対量は入っていない)

v2.1 の台帳はここに「率でしか塗らない」と一行だけ書いていた。理屈は正しいが効きすぎていて、 開票マップ(いちばん票を取った政党=種類)も被災履歴マップ(被災した回数)も作れなかった。 禁じるべきだったのは率以外ではなく、分母を持たない量である。だから三つに分けた ── 区画を塗る図は、塗る前に色が何を運ぶかを宣言する(F-11、Card.fill_kind)。宣言の無い塗りは発行されない。

塗りが運ぶもの宣言条件持っている型
率 Raterate分母がその区画に属する割合・密度。面積あたり・人口あたり・全体に占める割合。区画の形は問わないコロプレス(率)・区画の偏差
種類 Categorycategory順序を持たない区分。色は量ではなく区分の名前なので、区分ごとに色相を分ける。上限4区分区画の種類
回数 Countcount数え上げ。分母を持たないので、区画の大きさが揃っているときだけ(固定格子)。国や県では回数を率に直す格子(回数)
絶対量—選べない。分母を持たない量で区画を塗ると、読者は塗られた面積を量として読む比例シンボル地図(円の面積)へ

回数の条件が要る理由。大きさの違う区画(国・県)を回数で塗ると、広い区画ほど数が多くなり、 読者は塗られた面積を量として読む ── それは絶対量で塗るのと同じ嘘になる。だから回数で塗れるのは、 マスの大きさが揃っている固定格子のときだけで、国や県では回数を面積あたり・人口あたりの率に直す。 種類だけが色相を分けてよい理由。種類の色は量ではなく区分の名前なので、濃淡で並べると 「濃いほうが多い」と読まれてしまう。だから 1 枚 1 色相(F-07)の唯一の例外として、区分ごとに色相を分ける ── ただし 4 区分まで、そして刷ったときと色が見えない読者のために明度も 24 以上ずつ離す。

03 — Focus

焦点を結ぶ — 一つを選び、言葉を与える

焦点は一点にしか合わない。一つの発見を選び、それに言葉を与える。見出しは見えているものの名指し、landing は読み方の受け渡し、 出典は作り方の開示。三つを混ぜない。図の側でも同じことが起きる ── 有彩色と太字は焦点にだけ置き、残りは無彩色の濃淡と地の重さで退く。 主体は作り手。作り手が決定する。そして決めてよいのはここだけ。

以下の 13 条がこの工程の条。v2.0 で足したのは X-07(焦点は一つ ── 太字の名指しは 1 枚にちょうど 1 つ、機械)、 X-08(焦点は観察 ── 名づけて、決めない、人)、X-09(基準の所在 ── 宣言した基準が図題か注記に無ければ書かない、機械)。 1枚1色相(F-07)と注釈の有無(F-03)は図の条だが、意味はここに属する ── 色と注釈は焦点の道具だから。

id規範根拠誰が見るか
X-07焦点は一つ ── 前に出る発見は1枚に1つ
名前は一つのものにしか付かない。太字と色を持つ名指し(線末の札・山の名前・寸法線の値)は1枚にちょうど1つ。二つ目を前に出したくなったら、それは二枚目の図。選ばれなかったものは消さずに後ろへ退く ── 地の重さの注記と Source の層に退避する。削ぐことと隠すことは違う。
方向性 v2.1 §3 焦点を結ぶ(Migliozzi「記録年だけに色」)機械
X-08焦点は観察 ── 名づけて、決めない
見出しと landing は観察の文で、評価語・因果の断定・「だから」を含まない。「夏の四つの最高記録は直近の四年」は焦点、「だから危険だ」は結論。SORAH は前者で止まる。結論を出さないことで、図と landing は開いたままでいられる。T-01 の上位原則。
方向性 v2.1 §3 但し書き人
X-09基準の所在 ── 立場は基準の選び方にだけ現れる
平年・基準期間・閾値・除外条件を先に決め、図題か図中の注記に必ず書く。型は何を基準にしたかを宣言し(Card.basis)、宣言した語が図題か注記に無ければ発行しない。今年だけに色を使い、暫定データの範囲を切り、除外条件(「M4.0以上」「全地被」「都市化の分を含む」)を書く。
方向性 v2.1 §5 中庸(Rojanasakul “not included”/Goodsell「水分子は描かない」)機械
F-03図の中に注釈が1つ以上ある
注釈は説明文ではなく図の一部。パターンか解釈を名指す。「ここにデータがあります」は注釈ではない。
v5.1 07「注釈が図の主役」機械
F-071枚1色相 ── 色は焦点にだけ
有彩色は1枚に1系統(発散だけ2色相)。色は今年か記録か、焦点の合った一つにだけ置き、残りは無彩色の濃淡で退く。4色目が要るなら、それは2図に分けるべき図。商品は4点中3点が特色1〜2版で刷られている。
商品の実仕様(doc H §2-1)+ Migliozzi機械
T-01観察のレジスターに立つ
見出しは図に見えているパターンを名指す。規範・断定・扇動をしない。「〜すべきだ」「危機」「衝撃」は観察ではない。語彙は T-06 が機械で見る(売り言葉と価値判断の表)。レジスターそのものは人が見る ── 表に無い語でも、良し悪しを先に決めてから図を選んでいれば、それはもう観察ではない。
SEE 編集原則 + v5.1 08人
T-02見出しは文ではなく名指し
常体。句点で終えない。問いかけにしない。和文は全角17字以内、欧文は 68 字以内(46pt で3行)。1行の切れ目は改行文字で指定する。
v5.1 08 見出しの作法機械
T-03結論の数字と術語は見出しに置かない
測った量(+1.73°C・429.1ppm・16万km²)と術語(偏差・パーセンタイル・extent)は本文に潜ませる。見出しが運ぶのは数の向きか、例外の無さ。
v5.1 08機械
T-04landing は読み方を渡す。凡例の説明にしない
「色は…を表す」「縦軸は…」は凡例であって読み方ではない。何を1本が表すか、どこを見るか、何と比べたかを渡す。「〜は含まない」を書いてよい。和文54字・欧文100字以内。
v5.1 08機械
T-06使わない語がある
二群ある。売り言葉(革新的・イノベーション・ソリューション・シームレス/innovative・revolutionary・seamless・unprecedented・alarming)と、価値判断・規範(優しい・こわい・ひどい・深刻・正しい・愚か・危険・脅威・過激・〜すべきだ/gentle・scary・devastating・dangerous・wrong・foolish・should)。図に現れているのは量であって善悪ではない。良し悪しは読者が決める ── 作り手が先に決めてしまうと、図は根拠ではなく飾りになる。絵文字も使わない。表は norm.BANNED と norm.JUDGEMENT。
v5.1 08「使わない語」+ T-01 の語彙側機械
T-07同じものを2つの言葉で呼ばない
台帳の語彙(norm.LEXICON)に載っている言い換えを使う。「平年」は書かず基準期間を書く。「anomaly」は書かず difference from … と書く。
20枚目のカードが1枚目と違う語を使わないため機械
T-08本文の数量は、図でその量に使った色で組む
landing の中の数字を図の色で太く組めば、凡例を置かずに本文が凡例になる。1文に2つまで。数字以外の語には使わない。
NYT の作法 + F-02人
T-11図の中の言葉も、同じ台帳で書く
図題・図中の注記・数字の札の文は、見出しや landing と同じ語の検査を通る(T-06 使わない語 + T-07 台帳の語彙)。四つのテキストスロットだけを見ていると、抜け道が開く ── 「優しい日本と、こわい日本」は見出しに置けば落ちるのに、塗り分けの図題に置けば通ってしまっていた。図の中は言葉の数が少ないぶん、一語が図全体の意味を決める。
実測(2026-09-06): 図中の注記はどの検査も通っていなかった機械

語の台帳

同じものを2つの言葉で呼ばない。20枚目のカードが1枚目と違う語を使い始めたら、それは台帳が無いということ。 その場で定義しているなら通す(「平年(1991–2020年)」は可、「平年」だけは不可)。

使わない語置き換える
平年1991–2020年平均(基準期間を書く)JA
アノマリー平均との差JA
偏差平均との差(見出しでは使わない)JA
エクステント面積JA
温暖化気温の上昇(測った量で書く)JA
危機(使わない。観察のレジスターから外れる)JA
衝撃(使わない)JA
anomalydifference from the … meanEN
extentareaEN
unprecedented(do not use)EN
alarming(do not use)EN
crisis(do not use)EN
skyrocket(do not use)EN

使わない語 — 売り言葉と、価値判断

二群ある。売り言葉(革新的・シームレス・unprecedented)は最初から入っていた。 価値判断・規範(優しい・こわい・深刻・正しい・愚か・危険・〜すべきだ)は v2.4 で足した ── 日常語なので、長さの検査も文体の検査も素通りしていた。図に現れているのは量であって善悪ではない。 作り手が先に良し悪しを決めてしまうと、図は根拠ではなく飾りになる。 そして v2.4 から、この検査は図の中の言葉にもかかる(T-11)── 図題・注記・数字の札。 四つのテキストスロットだけを見ていたときは、「優しい日本と、こわい日本」を図題に置けば通っていた。

使わない語群
革新的売り言葉JA
革命的売り言葉JA
イノベーション売り言葉JA
Creative Platform売り言葉JA
世界をより良くする売り言葉JA
ソリューション売り言葉JA
シームレス売り言葉JA
衝撃的売り言葉JA
危機的売り言葉JA
innovative売り言葉EN
revolutionary売り言葉EN
game-chang売り言葉EN
cutting-edge売り言葉EN
world-class売り言葉EN
seamless売り言葉EN
solution売り言葉EN
make the world a better place売り言葉EN
unprecedented売り言葉EN
shocking売り言葉EN
alarming売り言葉EN
優し価値判断・規範JA
やさし価値判断・規範JA
こわい価値判断・規範JA
怖い価値判断・規範JA
恐ろし価値判断・規範JA
恐怖価値判断・規範JA
ひどい価値判断・規範JA
酷い価値判断・規範JA
悲惨価値判断・規範JA
悲劇価値判断・規範JA
惨状価値判断・規範JA
深刻価値判断・規範JA
甚大価値判断・規範JA
壊滅価値判断・規範JA
破滅価値判断・規範JA
脅威価値判断・規範JA
正しい価値判断・規範JA
間違価値判断・規範JA
誤った価値判断・規範JA
愚か価値判断・規範JA
賢い価値判断・規範JA
賢明価値判断・規範JA
まとも価値判断・規範JA
良い価値判断・規範JA
悪い価値判断・規範JA
最悪価値判断・規範JA
最良価値判断・規範JA
素晴らし価値判断・規範JA
見事価値判断・規範JA
危険価値判断・規範JA
安全価値判断・規範JA
過激価値判断・規範JA
残念価値判断・規範JA
憂慮価値判断・規範JA
懸念価値判断・規範JA
警告価値判断・規範JA
べきだ価値判断・規範JA
べきである価値判断・規範JA
すべき価値判断・規範JA
ねばならない価値判断・規範JA
なければならない価値判断・規範JA
gentle価値判断・規範EN
scary価値判断・規範EN
frightening価値判断・規範EN
terrifying価値判断・規範EN
horrific価値判断・規範EN
horrifying価値判断・規範EN
appalling価値判断・規範EN
devastating価値判断・規範EN
catastrophic価値判断・規範EN
disastrous価値判断・規範EN
grim価値判断・規範EN
tragic価値判断・規範EN
threat価値判断・規範EN
threatening価値判断・規範EN
dangerous価値判断・規範EN
safe価値判断・規範EN
good価値判断・規範EN
bad価値判断・規範EN
evil価値判断・規範EN
wrong価値判断・規範EN
foolish価値判断・規範EN
stupid価値判断・規範EN
wise価値判断・規範EN
worrying価値判断・規範EN
worrisome価値判断・規範EN
troubling価値判断・規範EN
should価値判断・規範EN
must価値判断・規範EN
ought価値判断・規範EN

注釈の六種 — 焦点と、その後ろに退く層

種類役割実例(台帳の図から)置き場
図題測った量と基準期間「月別の世界平均気温/1951–1980年平均との差」「東北沖の震源の断面/東経138–146°、M4.0以上、この1か月」form 枠の左上、太字 24pt・2 行。見出しはパターン、図題は量(Card.title)
線末ラベル最新の日付と値を線と同じ色で「7月 +1.23°C」「2026年7月 +1.73°C」「2025年 +1.05°C」「7月 429.1」線の末端の ● の横。届かなければ引き出し線で右上へ(Card.end_label)
基準の明示何と比べているか「1981–2010年の平均」「平均 1950–2025」「0 地表」基準線の左端の上、平均は点線の上
山の名前・指差し出来事と発見の位置「1997–98」「2015–16」「記録年 2024」「2023年から +1°C超」「M6.0 8月23日 深さ41km」山の左肩、罫(INK 1.4px)の横。線に乗せない。重ねるときは紙色の縁取り(halo)
寸法線・パネルの数字幅や差そのものを測って見せる「1942年 幅0.42°C」「1860年 幅0.30°C」「11月 +3.4°C」帯の幅に縦線+値、小さな多数は各パネルの右上に 1 つ
数字の札今日の数字と由来「429.1 ppm — 大気中の CO₂ 濃度、2026年7月、マウナロア」form 枠の上 44%、Gotham Bold 132pt(Card.big_number)

直接ラベル

凡例は置かない。線の端・面の中・点の横に名前を書く(Card.annotate)。目盛は薄灰の横罫と左端の値で足りる(Card.yticks)。目盛は 3〜4 本、単位は最上段の目盛にだけ(「+1.5°C」「50 km」「440ppm」— NYT / Bloomberg)。年は下端に 3〜5 つ、始点の年は左寄せ、終点は右寄せ。単位は数字より小さく、数字に密着。数字はタブラー。

線の階層(Rojanasakul / Migliozzi の寸法)

NYT Climate の Mira Rojanasakul、Bloomberg → NYT の Blacki Migliozzi の作品から取った作画の階層を、card.LW と色定数に固定した。今年・強調 3.0px ACCENT + 末端の ● + 同色の線末ラベル(1枚に1つ。これが焦点)/主線 2.4px INK/副線・傾向 1.6px/過去年の束 1.0px PAST(名前を付けない)/平均・気候値 AVG 点線(2,3)に「平均 1950–2025」を線上に置く/横罫 GRID 1px/ゼロ線 GRAY_LIGHT 1.4px。色は 1 図に 3 色まで。同じ図を並べるときは目盛・ラベル語彙を完全に共通化し、パネルごとに結論の数字を 1 つ置く。暫定データの期間と除外条件を出典に書く。詳細は doc F。

見出し・landing・出典

見出しは全角 17 字以内・常体・図に見えているパターンを名指す・結論の数字と術語を置かない(v5.1 08)。1 行は 12.5 字(54pt=75px/字)なので、2 行目の切れ目は改行文字で指定する(「7月の赤は、/77年で最も高い」)。見出しの前提(「一度も下がっていない」「最後の3年」)は demo() が毎回検算し、崩れれば発行しない。landing は読み方を渡す 2 行で、凡例の説明にしない。出典はデータ名・基準期間・観測日・暫定・ライセンス・sorah.io/earth を 2 行以内に(長いときは機関名を短くする)。すべて norm の検査を通る。

本文の数字を図の色で

landing の中の数量(「+1.73°C」「16万km²」「429.1ppm」)は、図でその量に使った色で太く組む(Card(marks={"+1.73°C": WARM}))。凡例を置かない代わりに本文が凡例になる(NYT「10 times the normal levels」の作法)。1 文に 2 つまで。数字以外の語には使わない。

三極の統合 — 態度ではなく、作法として

ニュートラル/中庸、Optimistic Humanism、Speculative Art。三つの極は、リサーチの結果、いずれも作法として書けることが分かった。 ムードではなく、条文と番組になる。三つとも焦点の工程に属する ── 何を基準にし、何に翻訳し、何を「もし」として延ばすかは、作り手の決定だから。

極作法台帳での現れ方参照
中庸
Neutral
基準を先に決め、書く。立場は基準の選び方にだけ現れる。平年・基準期間・閾値を先に決め、図題か注記に書く。今年だけに色を使い、暫定データの範囲を切り、除外条件を書くX-09(機械)。型が Card.basis() で基準を宣言し、図題か注記に無ければ保存しない。deviation(基準が先)と compare(参照が先)はこの順序を動きとして持つBloomberg 2015(基準 1880–1910 を固定し要因を重ねる)/Goodsell「水分子とイオンは描かない」/荻原和樹 2020
Optimistic Humanism
Humanism
人間尺度への翻訳。実際に人の認知を動かした型は「自分ごと化」と「翻訳」だった。抽象量を似た場所・身体・一日に翻訳する。楽観は wonder 系番組の役割とし、気候番組で無理に作らない ── 良くなっているものも、同じ作法で数える発見カテゴリに翻訳(analog)を追加し、動きの語彙の 7 つ目 analog(量が先、翻訳が後)を足した。最初の型は「暦の翻訳」(07 章)。翻訳先は同じ観測列の中から取るNYT 2018「How Much Hotter Is Your Hometown」/The Pudding「Climate Zones」
Speculative Art
Speculative
「もし」のレジスター。SORAH は実データしか扱わないが、思弁は成立する。反実仮想の経路、予測の帯、閾値の同心円は実データから延ばした像。思弁は帯と経路の形しか取らない、という制約が SORAH らしさになるSTUDY の下に IF を立てた(08 章「もし1990年以降の傾きが続いたら」)。uncertainty(推定が先、幅が後)がそのまま動きになる。kicker は study / ifEd Hawkins climate spiral(1.5℃・2.0℃ の同心円)/NYT の 2090 年までの予測の帯/池田亮司 data.tron

物質性は Speculative の第二の面で、写し取る工程と同じことを指す。SORAH では印刷が担う ── 刷った日のポスターは固定された参照、日次の G1 は偏差。壁の紙と画面の今日が compare の関係にある。

04 — Capture

写し取る — 媒体に定着させる

質感とスケールは表現する媒体が持つ。画面は画面、動画は動画、紙は紙の像を持ち、どれかを別のものに擬態させない。 同じデータと同じ焦点でも、媒体が像を決める。G1→G2→M1 は導出であって複製ではない。主体は媒体。作り手は媒体に委任する。

以下の 16 条がこの工程の条 ── 動き(M-01〜M-11)、二言語(X-04・T-10)、和欧混植(T-09)、現れ方の決まり方(X-03)、そして X-10(写し取る媒体、人)。 デザインガイドライン v5.1 の 06 Motion は操作している画面の規範で、単体で受け取られる図版の動きは書かれていない。 だが 06 の原則 ──「動きは情報(何が変わったか)を運ぶ時だけ使う。装飾では動かさない」── はそのまま効く。 図版における「情報を運ぶ動き」とは、その図が答えている問いの形をなぞる動きのこと。だから動きの語彙は 7 つに閉じていて、どれを使うかは発見の種類が決める。作り手は選べない。

id規範根拠誰が見るか
X-03現れ方は発見の種類が決める。作り手が決めない
動きの語彙は7つに閉じていて、発見のカテゴリごとに使えるものが決まっている(推移→時間で刷る、偏差→基準が先、地理→地が先、不確かさ→推定が先、翻訳→量が先…)。「かっこいいから」で選べる余地を残さない。
norm.REVEAL_FOR人
X-04二言語は同じ発見を運ぶ
和文版と欧文版は訳ではなく、同じ発見の二つの現れ方。数量・日付・単位は完全に一致していなければならない。言い回しは違ってよい。
読者の多数は英語。数字がずれたら二枚とも嘘になる人
X-10写し取る媒体 ── 質感・尺・判型は媒体が決める
画面は画面、動画は動画、紙は紙の像を持つ。G1→G2→M1 は導出であって複製ではない── 同じデータと同じ焦点でも、媒体が像を決める。どれかを別のものに擬態させない(静止画に動画の残像、動画にページの段組、紙に画面の光)。
方向性 v2.1 §3 写し取る(Anadol/池田亮司「媒体が像を決める」)人
M-01動きは情報を運ぶときだけ使う
何が変わったかを運ばない動きは装飾。装飾では動かさない。版面(判型・余白・五つのスロットの位置)は動かない。カメラも動かない ──ズーム・パン・パララックスなし。
v5.1 06 Motion 原則人
M-02現れ方は1枚に1つ
7つの語彙(数える/時間で刷る/基準が先/推定が先/地が先/参照が先/量が先)から1つだけ。2つ混ぜると、読者はどちらを追えばいいか分からなくなる。
norm.REVEALS機械
M-03現れ方は発見の種類が決める
推移なら時間で刷る。偏差なら基準が先。地理なら地が先。不確かさなら推定が先。翻訳なら量が先。作り手の裁量は、その中でどれを選ぶかまで。
norm.REVEAL_FOR(X-03 の動き側)機械
M-04文字は現れるだけ
260ms のフェードと 8px の上移動、1方向。文字は移動しない・変形しない・回らない。現れる順は読む順(kicker → 見出し → 罫 → 図題 → 作画 → 注釈 → landing → 出典)。
v5.1 06「要素の出現 260ms / translateY(8px)+fade / 1方向のみ」人
M-05図中の注釈は、作画がその位置に届いたときに現れる
注釈が出る順番は、作画が明らかになる順番と同じ。「7月22日が記録」の札は、作画が7月22日を通ったときに出る。これが M-01 の実体。
v5.1 06「動きは情報を運ぶ時だけ」機械
M-06速さは1つ(ease-out)
イージングは1種類。spring は「操作の応答にだけ」使うものであって、単体で受け取られる図版に操作は無い。
v5.1 06 の時間・イージング表機械
M-07止まる
最後の 3 秒以上は完全な静止。その最後の1コマは静止版と同じ絵。検査は書き出した動画から実際に最後のコマを取り出し、静止版と突き合わせる ── はっきり違う画素(いずれかのチャンネルで 48/255 以上)が 0.5% 未満、平均差 2.0 未満。H.264 の圧縮差はここに収まり、コマがずれていれば桁で外れる。ループしない。
v5.1 06「無限ループ禁止。3回で止める」機械
M-08音は無い
発信のグラフィックに音を持たせない。音が要る主張は、図が足りていない。
SORAH の発信物はすべて無音機械
M-09尺は 8〜20 秒
短すぎると作画が読めず、長すぎると静止版で足りる。作画に与える時間は尺の 4〜6 割。
実測(87 本の線が読める下限が約 5 秒)機械
M-10静止版を必ず持つ
prefers-reduced-motion の環境、印刷、サムネイルには静止版を出す。静止版は動画の最後のコマから書き出す(M-07 と同じ絵であることの担保)。
v5.1 06「prefers-reduced-motion で全アニメーションを停止する」機械
M-11束はデータの時間の順に現れ、焦点は最後
系列そのものに時間の順がある図(1 本が 1 年の束、発生順のある出来事の点)は、その順に一つずつ置く ── 古い年から新しい年へ、下の線から上の線へ。束が全部置かれてから基準(平均・帯)が現れ、焦点(今年の 1 本と名指し)は最後。今年が束から出ていく瞬間が、そうして初めて見える。検査は段取りを実際に回し、各要素が最初に見える時刻を測って順を突き合わせる。
実測(2026-09-05、夏の束 87 本)。型は部品に sequence / focus の役どころを付けるだけ機械
T-09和欧混植は組版で解く
和文を含む行は欧文連も同じ書体・同じウェイト。約物の隣に四分アキを入れない。数量は単位ごと、カタカナ語はひと続きで次行へ送る。
v5.1 03 Typography + doc H §3人
T-10二言語で数量・日付・単位が一致する
和文版と欧文版から数量と年を抜き出して突き合わせ、1つでも違えば発行しない。訳のずれは、片方が古いデータのまま残ることで起きる。丸めの差は 1% まで許す(和文の「万」と欧文の k は位取りが違うので、16万km² と 159k km² は同じ量の別の丸め)。
X-04 の言葉側機械

現れ方の語彙 ── 7つ

語彙意味出どころ使っている型
count
数字が測定精度で止まる
1つの数を答える図。桁が回って、計器が返す精度でぴたりと止まる。回る桁は「いま測っている」の合図で、止まった桁が精度そのもの。Bloomberg Green “Data Dash” の回る小数数字の札
sweep
データの時間で刷る
横軸が時間の図。左から右へ一度だけ、データ自身の時間で作画が置かれる。逆走も往復もしない。読者が線を目で追う速さと、刷りの速さが一致する。商品のシルクスクリーン(インクは一方向に一度)折れ線(三本規則)/断面/小さな多数/スパゲッティ+今年強調/偏差の縞
deviation
基準が先、偏差が後
「何と比べて」を答える図。基準線と目盛が先に立って一拍置き、そのあとで面が基準から育つ。比べる相手が無いうちに差を見せない。v5.1 07「基準のない数字は意味を持たない」区画の偏差/基準線偏差の面
uncertainty
推定が先、幅が後
「どこまで確かか」を答える図。中央の推定が引かれてから、幅が開く。確からしさは、確からしさが問われる前に見えてはいけない。Wilke “Visualizing Uncertainty”不確かさの帯
spatial
地が先、量が後
「どこで」を答える図。陸が現れて台紙になり、そのうえに量が大きい順に着地する。地図を左から右へ拭かない ── 地図は作画ではなく台紙だから。商品 AQUA FLUXUS(紙の上に河川が刷られる)比例シンボル地図/コロプレス(率)/区画の種類/海峡/点の集積/格子(回数)/地域の点図
compare
参照が先、今が後
2つの状態を重ねる図。過去(参照)の輪郭が先に置かれ、そのうえに今が重なる。重ねる順番が、読者が引き算をする順番になる。NSIDC の海氷縁の重ね海氷の縁の重ね
analog
量が先、翻訳が後
抽象量を人の尺度(暦・場所・身体)に置き換える図。測った量が先に置かれ、そのあとで翻訳の寸法線が現れる。翻訳先が先に見えると、量が翻訳に従属してしまう。翻訳は量の説明であって、量の代わりではない。NYT “How Much Hotter Is Your Hometown”/The Pudding “Climate Zones”(方向性 v2.1 §6)暦の翻訳

1枚に1つ(M-02)。発見のカテゴリが許すものしか通らない(M-03、norm.REVEAL_FOR)。 型は作画の部品に役どころを付けるだけでよい ── ground(台紙)・reference(参照)・ symbols(量の記号)・band(幅)・number(数字)・analog(翻訳の寸法線)・ sequence(データの時間の順を持つ束)・focus(焦点 ── 最後に現れる一本と名指し)。 動きはその役どころだけを見るので、型ごとに動きを書き下ろさない。

束はデータの時間の順に現れる(M-11、v2.1)。「時間で刷る」は、横軸を左から右へ拭くことではなかった。 1 本が 1 年の束は 1940 年の線が先、今年の線が最後 ── 下の線から順に置かれ、いちばん上の線がいちばん後に来る。 束が置き終わってから平均と帯が現れ、焦点(今年の一本)が最後にゆっくり刷られ、名指しの札はそのあと。 発生順のある出来事の点(震源の断面)も同じで、点が起きた順に一つずつ置かれ、回帰線が最後。 87 本の束は尺を 14 秒に延ばす(motion.move_for、M-09 の下限)。検査は段取りを実際に回して各要素が最初に見える時刻を測り、 順が崩れていれば動画を書かない。v2.0 で足した analog は「量が先、翻訳が後」── 二つの年周期が置かれてから、翻訳の寸法線と札が現れる。

時間表(12 秒 / 30fps。束が 12 本を超える図は 14 秒・作画 7.0 秒)

時刻現れるもの決め方
0.30skicker読む順
0.55s見出し2 行なら 0.12s ずらす
1.05s罫左から右へ 260ms
1.35s図題2 行で 1 つ。作画の前に量の名前
1.45–6.85s作画現れ方の実装が決める(尺の 45%)。束のある図は 作画の 68% で束(データの時間の順)、60–76% で基準、74–100% で焦点
作画が届いた時図中の注釈その注釈の右端に作画が届いた時刻+0.10s(M-05)。翻訳の札は寸法線の後
7.10 / 7.40slanding / 出典作画の終わりから 0.25 / 0.55s
7.66–12.00s静止4.3 秒。最後のコマ=静止版(M-07)
EN Where the world burned this year
現れ方: spatial (地が先、量が後)
JA 今年、世界のどこが燃えたか
現れ方: spatial (地が先、量が後)
EN This summer's global mean temperature
現れ方: sweep (データの時間で刷る)
JA 今年の夏の世界平均気温
現れ方: sweep (データの時間で刷る)
EN The retreat of a Nepali glacier
現れ方: deviation (基準が先、偏差が後)
JA ネパール氷河の衰退
現れ方: deviation (基準が先、偏差が後)
EN If the post-1990 slope continued
現れ方: uncertainty (推定が先、幅が後)
JA もし1990年以降の傾きが続いたら
現れ方: uncertainty (推定が先、幅が後)

判型と配置 — 媒体ごとの像

判型寸法form 枠状態
G1 カード1080×1350(4:5)936×764 px、紙面の 56.6%。上から kicker 72 / 見出し 124 / 罫 300 / form 332 / landing 1136 / 出典 1246確定(engine/card.py)
G2 ストーリー1080×1920(9:16)規範のみ(下記「段で軸が伸びる」)。form は 60% 以上、見出しは上 1/4、上下 250px は UI に隠れる前提規範 v0.3
G3 記事図版1600×900 / 1200×675未策定。見出しは記事側に、図は landing と出典だけを持つ未
P ポスターB2 / A1規範のみ(下記「データの旅行ポスター」)。余白を図の密度に応じて広げる。印刷仕様をメタデータ化規範 v0.3

Instagram の格子は 3:4 で切る。4:5 なら左右 34px に意味を置かない(GRID_CROP_X)。小さな多数の格子は 4 列、横 6%・縦 5% の隙間、軸の値は 1 か所だけ。

G2 — 段で軸が伸びるスクロール(NYT「How Iran Accumulated 11 Tons of Enriched Uranium」)

縦長では 1 図を 4〜6 段に分け、段ごとに y 軸の上限を変えてよい。ただし同じ図の連続であることを目盛で示す:単位は最上段だけ、目盛は 3 本、前段の範囲を薄く残す。本文は図の上に 1 段落(2〜4 行)、出来事は縦の細線+短文、閾値は点線に名前。冒頭は同じ図を 1 本の線に縮めた要約図。色は 1 系統の濃淡+結果の赤。

P — データの旅行ポスター(SORAH ART ボード)

構図は 4 つ:(a) 上部に大きな円、(b) 水平の地平線、(c) 手前から奥へ重なる面、(d) 3〜5 色の平塗りと紙色の余白、下端に小さな題と場所。データへの翻訳:円=今日の数字(数字の札)、地平線=基準線(平年・1.5°C)、重なる面=帯・積み上げ面・年ごとの線の束(手前が今年)、夕日の段階色=連続色を 5 段に量子化した平塗り(cmocean / viridis。虹は不可)、書体はミッドセンチュリーの太いサンセリフ小キャップで場所と年。VI の「白 90 : 青 7 : その他 3」は G1 に保ち、P だけ 3〜5 色の平塗りを許す。参照:武政諒・石塚俊・Ryo Takemasa の平塗りの日本の地形、国立公園ポスター、Bauhaus。

P — 印刷仕様は情報設計の一部(商品の実仕様)

SORAH の商品はいずれも A1(594×841)・900部限定・背面にシリアルを記録したNFCタグ・紙管 660mm×⌀55mm + コルクキャップ。用紙と印刷方式は主題ごとに選ばれている ── 縞はヴァンヌーボ V-FS 163g/m²(FSC)にオフセット CMYK + シルクUVニス薄盛り(透明の棒グラフをニスで重ねる)、河川はNTラシャ スノーホワイト 202g/m² にシルクスクリーン 1C、森林はエコ間伐材N 171g/m²(間伐材マーク認証紙)にシルクスクリーン 2C。主題と紙と版数を一致させるのが SORAH の作法で、森林の図を間伐材の紙に2版で刷ることは図の意味の一部になっている。P 判型の型メタデータは、用紙銘柄・坪量・認証・印刷方式・版数・限定部数を持つ。

言語 — 欧文版が先

読者の多数は英語。G1 は欧文版と和文版の2枚を同じコードから刷る。判型・余白・form 枠・線の階層・色は共通で、変わるのは書体(Gotham ↔ Noto Sans CJK)と、見出し・landing・出典の級数と行数だけ。欧文は同じ情報に和文の 1.6 倍の幅を要するので、収まらないときは級数ではなく文を削る(fail-closed)。図中のラベル(図題・線末・目盛・地名)も両方持つ。詳細は上の「組版」。

夜版(黒地)— P と動画に限る

Ikeda、NYT「The Choking of Hormuz」、Bloomberg「Data Dash」は黒地。SORAH では G1 の日次カードには使わず、P と動画に限って許す。色定数は INK ↔ PAPER を反転、ACCENT はそのまま、PAST は #3A3A3A、GRID は #262626、AVG は #9A9A9A。輝度差 24 の検査は黒地でも同じ。図の背後に写真を敷くときは、写真の輝度を 25% 以下に落とし、写真の上に置く文字は必ず紙色の縁取り。

組版 — 書体・級数・和欧混植は媒体の仕事

先に組版を決める。デザインガイドライン v5.1 の 03 Typography と 07 データビジュアライゼーションに、手元の書体を実測して突き合わせた結果が下の4規則。「数字だけ太い」「和文が細い」「桁が縦に揃わない」はここで機械的に消える。

組版の4規則

規則根拠実装
1 桁が縦に揃う場所だけ、数字を等幅送りで置くDGL 07「数値は必ずタブラー数字。桁が縦に揃わない図は作らない」。規定は図の話であって、散文の数字を等幅にせよという話ではない。size 40 の実測で Noto Sans CJK は 31.50–31.75px とほぼ等幅、Gotham は 21.88–40.12px(1 だけが極端に細い)、Poppins は 19.50–35.88px目盛の値・小さな多数の各パネルの値・数字の札は「0 の字幅」に送りを固定して1字ずつ置く(tabular=True)。どの書体でもタブラーになる。見出し・landing・出典・注釈は自然な字幅
2 和文を含む行は1書体1ウェイトDGL 03「混植時は Noto 側に揃える」。黒みの実測は Noto DemiLight .277 / Regular .306 / Medium .368 / Bold .441 に対し Gotham Medium .397。DemiLight の見出しに Gotham Medium の数字を混ぜると黒みで 1.43 倍になり、数字だけ太く見えていた_rich_draw の欧文フォントの既定を和文フォントと同じにした。1行の中で書体もウェイトも跨がない
3 ウェイトは2段。地は Medium、名指しと数字だけ BoldSORAH のポスターは太いのが題だけで、データのラベルは年も面積も河川長も全部同じ小ささ・同じウェイト。太さで階層を作らない。あわせて、1080px の図版で DemiLight(.277)と Regular(.306)は図の線(1.0–3.0px)に負けて細く見えるので地を上げた。Noto Medium .368 と Gotham Medium .397 で和欧の黒みが揃うMedium=見出し・landing・出典・図題・注釈・目盛/Bold=名指しと線末、数字の札の数字。DemiLight は使わない
4 欧文版の書体は GothamDGL 07「発信のグラフィックは 欧文 Gotham/地は白のみ」。Poppins は Web の代替であって、刷り物と図版には使わないGotham は Medium と Bold の2ウェイト。規則3がそのまま形になっている。矢印(←→)・不等号(≥)・和字は Gotham に無いので、書体に直接訊いて(FT2Font.get_charmap)その字だけ Noto へ逃がす。逆に Noto に無い下付き数字(CO₂ の ₂)は Gotham へ

段は card.TYPE の1表に集約した。kicker 21 / 見出し 54(欧文 46)/ landing 29(欧文 25)/ 出典 18(欧文 17)/ 図題 24 / 注釈 22 / 目盛 19 / 線末 22 / 数字の札 132+単位 34。図版の組版を直すときはここだけ触る。

二言語で刷る

読者の多数は英語なので、同じ図を欧文版と和文版の2枚で刷る。原稿は T(和文, 欧文) と1箇所に並べて書き、language("en") の中で demo() を呼ぶと欧文版になる。原稿が2つのファイルに離れると必ずずれるので、離さない。

変わるもの変わらないもの
組版書体(Noto Sans CJK ↔ Gotham)。見出し 54→46pt・最大3行、landing 29→25pt、出典 18→17pt(欧文は同じ情報に 1.6 倍の幅を要する)ジオメトリ(1080×1350・余白 72・form 枠 936×764=紙面の 56.6%)、五つのスロットの位置、線の階層、色
折り返し和文は任意位置+禁則、欧文は語の切れ目行数の上限で落とす(fail-closed)。収まらないのは体裁の問題ではなく文の問題
検査見出しの上限は全角17字 ↔ 68字。敬体の検査 ↔ 句点・問いかけの検査。凡例の言い回しと使わない語は言語ごとの表結論の数字を見出しに置かない・landing を凡例にしない・出典に観測日・見出しの前提を demo() が検算する

和文の折り返しは語の途中で折らない: 数量は単位ごと(「8万km²」)、カタカナ語はひと続きで次行へ送る(「東シベリ/ア海」を作らない)。約物(括弧・句読点)の隣には四分アキを入れない。

和欧混植

境界は文字単位ではなく連(run)単位。数字で始まる欧文連は数量 → 詰める(この30日/2,274万人/1.1°C高い)。英字で始まる欧文連は語 → 四分アキ(NASA GISTEMP v4 の観測)。書体は組み分けない ── 和文を含む行は欧文連も同じ Noto の同じウェイトで組む(規則2)。例外は Noto に無い下付き数字だけで、CO₂ の ₂ は文字単位で Gotham に逃がす。行末に数字を残さない(追い出し)。縦組みは見出し・注釈に限り、数値軸と年ラベルは横組み固定(JLReq)。

05 — Contract

検査の契約

規範は文書に書いただけでは守られない。この台帳の 43 条のうち 28 条は機械が判定し、落ちたら画像も動画も書かれない(fail-closed)。 残り 15 条は機械が判定できない条項で、人が俯瞰で見る。 どちらであるかを条ごとに明記するのがこの章の仕事 ── 「守っているつもり」を無くす。 v2.0 で焦点(X-07)と基準の所在(X-09)が機械の側に移った。

工程ごと

工程条機械人
光を当てる Illuminate1284
焦点を結ぶ Focus13103
写し取る Capture16106
三つを貫く Across202

検査の入口(領域)ごと

領域条機械人
図 Figure1192
動き Motion1192
言葉 Voice1183
横断 Cross1028

全条項

id工程領域規範誰がいつ実装
X-01三つを貫く横断一つの発見が、図・動き・言葉の三つの現れ方を取る人card-
X-02光を当てる横断発見の前提は、発行のたびに検算する人cardforms.*.demo
X-03写し取る横断現れ方は発見の種類が決める。作り手が決めない人cardnorm.REVEAL_FOR
X-04写し取る横断二言語は同じ発見を運ぶ人card-
X-05三つを貫く横断検査に落ちた出力は生成されない人cardCard.save / motion.render
X-06光を当てる横断光を当てる ── データに対応しない要素を置かない人card-
X-07焦点を結ぶ横断焦点は一つ ── 前に出る発見は1枚に1つ機械cardCard._leads(bold の名指しを数える)
X-08焦点を結ぶ横断焦点は観察 ── 名づけて、決めない人card-
X-09焦点を結ぶ横断基準の所在 ── 立場は基準の選び方にだけ現れる機械cardCard.basis / norm._x09
X-10写し取る横断写し取る媒体 ── 質感・尺・判型は媒体が決める人card-
F-01光を当てる図作画が紙面を支配する機械card-
F-02光を当てる図凡例を置かない機械card-
F-03焦点を結ぶ図図の中に注釈が1つ以上ある機械card-
F-04光を当てる図色の系統は発散か順序の1系統だけ機械card-
F-05光を当てる図長さ・面積で量を表す型はゼロ起点機械card-
F-06光を当てる図グレースケールで生きる機械card-
F-07焦点を結ぶ図1枚1色相 ── 色は焦点にだけ機械card-
F-08光を当てる図1つの要素は1px 以上を占める機械card-
F-09光を当てる図軸・罫・格子は最小限。消して読めるなら消す人card-
F-10光を当てる図地図である必然性がある人card-
F-11光を当てる図区画を塗るなら、率・種類・回数のどれかを宣言する機械card-
M-01写し取る動き動きは情報を運ぶときだけ使う人video-
M-02写し取る動き現れ方は1枚に1つ機械video-
M-03写し取る動き現れ方は発見の種類が決める機械video-
M-04写し取る動き文字は現れるだけ人video-
M-05写し取る動き図中の注釈は、作画がその位置に届いたときに現れる機械video-
M-06写し取る動き速さは1つ(ease-out)機械video-
M-07写し取る動き止まる機械video-
M-08写し取る動き音は無い機械video-
M-09写し取る動き尺は 8〜20 秒機械video-
M-10写し取る動き静止版を必ず持つ機械video-
M-11写し取る動き束はデータの時間の順に現れ、焦点は最後機械video-
T-01焦点を結ぶ言葉観察のレジスターに立つ人card-
T-02焦点を結ぶ言葉見出しは文ではなく名指し機械card-
T-03焦点を結ぶ言葉結論の数字と術語は見出しに置かない機械card-
T-04焦点を結ぶ言葉landing は読み方を渡す。凡例の説明にしない機械card-
T-05光を当てる言葉出典に観測日がある機械card-
T-06焦点を結ぶ言葉使わない語がある機械card-
T-07焦点を結ぶ言葉同じものを2つの言葉で呼ばない機械card-
T-08焦点を結ぶ言葉本文の数量は、図でその量に使った色で組む人card-
T-09写し取る言葉和欧混植は組版で解く人card-
T-10写し取る言葉二言語で数量・日付・単位が一致する機械pair-
T-11焦点を結ぶ言葉図の中の言葉も、同じ台帳で書く機械card-

「いつ」の欄 ── card は1枚ごと(発行のたび)、pair は和文版と欧文版の対、 video は動く版を書き出す前と書き出したあとの2回。 動画は書いたあとにも実測で通す:最後のコマを書き出した MP4 から取り出して静止版と突き合わせ、 音声トラックの有無を ffprobe で見る。規範が実装から離れないための仕掛け。

06 — Finding → Form

発見の種類から型を引く

主キーは「伝えたい関係/発見」。FT Visual Vocabulary の 9 分類に Wilke の「不確かさ」と、方向性 v2.1 の「翻訳(analog)」を足した 11 カテゴリ。日本語ラベルは総務省統計局の語彙に寄せた。見た目から選ばない。読者の問いから選ぶ(Tableau「Start with questions」)。型の選び方はデータの選び方でもある — 8 型のうち 6 型が同じデータだった v0.1 は、型ごとに「その型でしか見えない発見」を持つデータへ差し替えた。

発見読者の問い既定の型台帳の実例(データ → 見出し)代替禁則
横断 Cross-cutting今いくつか数字の札マウナロア CO₂ → 「この数字は、一度も下がっていない」小さな多数数字を 4 つ並べて色分け
偏差 Deviation基準からどれだけ離れたか偏差の面/偏差の縞Niño 3.4 → 「7月の赤は、77年で最も高い」/気象庁 日本 → 「濃い赤の3本は、最後の3年」発散棒・アノマリーマップ基準に名前がない図
偏差(区画)その区画は、その区画の基準と比べてどうか区画の偏差GWIS ヨーロッパ → 「少ない年なのに、倍になった国がある」パーセンタイル階級マップ合計だけ見て各区画を見ない、基準を階級の真ん中に置く
推移 Change over timeいつから、どう変わったか折れ線(三本規則)/スパゲッティ+今年強調気象庁 日本 → 「太い線は、2013年からゼロの上」/GISTEMP 月別 → 「2026年は、7か月すべてが帯の上」面・スロープ・段で軸が伸びるスクロール(G2)4 本超の折れ線、波線省略、今年を年末まで延長
大小 Magnitudeどれくらい大きいか棒(ゼロ起点)未着手ロリポップ・翻訳比較切断軸、面積を半径で
順位 Ranking何が上で何が下か順序棒未着手ダンベル・バンプアルファベット順
割合 Part-to-whole全体のうちどれだけか積上げ棒/100%帯未着手ワッフル・ツリーマップ多分割の円、時間比較に複数円
散らばり Distribution値はどう散っているかヒストグラム/ストリップ未着手レインクラウド・人口ピラミッド箱ひげだけ(標本数を隠す)
関係 Correlation二つの量はつながっているか断面/散布USGS 東北沖 → 「西へ行くほど、震源は深い」接続散布因果の断定、二重軸、相関を書かない回帰線
地理 Spatialどこで起きているか世界: 比例シンボル(量)/コロプレス(率)/区画の種類(順序の無い区分)/点の集積(事象)/格子(回数)/縁の重ね(2時点)。狭い範囲: 地域の点図(1点に量ひとつ)/海峡(数十km)GWIS → 「広さの1位と、割合の1位は違う」/GWIS 地被別 → 「焼けているのは、森林ではない」/USGS → 「濃い点は、地震ではなく地震計の数」/NSIDC → 「いつもの氷より、ときどきの海が広い」/USGS 日本中部 → 「深い地震は、海溝の側に無い」/PortWatch → 「タンカーの割合がいちばん高い海峡」ドット密度・六角ビン・格子アノマリー・フローマップ絶対量のコロプレス、大きさの違う区画を回数で塗る、区分を1色相の濃淡で塗る、量の発見を地図で言う、点の濃さを事象の濃さと読む、縮尺を置かない
流れ Flow何から何へ移ったかサンキー(素材化)未着手(NYT「The Choking of Hormuz」が原型)ウォーターフォール・フローマップ双方向を 1 本で
不確かさ Uncertaintyどこまで確かか帯(分位・信頼区間)HadCRUT5 → 「帯がいちばん太いのは、戦争の年」/IF: 「点線が線に届くのは、2030年代」ファン・破線・ハッチング定義のない「誤差範囲」
翻訳 Analogその量は、人の尺度で何にあたるか暦の翻訳気象庁 東京 → 「東京の3月は、百年前の4月はじめ」場所の翻訳(気候帯)・身体の翻訳(暑い日数)別の物へ翻訳する(「東京ドーム何個分」)、量を消して翻訳だけ残す
横断(多数)全部同じか、順に変わるか、1 つだけ違うか小さな多数東京 12 か月 → 「東京は、寒い月ほど速く暖まった」連作(1 パネル 1 データセット)パネルごとに軸を変える

副キー

入力データの形(From Data to Viz)— 数値/カテゴリ/時系列/地理/ネットワーク × 変数の数 × 順序の有無。ファセット(Data Viz Project・Kirk)— 形(棒/線/点/面/円/地図/単位)と主エンコーディング(位置>長さ>角度>面積>色)。素材(v0.3)— この図で何が何に見立てられているか(年輪・水面・霧・標本・窓・計器)。型のページにはこの三つを書く。

07 — Forms

型の台帳

1型1ページ。図版はすべて engine/forms が実データ(気象庁・NOAA・Met Office・NASA・NSIDC・USGS・GWIS)から生成し、 見出しの前提は demo() が毎回検算する(崩れれば発行しない)。型ごとに「その型でしか見えない発見」を持つデータを選んだ。 v2.0 で全型を三つの工程で作り直した ── 焦点は一つ(太字と色を持つ名指しは 1 枚に 1 つ。記録年・山の名前・戻った海・12 個の数字は地の重さの注記へ)、 基準の所在(何と比べたか・何を含めないかを型が宣言し、図題か注記に書く)、データに対応しない要素を置かない。 翻訳(analog)カテゴリに「暦の翻訳」を新設。各型に「なぜこの数か」と「素材の言葉」を持たせ、欧文版と和文版を並べて置く。 v2.1 では全型に動く版を両言語で付けた ── 静止版はその最後のコマ(M-07 / M-10)。束のある型はデータの時間の順に現れ、焦点は最後(M-11)。 v2.2 で世界の地図の型を 3 つ足した ── コロプレス(率)(区画は率でしか塗らない)、点の集積(1点1事象。濃さに観測網の偏りが混じることを図の中に書く)、格子(回数)(同じ暦日の 12 枚を重ねて数える)。 v2.4 で狭い範囲の地図を 3 つ足して 18 型 ── 海峡(ホルムズ、数十km の縮尺で通過量を数える)、地域の点図(日本中部の震源、1 点に深さをひとつ)、区画の偏差(ヨーロッパの火、基準を階級の境目に置く)。 狭い範囲の地図は切った範囲と縮尺を型が持ち、枠のほうを範囲の縦横比に合わせる(forms/_geo.py)。残りの型は日次で足す(点線が未着手)。

偏差 Deviation — 基準(平年・目標・ゼロ)からどれだけ離れたか

偏差 — Deviation

偏差の縞 Warming Stripes Climate Stripes/縞

1本の縦縞が1期間。色だけで基準からの偏差を表し、軸を持たない。

なぜこの数か

「いつから変わったか」を、数字を読まずに一瞥で答えるため。128本の縞は、1本ずつ読む図ではなく、全体の色の重心が右に寄っていることを見る図。

素材の言葉

縞は年輪。1本が1年の木口で、色はその年の温度。紙に刷った縞は壁に掛かる年表になる。

Do — English edition
EN 図題に量と基準期間、端の年、焦点の縞に括線と一つの名指し、補助の位置は薄く
Do — 日本語版
JA 同じデータ・同じ作画・同じ寸法。変わるのは書体と、見出し・landing・出典の級数だけ
Don't
Don't 虹色で塗り、端の年も基準も書かず「色が暖かいほど暑い」と説明する
EN 動く版 12 秒・作画 5.4 秒。現れ方 sweep(データの時間で刷る)。最後のコマが左上の静止版(M-07)
JA 動く版 12 秒・作画 5.4 秒。現れ方 sweep(データの時間で刷る)。最後のコマが左上の静止版(M-07)

使う発見

  • 長い時系列の一瞥(100年以上)。「いつから変わったか」を一目で
  • 地点や対象ごとの比較(同じ基準・同じ色域で並べる)
  • ポスター・アイキャッチ。数字を読ませるのではなく、変化の形を見せる

使わない・代替

  • 日次の報告に単独で使わない(1本の差は読めない)→ 折れ線(三本規則)か偏差の面
  • 値そのものを読ませたい → 発散棒
  • 期間が短い(30本未満) → 縞が太くなり「柄」に見える → 棒

上限値

min_bars30
colors発散1系統・白中央
annotations_min1

入力データの形

1列の順序付き期間(年・月)× 1列の偏差値(基準からの差)

副カテゴリ・色の系統

推移/diverging

解剖図(G1 form 枠 936×764px)

  • 図題: 枠の左上、太字2行(量の名前/基準期間)。縞はその下
  • 縞: form 枠の幅いっぱい(936px)
  • 直接ラベル帯: 下端 14%(左に始点年、右に終点年)
  • 焦点の括線: 名指す縞の上に INK 1.4px の括線、その上に太字で「最後の3年 2023–25」。太字はこれだけ
  • 補助の位置: 「+1°C超が始まった年」に GRAY_LIGHT の縦罫と地の重さの注記。焦点と競わせない
  • 単位注記「1本=1年」: 下端の中央(端の年のあいだ)

作画規定

  • 色は発散(RdBu_r 系)、中央は白=基準期間の平均。範囲は ±max で対称にする
  • 端の年を必ず置く。中間の目盛りは置かない(縞は軸を持たない型)
  • 基準期間は図題の 2 行目に書く(「1991–2020年平均との差」)。出典にも繰り返す
  • 見出しは縞に見えているパターンを名指す(「濃い赤の3本は、最後の3年」)。数値の報告にしない。前提(上位3年=最後の3年)は demo() が検算する
  • グレースケールで並びが単調になるか確認する。偏差が非対称なら赤側が濃く出て、それで読める

動く版の現れ方

sweep — データの時間で刷る。横軸が 128 年。左から右へ刷ると、色の重心が右に寄っていく過程がそのまま見える。

参照例

  • Ed Hawkins / University of Reading — #ShowYourStripes
    軸も数字も捨てて、変化の形だけを残した原型。16色・基準期間・SD幅を注記に置く作法
  • Climate Central — Climate Shift / Stripes by city
    地点別に同じ色域で並べる「小さな多数」への展開
  • Berkeley Earth — Global Temperature Report
    縞を年報の導入図に使い、詳細は折れ線に譲る分担

実装

forms.stripes.draw(card, ax, years, values, focus=, mark_year=, mark_label=, title=, end_label=) demo: {'n': 128, 'vmax': 1.89}

偏差 — Deviation

基準線偏差の面 Surplus / Deficit Filled Line 偏差面/Anomaly area

基準線の上下を面で塗り分けた折れ線。偏差の向きと大きさと持続を同時に見せる。

なぜこの数か

「基準の上と下、どちらにどれだけ溜まったか」。偏差の向きだけでなく面積で持続を読ませるため。エルニーニョは山の高さより、赤が続いた月数が効く。

素材の言葉

赤い面は熱の貯金、青い面は借り。基準線は水面で、面はその上下に溜まった水。

Do — English edition
EN 基準線に名前を付け、上下を同じ明度の暖冷で塗る
Do — 日本語版
JA 同じデータ・同じ作画・同じ寸法。変わるのは書体と、見出し・landing・出典の級数だけ
Don't 基準を平均以外の値に動かして片側の面積を大きく見せる
EN 動く版 12 秒・作画 5.4 秒。現れ方 deviation(基準が先、偏差が後)。最後のコマが左上の静止版(M-07)
JA 動く版 12 秒・作画 5.4 秒。現れ方 deviation(基準が先、偏差が後)。最後のコマが左上の静止版(M-07)

使う発見

  • 基準(平年・ゼロ・目標)を上回る期間と下回る期間の対比
  • 偏差の「たまり方」(面積)を見せたいとき。縞よりも量が読める
  • 収支・貿易・水位など、正負に意味がある時系列

使わない・代替

  • 基準が意味を持たない量(絶対値の推移)→ 折れ線
  • 2系列の差を見せたい → 2系列間を塗る変種(別型)
  • 面積が量を意味しない(比率の推移など)と誤読される場合 → 折れ線

上限値

series1
colors発散1系統(上=暖、下=冷)
baseline必須・INK 1.4px(LW zero)、名前つき

入力データの形

1列の順序付き期間 × 1列の値。基準値(定数または系列)

副カテゴリ・色の系統

推移/diverging

解剖図(G1 form 枠 936×764px)

  • 図題: 枠の左上、太字2行(量の名前/基準期間)
  • 基準線: INK 1.4px、左端に基準の名前(「1981–2010年の平均」)
  • 面: 基準の上を暖色、下を寒色。輪郭線は引かない(面が主役)
  • 山の名前: 出来事を山の左肩に、面と同じ色の地の重さ(「1997–98」)。注記の層
  • 線末ラベル: 最新点に ● と「2026年7月 +1.73°C」── 1枚でこれだけが太字(焦点)
  • 目盛: 薄灰の横罫、左端に値。単位は最上段だけ(「+2°C」「+1」「0」「-1」「-2」)
  • 端の年: 下端に 1950 / 1975 / 2000 / 2025。右に 5 年の余白(札の置き場)

作画規定

  • 基準線は必ず名前を持つ。「0」ではなく「何の平均か」を書く
  • 縦軸は基準を含み、上下の余白は非対称でよい(データに従う)。ただし面は基準から塗る
  • 色は発散1系統。上下で明度が近い組(同じ明度の赤と青)を選び、面積の比較を歪めない
  • 山に出来事の名前(「1997–98」)を左肩に、最新点に ● と線末ラベル(「2026年7月 +1.73°C」)。届かなければ右に余白を取り、引き出し線で図題の右へ
  • Tufte の proportional ink: 面の量が値の量に比例していること。基準を動かして面を誇張しない

動く版の現れ方

deviation — 基準が先、偏差が後。答えているのは「基準と比べてどうか」。基準線が立つ前に差を見せると、何と比べたのか分からない。

参照例

実装

forms.surplus_deficit.draw(card, ax, x, y, baseline=, ylim=, ticks=, baseline_label=, title=, events=, end_label=, focus=) demo: {'above': 416, 'below': 503}

偏差 — Deviation

区画の偏差 Anomaly choropleth 平年比の塗り分け/アノマリーマップ(区画)

区画を、その区画自身の基準(参照平均・前年・目標)との比で塗る。分母が区画ごとに違う。

なぜこの数か

「多いのか少ないのか」は、合計では答えられない。分母が場所ごとに違うから、合計が基準を下回っていても、基準の倍の区画がありうる。合計だけを見ると、それが消える。

素材の言葉

濃さは、その区画がいつもの自分からどれだけ離れたか。地図は台紙で、基準は各区画の中にあって図の上には描かれない ── だから階級の境目に基準を置く。

Do — English edition
EN 基準を階級の境目に置いた 4 階級で塗り、合計の比と、最も離れた区画を書く
Do — 日本語版
JA 同じデータ・同じ作画・同じ寸法。変わるのは書体と、見出し・landing・出典の級数だけ
Don't 今年の絶対量を赤〜青の発散色で塗り、基準を凡例の中央に置く
EN 動く版 12 秒・作画 5.4 秒。現れ方 deviation(基準が先、偏差が後)。最後のコマが左上の静止版(M-07)
JA 動く版 12 秒・作画 5.4 秒。現れ方 deviation(基準が先、偏差が後)。最後のコマが左上の静止版(M-07)

使う発見

  • 同じ区画の基準(参照平均・前年・目標)が手元にあり、そこからの離れ方が発見のとき
  • 合計と各区画が逆を向いているとき
  • 絶対量では大国ばかりが目立ってしまうとき

使わない・代替

  • 基準が定義できない → コロプレス(率)
  • 区画の中の分布が発見 → 格子アノマリー
  • 基準からの離れ方を時系列で見たい → 基準線偏差の面・偏差の縞

上限値

fill率(rate)── 分母が区画自身の基準。区画の塗りは率・種類・回数の三つで、絶対量は選べない(F-11)
value基準との比(または差)。絶対量では塗らない
classes4階級まで
boundary**基準(比なら 1.0)が階級の境目に来ること**
denominator基準の小さい区画を落とす(ここでは 2万ha)。落とした条件を書く
hue1色相の順序スケール。基準の上下を色相で分けない(灰色で潰れる)
legend置かない。数字の格子が代わり

入力データの形

区画(ISO3)× 今期の量 × 同じ区画の基準

副カテゴリ・色の系統

地理、割合/sequential

解剖図(G1 form 枠 936×764px)

  • 図題: 枠の左上 2 行(何を何で割ったか/期間・地被・基準)
  • 地図: 枠の上 70%、緯度で横を補正した経緯度。基準の無い区画は #F2F2F2 のまま
  • 階級: 4 段(#CDD8E1 → #05396B)。2 段目と 3 段目の境目が基準(1.0)
  • 直接ラベル: 最も離れた区画に太字で 1 つ、次点を地の重さで 1 つ
  • 数字の格子: 枠の下、階級ごとの区画数 4 行(上が基準より上)

作画規定

  • **基準を階級の境目に置く。** 基準が階級の真ん中にあると、上か下かが色から読めない
  • 基準の上下を色相(赤/青)で分けない。灰色にすると同じ濃さになり、階級が消える(F-06)
  • 基準の小さい区画を落とす。分母が小さいと比が跳ねる。落とした条件を図題か出典に書く
  • 合計の比を必ず書く。各区画だけ見せると「全体でも増えている」と読まれる
  • **基準の期間と作り方を出典に書く。**「参照平均」は定義であって観測ではない。配布ファイルに期間が書かれていないときは、書かれていないことを書く
  • 絶対量では塗らない。それは区画の面積を量として読ませる(コロプレスと同じ誤り)

動く版の現れ方

deviation — 基準が先、偏差が後。基準が先、偏差が後。区画の形が台紙として立ってから、基準から離れた階級が順に乗る。比べる相手が無いうちに差を見せない。

参照例

実装

forms.anomaly_map.draw(card, ax, {ISO3: ratio}, bins=, extent=, title=, notes=, grid=) demo: {'painted': 22, 'europe': 0.517, 'top': 'FRA', 'top_ratio': 2.84, 'above': 3, 'countries': 22, 'week': 34}

推移 Change over time — いつから、どう変わったか

推移 — Change over time

折れ線(三本規則) Line — three-line rule 年々値・平滑・傾向/Annual / smoothed / trend

同じ系列を、年々の値(細)・平滑(太)・傾向(直線)の三本で重ねる。揺れと向きを同時に読ませる。

なぜこの数か

「揺れ」と「向き」を分けて読むため。年ごとの上下に目を奪われると傾きが見えず、傾きだけ見ると揺れの大きさを忘れる。三本で両方を持つ。

素材の言葉

細い線は波、太い線は潮、点線は海面の上昇。同じ海を三つの時間で見る。

Do — English edition
EN 三本に役割を与え、太線の末端に ● と値、細線と傾向は線の近くに名前
Do — 日本語版
JA 同じデータ・同じ作画・同じ寸法。変わるのは書体と、見出し・landing・出典の級数だけ
Don't
Don't 6本の月別系列を色分けし、凡例で読ませる
EN 動く版 12 秒・作画 5.4 秒。現れ方 sweep(データの時間で刷る)。最後のコマが左上の静止版(M-07)
JA 動く版 12 秒・作画 5.4 秒。現れ方 sweep(データの時間で刷る)。最後のコマが左上の静止版(M-07)

使う発見

  • 長期の推移で「揺れ」と「向き」を分けて見せたいとき
  • 傾きを数字で言いたいとき(「100年あたり +1.44°C」— 気象庁の単位)
  • 1系列の日次報告の既定。今日の値を、文脈(平滑・傾向)の中に置く

使わない・代替

  • 複数系列の比較 → 小さな多数(1パネル1系列)。4本を超える折れ線は置かない
  • 周期性がある日次データ → 日別スパゲッティ(今年強調+帯)
  • 基準からの偏差そのものを見せたい → 偏差の面

上限値

series1
lines3
smooth_window5年(気象庁)または 10年
trend有意(90%)な時だけ描く

入力データの形

1列の順序付き期間 × 1列の値。平滑窓と傾向の有無

副カテゴリ・色の系統

偏差/sequential

解剖図(G1 form 枠 936×764px)

  • 図題: 枠の左上、太字2行(量の名前/基準期間)
  • 細線: PAST 1.0px — 年々の値。名前は谷の下に薄く
  • 太線: INK 2.4px — 移動平均。末端に ● と値(「2023年までの5年平均 +1.04°C」)
  • 傾向: ACCENT 1.6px 点線。線の下に地の重さで「傾向 +1.44°C/100年」(焦点は太線の末端の一つだけ)
  • ゼロ線: GRAY_LIGHT 1.4px(偏差のとき)
  • 目盛: 薄灰の横罫+左端の値、単位は最上段だけ。年は下端

作画規定

  • 凡例を置かない。太線は末端に値、細線は山の上に薄い名前、傾向は線の下に太字(紙色の縁取り)
  • 折れ線のゼロ起点は必須ではない。ただし波線省略(軸の切断記号)は使わない
  • 欠測は線を切る。補間しない(気象庁)
  • 傾向線は統計的に有意なときだけ。有意でなければ描かず、見出しにも書かない
  • 太線が主役。細線は太線より明るく、太線より細く
  • 傾きの単位は読者の時間で(気象庁は「100年あたり」)

動く版の現れ方

sweep — データの時間で刷る。三本には順がある。年々の値が先に刷られ、その揺れの中を太い平均が通り、最後に一本の傾きが引かれる。揺れ → 潮 → 向き。

参照例

実装

forms.line_three.draw(card, ax, x, y, smooth=5, trend=True, ylim=, ticks=, per=, title=, end_label=) demo: {'trend': 1.435957814502835}

推移 — Change over time

スパゲッティ+今年強調 Highlighted year over past years Charctic 型/年別重ね/in One Chart

周期(1年)ごとに切った系列を重ね、今年だけに色を与え、平均を点線で通す。過去は薄い束。

なぜこの数か

「今年は過去のどこにいるか」。周期のある量は、平年からの差より「束の中の位置」で読むほうが早い。帯の外に出ていれば、それが発見。

素材の言葉

過去年の束は霧、今年の線はその中を進む一本の道。帯は道幅の平年値。

Do — English edition
EN 今年だけ色を持ち、線末に日付と値、平均は点線に直接ラベル、記録年は右半分の最大点の真上に名前、図題に量と基準
Do — 日本語版
JA 同じデータ・同じ作画・同じ寸法。変わるのは書体と、見出し・landing・出典の級数だけ
Don't 全年を色分けし、凡例で読ませ、今年を年末まで延長して描く
EN 動く版 14 秒・作画 7 秒。現れ方 sweep(データの時間で刷る)。最後のコマが左上の静止版(M-07)
JA 動く版 14 秒・作画 7 秒。現れ方 sweep(データの時間で刷る)。最後のコマが左上の静止版(M-07)

使う発見

  • 今年が過去と比べて記録的かどうか(海氷・気温・海洋熱量の日次/月次報告)
  • 季節周期の中での位置を見せたいとき
  • 「帯の外に出ている」「平均から離れている」という発見

使わない・代替

  • 周期のないデータ → 折れ線(三本規則)
  • 年ごとの違いを個別に読ませたい → 小さな多数
  • 3本以上を色分けして名指したい → 系列を減らすか小さな多数

上限値

colored_series1
named_lines今年・平均・(記録年)の3本まで
past_years1px 薄灰の束。名前を付けない
band使うなら分位を明記(10–90 / 25–75 パーセンタイル)
record_rule年末まで記録年に昇格させない(NSIDC)

入力データの形

周期内位置(日・月)× 年 の行列。今年の途中までの値は欠測(NaN)

副カテゴリ・色の系統

散らばり、不確かさ/sequential

解剖図(G1 form 枠 936×764px)

  • 図題: form 枠の左上、太字 24px・2 行(量の名前/基準期間)。見出しはパターン、図題は量
  • 今年: ACCENT 3.0px、最新点に ● 90pt、線末に同色太字で「7月 +1.23°C」
  • 平均: AVG #808080 1.6px 点線(2,3)、右端の線上に「平均 1950–2025」
  • 記録年: INK 1.6px 実線、山の上に地の重さで「記録年 2024」(太字にしない。焦点は今年)
  • 過去年: #D2D2D2 1.0px、名前なし
  • 帯: #EFEFEF、輪郭なし、右端に分位
  • 目盛: 横罫 #EBEBEB、左端に値。単位は最上段だけ。x は 1月/4月/7月/10月/12月

作画規定

  • 色を持つ線は1本だけ。過去年は束にして名前を付けない(R-7: 2013–2023 は 1px 薄灰)
  • 今年の線末に日付と値を同じ色の太字で書く。これで図が「更新可能な日次図」になる
  • 平均は点線。ラベルは線の上に直接。凡例は作らない
  • 図題に測った量と基準期間を書く(「月別の世界平均気温/1951–1980年平均との差」)
  • 今年は途中で止める。線を延ばさない。暫定データの範囲は出典に書く
  • 記録年は年が終わるまで暫定。見出しで「記録」と断定しない

動く版の現れ方

sweep — データの時間で刷る。データの時間は年。古い年から 1 本ずつ束が積み上がり、帯と平均がその要約として現れ、最後に今年の 1 本が束の上に刷られる。今年が束から出ていく瞬間は、束が先に無ければ見えない。

参照例

実装

forms.spaghetti.draw(card, ax, xs, matrix, this=, record=, band=, ylim=, ticks=, xlabels=, title=, this_label=) demo: {'years': 77, 'this': '2026', 'record': '2024', 'band': (10, 90), 'last': [7, 1.23]}

大小 Magnitude — どれくらい大きいか

順位 Ranking — 何が上で何が下か

割合 Part-to-whole — 全体のうちどれだけか

散らばり Distribution — 値はどう散っているか

関係 Correlation — 二つの量はつながっているか

関係 — Correlation

断面 Cross-section プロファイル/Depth section/Transect

位置の一軸(経度・距離)と量の一軸(深さ・高度)で切った散布。地図を捨てて、関係だけを残す。

なぜこの数か

「位置と量はつながっているか」。地図では重なって見えない奥行き(深さ)を、位置の一軸で切って見せる。沈み込む板の傾きが相関の数字になる。

素材の言葉

断面は地面を縦に切った土壌の標本。点は地中で鳴った音の位置。

Do — English edition
EN 向きを言葉で書き、傾きに相関を添え、深さを 0 から切らずに描く
Do — 日本語版
JA 同じデータ・同じ作画・同じ寸法。変わるのは書体と、見出し・landing・出典の級数だけ
Don't 地図に深さを色で載せ、凡例の色階調で読ませる
EN 動く版 12 秒・作画 5.4 秒。現れ方 sweep(データの時間で刷る)。最後のコマが左上の静止版(M-07)
JA 動く版 12 秒・作画 5.4 秒。現れ方 sweep(データの時間で刷る)。最後のコマが左上の静止版(M-07)

使う発見

  • 深さや高さが位置とどう関係するか(沈み込み帯・地形の横断・大気の鉛直分布)
  • 地図では重なって見えない「奥行き」を見せたいとき
  • 位置そのものより「位置と量の関係」が発見のとき

使わない・代替

  • どこで起きたかが発見 → 地図(ドット密度・比例シンボル)
  • 関係が弱い(相関が小さい・点が少ない)→ 出さない。cards.earth は r<−0.30 かつ n≥25 を発行条件にしている
  • 3変数目を色で足したくなる → 小さな多数

上限値

points25 以上(それ未満は傾きを描かない)
fit相関係数を必ず併記
encodings位置×2+大きさ(面積)まで。色は足さない

入力データの形

位置(数値)× 量(数値)× 任意の大きさ(数値)。範囲(xlim)

副カテゴリ・色の系統

地理、散らばり/sequential

解剖図(G1 form 枠 936×764px)

  • 図題: 枠の左上、太字2行(場所/範囲と条件)
  • 深さは下向き。0 を GRAY_LIGHT 線に、左端に「0 地表」。目盛の単位は最上段だけ(「50 km」)
  • 点: 白抜き・INK 1.5px 輪郭。大きさは面積で(半径にしない)。最大の1点だけ名前を添える(M・日付・深さ。地の重さ)
  • 傾き: ACCENT 1.6px 点線。点の範囲内だけに引く。ラベルは読者の単位で(「西へ1°ごとに約17km深い」)+点数と相関
  • 目盛: 50km ごとの薄灰の横罫。左端に値。横軸の端に「陸側 ← 東経138°」「東経146° → 海溝側」。傾きのラベルは線の下、左寄りの空きに(点の上に乗せない)

作画規定

  • 向きを言葉で書く(陸側/海溝側)。経度の数字だけでは読者は方角を想像できない
  • 回帰線は解釈なので、当てはまりの悪さ(相関)を一緒に書く
  • 断面の範囲は「一本の傾きで読める区間」に限定し、範囲を出典に書く
  • 深さの軸は切らない。0 から最深まで
  • 大きさは3段階以上の差が見えるように(M4.0 と M6.0 が一目で違う)

動く版の現れ方

sweep — データの時間で刷る。データの時間は発生順。地震が起きた順に点が置かれ、ばらばらに見えた点が 39 回で一本の傾きに揃っていく。傾きの線はその後に引かれる。

参照例

実装

forms.section.draw(card, ax, x, depth, size, xlim=, dmax=, fit=True, left_label=, right_label=, title=, mark=) demo: {'n': 39, 'r': -0.5494909107554147, 'slope': -16.771960679947554}

地理 Spatial — どこで起きているか

地理 — Spatial

比例シンボル地図 Proportional symbol map Graduated symbol map/円の地図

場所ごとの量を、その場所に置いた円の面積で表す。色ではなく大きさで量を運ぶ地図。

なぜこの数か

「どこで、どれだけ」を1枚で答えるため。コロプレス(塗り分け)は国の面積に量が引きずられるが、円の面積は国の広さと無関係に量だけを表す。

素材の言葉

円は積み上げた量そのもの。地図は台紙で、円は台紙の上に置かれた駒。凡例を置く代わりに、下に数字の格子(GLACIES LIQUOR #1 の年×面積の並び)を敷いて、大きさと数字を突き合わせられるようにする。

Do — English edition
EN 正積図法に面積比例の円、最大の円だけ強調、下に上位 8 の数字の格子
Do — 日本語版
JA 同じデータ・同じ作画・同じ寸法。変わるのは書体と、見出し・landing・出典の級数だけ
Don't メルカトル図法に半径比例の円を置き、右下に 3 段の円の凡例を添える
EN 動く版 12 秒・作画 5.4 秒。現れ方 spatial(地が先、量が後)。最後のコマが左上の静止版(M-07)
JA 動く版 12 秒・作画 5.4 秒。現れ方 spatial(地が先、量が後)。最後のコマが左上の静止版(M-07)

使う発見

  • 国・地点ごとの絶対量を並べたい(焼失面積・排出量・発電量・人口)
  • 上位の数か国に量が集中していて、その集中そのものが発見のとき
  • 面積の違う国を比べるとき(コロプレスは大国を過大に見せる)

使わない・代替

  • 率・密度を見せたい(人口あたり・面積あたり)→ コロプレス
  • 位置に意味がなく順位だけが発見 → 発散棒・ランキング
  • 上位と下位の比が 1000 倍を超える → 円が読めない。対数は面積の直感を壊すので、上位だけの数字の格子にする

上限値

symbols円の面積 ∝ 量(半径 ∝ √量)
max_radius版面の 1/12 まで
projection正積(Equal Earth / Mollweide)。メルカトルは使わない
legend置かない。数字の格子が代わり
grid_rows8

入力データの形

場所(ISO3 か 経緯度)× 量 の1列

副カテゴリ・色の系統

大小/sequential

解剖図(G1 form 枠 936×764px)

  • 図題: 枠の左上 2 行(量の名前/期間と定義)
  • 地図: 枠の上 62%、Equal Earth 正積図法。陸は #F2F2F2 の面、境界は紙色 0.6px。格子線・軸は引かない
  • 円: INK の輪郭 1.4px、塗りなし。面積が量に比例。最大の円だけ ACCENT
  • 数字の格子: 枠の下、上位 8 を 2 列 × 4 行。国名(左)と値(右揃え・タブラー)
  • 単位: 格子の 1 行目の値にだけ添える
  • 円の読み方: 格子の右上に 1 行(「円の面積=焼けた広さ」)

作画規定

  • 正積図法を使う。面積で量を表す図で図法が面積を歪めていたら二重に嘘になる
  • 円の面積を量に比例させる(半径に比例させると上位が 10 倍誇張される)
  • 最小の円に下限を設けない。小さい国は小さく描く。読めない大きさなら、それは「読めるほど燃えていない」
  • 凡例を置かない。最大の円を数字の格子の 1 行目に置き、名前と値を直接読ませる
  • 「森林火災」と「焼失面積」を混同しない。GWIS の焼失面積は全地被で、森林はその 1 割未満。図題と出典に地被の範囲を書く
  • 上位 8 か国で全体の 6 割を占めるような分布のときだけ使う。均等に散っているなら地図にする意味がない

動く版の現れ方

spatial — 地が先、量が後。地図は作画ではなく台紙。陸が現れてから、量が大きい順に着地する。左から右へ拭くと地理が順序に見えてしまう。

参照例

実装

forms.symbol_map.draw(card, ax, {ISO3: value}, title=, top=, unit=, fmt=, name_of=, mark=) demo: {'countries': 162, 'max': 19483512.0, 'top': ['COD', 'AGO', 'AUS', 'SSD', 'ZMB', 'RUS', 'CAF', 'MMR'], 'world': 144453300.0, 'africa_share': 0.571, 'week': 34, 'forest_share': 0.074}

地理 — Spatial

コロプレス(率) Choropleth of rates 塗り分け地図/階級区分図

区画を、その区画の中の率(割合・密度)で塗る。分母を持たない量では塗らない。

なぜこの数か

「その場所ではどれだけか」を答えるため。量で塗ると、読者は塗られた面積を量として読んでしまう ── 広い国が濃く見えるだけの図になる。

素材の言葉

塗りは区画そのものの濃さ。国の形は台紙で、濃さだけが値。だから濃さの意味は「面積あたり」でなければ嘘になる。

Do — English edition
EN 正積図法に率を 5 階級、値の無い区画は塗らず、下に割合の上位 8 の数字の格子
Do — 日本語版
JA 同じデータ・同じ作画・同じ寸法。変わるのは書体と、見出し・landing・出典の級数だけ
Don't 絶対量を連続グラデーションで塗り、右下に色の帯の凡例を添える
EN 動く版 12 秒・作画 5.4 秒。現れ方 spatial(地が先、量が後)。最後のコマが左上の静止版(M-07)
JA 動く版 12 秒・作画 5.4 秒。現れ方 spatial(地が先、量が後)。最後のコマが左上の静止版(M-07)

使う発見

  • 面積あたり・人口あたり・全体に占める割合が発見のとき
  • 同じデータの絶対量を別の型(比例シンボル地図)で見せていて、順位が入れ替わるとき
  • 区画の境界そのものに意味があるとき(政策・統計の単位)

使わない・代替

  • 絶対量を見せたい → 比例シンボル地図(円の面積)。区画の塗りは絶対量を運べない
  • 運ぶのが順序の無い区分(どの型か・何が一番か)→ 区画の種類(category_map)
  • 運ぶのが回数 → 大きさの揃った格子で数える(grid_count)。国や県では回数を率に直す
  • 区画に意味がなく事象の位置が発見 → 点の集積
  • 区画ごとの標本が小さく率が跳ねる → 分母の下限を切るか、順位棒にする

上限値

fill率(rate)。区画の塗りは率・種類・回数の三つで、絶対量は選べない(F-11)
value率・割合・密度のみ。絶対量では塗らない
classes5階級まで。連続グラデーションにしない
hue1色相の順序スケール(白→#05396B)
projection正積(Equal Earth)
denominator分母の下限を切る(ここでは国土1万km²)
legend置かない。数字の格子が代わり

入力データの形

区画(ISO3)× 率 の1列と、同じ区画の分母(面積・人口)

副カテゴリ・色の系統

割合、順位/sequential

解剖図(G1 form 枠 936×764px)

  • 図題: 枠の左上 2 行(率の名前/期間・地被・分母)
  • 地図: 枠の上 56%、Equal Earth 正積図法。値の無い区画は #F2F2F2 のまま(0 と欠測を同じ色にしない)
  • 階級: 5 段(#E4EAF0 → #05396B)。境界は紙色 0.6px
  • 数字の格子: 枠の下、割合の上位 8 を 2 列 × 4 行。1 位の値だけ太字
  • 注記: 「広さの上位だが割合は低い」国を地の重さで地図の上に 2 つまで

作画規定

  • **この型は率で塗る。塗れないのは絶対量。** 区画の面積が量として読まれる二重の嘘になる。区画の塗りが運べるのは率・種類・回数の三つで、どれかを宣言してから塗る(F-11)
  • 回数を国や県に塗らない。回数で塗れるのは区画の大きさが揃っているとき(固定格子)だけ ── 大きさが違えば、広い区画が濃く見えるのは絶対量と同じこと
  • 階級は 5 つまで。連続グラデーションは、読者に色から値を逆算させる(凡例を作らないと読めない = F-02 に反する)
  • 分母の下限を切り、切った条件を図題か出典に書く(X-09)。小さな島嶼は率が跳ねる
  • 値の無い区画は塗らない。0 と欠測を同じ色にしない
  • 正積図法を使う。塗った面積が図法で歪むと、階級の見かけの量が変わる
  • 同じデータの絶対量の型(比例シンボル地図)と組で読ませる。片方だけでは順位の入れ替わりが見えない

動く版の現れ方

spatial — 地が先、量が後。区画の形が先に台紙として現れ、そのあとに濃い階級から順に値が着地する。塗りが左から右へ拭かれると、区画の並びが順序に見えてしまう。

参照例

  • Mark Monmonier — How to Lie with Maps
    コロプレスは率で塗る、階級の切り方が結論を変える ── 地図の嘘の教科書
  • Our World in Data / GWIS (Copernicus) — Wildfires
    同じ焼失面積を絶対量と率の両方で出す。順位が入れ替わることを図で見せている
  • Natural Earth — Admin 0 — Countries (110m)
    分母の国土面積は、地図と同じ正積投影の幾何から出す(別統計を混ぜない)

実装

forms.choropleth.draw(card, ax, {ISO3: rate}, breaks=, title=, grid=, notes=) demo: {'countries': 158, 'top_rate': 'GIN', 'top_area': 'COD', 'rate_max': 0.1357, 'rate_of_top_area': 0.0839, 'week': 34}

地理 — Spatial

区画の種類 Categorical map 区分の塗り分け/最頻区分図/Categorical choropleth

区画を、順序を持たない区分で塗る。色は量ではなく、区分の名前。

なぜこの数か

「どこがどれだけか」ではなく「どこがどれか」が発見のとき。率でも回数でもなく、区分そのものが答えになる図がある ── 一番になった種類が場所によって入れ替わる、という発見。

素材の言葉

色相が区分の名前で、濃さは意味を持たない。区画の形は台紙、色は名札。だから名前を色見本ではなく、その色の区画の上に直接置く。

Do — English edition
EN 正積図法に4区分を4色相で塗り、区分名をその区画の上に直接置き、下に区分ごとの国数
Do — 日本語版
JA 同じデータ・同じ作画・同じ寸法。変わるのは書体と、見出し・landing・出典の級数だけ
Don't 順序の無い区分を1色相の濃淡で塗り、右下に色見本の凡例を置く(濃いほうが多いと読まれる)
EN 動く版 12 秒・作画 5.4 秒。現れ方 spatial(地が先、量が後)。最後のコマが左上の静止版(M-07)
JA 動く版 12 秒・作画 5.4 秒。現れ方 spatial(地が先、量が後)。最後のコマが左上の静止版(M-07)

使う発見

  • 区画ごとの「どれが一番か」が発見のとき(最も焼けた地被・最も多い電源・最頻の風向)
  • 区分の数が4つ以下で、区分に順序が無いとき
  • 同じデータの率の図(コロプレス)と並べて、量と区分の食い違いを見せたいとき

使わない・代替

  • 区分に順序がある(少ない→多い、低い→高い)→ 率の階級(コロプレス)
  • 区分が5つ以上 → 上位3区分+その他にするか、区分ごとに2図に分ける
  • 運ぶのが量そのもの → 比例シンボル地図。区画の塗りは絶対量を運べない
  • 区画の中の内訳が発見 → 積み上げ棒の小さな多数。地図は「どこ」しか言えない

上限値

fill種類(category)。宣言してから塗る(F-11)
classes4区分まで
hue区分ごとに別の色相。**同じ色相帯に2区分を置かない**(F-07 の例外規定)
value濃さに意味を持たせない。ただし刷るために明度は24以上ずつ離す(F-06)
projection正積(Equal Earth)
legend置かない。区分の名前を区画の上に直接置く

入力データの形

区画(ISO3)× 区分キー の1列。区分は順序の無い有限集合

副カテゴリ・色の系統

割合/categorical

解剖図(G1 form 枠 936×764px)

  • 図題: 枠の左上 2 行(何の区分か/期間と「色は区分であって量ではない」)
  • 地図: 枠の上 60%、Equal Earth 正積図法。値の無い区画は #F2F2F2 のまま
  • 塗り: 4 区分・4 色相(#B39156 / #05396B / #1A7F6B / #D9B9BD)。境界は紙色 0.6px
  • 直接ラベル: 区分ごとに1つ、その区分でいちばん**太い**区画の上に地の重さで(面積÷周長)
  • 数字の格子: 枠の下、区分ごとの国数 2 列 × 2 行。焦点の区分(森林)だけ太字

作画規定

  • **塗る前に「種類」と宣言する(F-11)。** 同じ塗り分けが率にも回数にも見えるので、何を運ぶ色かをコードの側で決めておく
  • **区分ごとに色相を分ける。** 同じ色相の濃淡で区分を塗ると、色が量に見える ── 読者は濃いほうが多いと読む
  • 区分は4つまで。5つ目からは色相が隣り合い、区分が読み分けられなくなる
  • 濃さに意味を持たせない。ただし明度は24以上ずつ離す ── 刷ったときと、色が見えない読者のため
  • **凡例を置かず、区分の名前をその区分の区画の上に置く。** 離れた色見本は視線を往復させる(F-02)。置く先は面積の1位ではなく幅の1位 ── 細長い区画に名前を載せると、文字がはみ出して隣を指す
  • 同率のときの決め方(僅差をどう扱うか)を出典に書く。1年だけで決めると当たり年で区分が入れ替わる

動く版の現れ方

spatial — 地が先、量が後。区画の形が台紙として現れてから、区分が順に乗る。色に順序が無いので、置く順は区分の並び(出典の分類の順)で、濃い順ではない。地図を左から右へ拭くと、区分が地理の順に決まったように見えてしまう。

参照例

  • GWIS (Copernicus) / Our World in Data — Area burned by wildfires by land cover type
    焼失面積を地被(低木・草地/サバンナ/森林/農地)に分けた原データ。区分は出典の分類をそのまま使う
  • Cynthia Brewer — ColorBrewer — Qualitative schemes
    順序の無い区分に使う配色の設計。色相で分け、明度は揃えるのが定石だが、SORAH は刷りと色覚のため明度も離す
  • Mark Monmonier — How to Lie with Maps
    区分の切り方そのものが結論を作る。区分は出典の分類に従い、こちらで作らない

実装

forms.choropleth.draw(card, ax, {ISO3: 区分}, kind='category', classes=, colors=, notes=, grid=) demo: {'countries': 159, 'counts': {'shrub_grass': 62, 'savanna': 52, 'forest': 17, 'cropland': 40}, 'years': [2021, 2025], 'forest': 17, 'total': 171}

地理 — Spatial

点の集積 Dot map ドットマップ/事象点図/1点1事象

1点が1事象。位置だけを写し、大きさも色も持たせない。集まりが形を作る。

なぜこの数か

「どこで起きているか」を、区画に集計せずに答えるため。国や州で塗ると、境界線が形を決めてしまう。点なら、形はデータが決める。

素材の言葉

点は事象そのもの。地図は台紙で、線は1本も引かれていない ── それでも板の縁が現れる。現れた形は描かれたものではなく、集まった結果である。

Do — English edition
EN 正積図法に 1 点 1 事象、完全性のある部分集合だけ色を持たせ、検出能の境目を図の中に書く
Do — 日本語版
JA 同じデータ・同じ作画・同じ寸法。変わるのは書体と、見出し・landing・出典の級数だけ
Don't 全事象を同じ色で置き、濃い所を「地震が多い場所」と読ませる
EN 動く版 12 秒・作画 5.4 秒。現れ方 spatial(地が先、量が後)。最後のコマが左上の静止版(M-07)
JA 動く版 12 秒・作画 5.4 秒。現れ方 spatial(地が先、量が後)。最後のコマが左上の静止版(M-07)

使う発見

  • 事象の位置そのものが発見のとき(地震・落雷・観測地点・出火点)
  • 区画(国・州)に集計すると形が消えるとき
  • 「集まりの濃さ」に観測の偏りが混じっていて、それ自体を書きたいとき

使わない・代替

  • 事象が多すぎて紙が黒くなる → 格子(六角ビン・ヒートマップ)
  • 区画ごとの率が発見 → コロプレス
  • 1点あたりの量が違う → 比例シンボル地図

上限値

dot1点 = 1事象。大きさで量を運ばない
dot_size1.6〜5pt。重なりが濃さになる大きさ
projection正積(Equal Earth)。点の密度を図法で歪めない
series2つまで(全体と、完全性のある部分集合)
legend置かない。地図の上に直接書く

入力データの形

事象ごとの経緯度の列(+完全性の判定に使う量。地震ならマグニチュード)

副カテゴリ・色の系統

散らばり、不確かさ/sequential

解剖図(G1 form 枠 936×764px)

  • 図題: 枠の左上 2 行(何の点か/1点の意味と色の境目)
  • 地図: 枠の上 80%、Equal Earth 正積図法。陸は #F2F2F2、境界は紙色 0.6px
  • 点(全体): #B5B5B5 1.6pt、輪郭なし。重なりが濃さになる
  • 点(完全性のある部分集合): ACCENT 5pt。1枚に1色
  • 直接ラベル: 濃い塊の上に太字で1つ、観測網の薄い側に地の重さで1つ
  • 凡例: 置かない。色の意味は図題の2行目が持つ

作画規定

  • 1点は1事象。大きさを量に使わない(それは比例シンボル地図の仕事)
  • 正積図法を使う。メルカトルは高緯度の点をばらけさせる
  • **検出能の境目を図の中に書く。** カタログの点の濃さは、事象の濃さと観測網の濃さの積である。どこから先が世界共通の記録かを `basis()` で宣言し、図題か注記に書く(X-09)
  • 点を間引くなら間引き方を出典に書く。ここでは間引いていない
  • 境界線・板の縁・海岸線を上書きしない。点が形を作るのに、線を足すと点が要らなくなる
  • 「地震が多い場所」と読ませない。図が答えるのは「記録された地震がどこにあるか」

動く版の現れ方

spatial — 地が先、量が後。地図は作画ではなく台紙。陸が現れてから点が着地する。左から右へ拭くと、地震が西から東へ起きたように見えてしまう。

参照例

  • USGS Earthquake Hazards Program — Latest Earthquakes
    全事象を点で置き、大きさをマグニチュードに割り当てる公式実装。完全性の注意書きを別ページに置く作法
  • Charles Joseph Minard / John Snow — Broad Street cholera map (1854)
    点の集積の原型。区画に集計せず1件1点で置いたから、井戸が中心に見えた
  • SORAH inc. — AQUA FLUXUS — River World Map
    河川だけで世界地図を成立させる。境界線を引かずに地理が現れる構造は同じ

実装

forms.dot_map.draw(card, ax, lon, lat, complete=, title=, notes=) demo: {'points': 10861, 'complete': 627, 'us_small': 0.998, 'us_big': 0.008, 'month': '2026-08'}

地理 — Spatial

地域の点図 Regional dot map 広域図の逆/範囲を切った点図

範囲を狭めた地図に事象を点で置き、1 点に量をひとつだけ持たせる(色の階級で)。

なぜこの数か

世界の縮尺では点が重なって量を読み分けられないが、範囲を狭めれば点が分離する。「どこで」と「どれくらいか」を同時に読ませられるのは、この縮尺だけ。

素材の言葉

点は事象そのもの、濃さはその深さ。地図は台紙で、線は引かれていない ── 濃い点が集まる側と、集まらない側の境目が、そのまま地下の形になる。

Do — English edition
EN 範囲を切って緯度補正した地図に、深さ 4 階級の点。縮尺と、階級ごとの回数の格子
Do — 日本語版
JA 同じデータ・同じ作画・同じ寸法。変わるのは書体と、見出し・landing・出典の級数だけ
Don't 世界地図のまま日本を拡大し、点の大きさをマグニチュード、色を深さに割り当てる
EN 動く版 12 秒・作画 5.4 秒。現れ方 spatial(地が先、量が後)。最後のコマが左上の静止版(M-07)
JA 動く版 12 秒・作画 5.4 秒。現れ方 spatial(地が先、量が後)。最後のコマが左上の静止版(M-07)

使う発見

  • 範囲の中で量が場所によって変わり、その変わり方が発見のとき(震源の深さ・観測地点の値)
  • 「この線から向こうには無い」という境目が発見のとき
  • 世界地図では点が潰れるが、狭めれば読めるとき

使わない・代替

  • 範囲が世界大 → 点の集積(1点1事象、量を持たせない)
  • 量が場所ではなく区画に属する → コロプレス
  • 断面(深さ×距離)が発見 → 断面。地図は「どこ」、断面は「どれだけ」

上限値

classes4階級まで。連続グラデーションにしない
dot1点 = 1事象。大きさは使わない
extent経度・緯度で切り、切った範囲を図題と出典に書く
aspect緯度で横を補正する(正距円筒のまま描かない)
scalebar狭い範囲の地図には縮尺を置く
legend置かない。数字の格子が代わり

入力データの形

事象ごとの経緯度と、1 点が持つ量(深さ・値)の列

副カテゴリ・色の系統

散らばり、関係/sequential

解剖図(G1 form 枠 936×764px)

  • 図題: 枠の左上 2 行(何の点か/範囲・期間・下限)
  • 地図: 枠の上 66%、緯度で横を補正した正距円筒。陸は #F2F2F2、海は紙
  • 点: 14pt、4 階級(#CDD8E1 → #05396B)。輪郭なし
  • 直接ラベル: 境目の内側に太字で 1 つ、外側に地の重さで 1 つ
  • 縮尺: 左下に 100km の線と数字
  • 数字の格子: 枠の下、階級ごとの回数 4 行

作画規定

  • **範囲を切った条件を図題と出典に書く。** 狭めたことが結論を作る
  • 緯度で横を補正する。日本の緯度で補正しないと、東西が 1.2 倍伸びる
  • 縮尺を置く。世界地図には要らないが、狭い範囲では読者が距離の見当を持たない
  • 階級は 4 つまで。点の色から値を逆算させない(それは凡例が要る図= F-02 違反)
  • 点の大きさを別の量に使わない。1 点が持つ量は 1 つだけ
  • カタログの下限(ここでは M4.0)を書く。小さい地震が無いのは、起きていないからではない

動く版の現れ方

spatial — 地が先、量が後。陸が台紙として現れてから、深い階級の点が先に、浅い階級が後に着地する。地図を左から右へ拭くと、地震が西から東へ起きたように見えてしまう。

参照例

実装

forms.region_dots.draw(card, ax, lon, lat, values, bins=, labels=, extent=, title=, notes=, grid=) demo: {'points': 2947, 'deep': 246, 'east': 1796, 'deepest_east': 130.5, 'years': [2016, 2026]}

地理 — Spatial

格子(回数) Grid of counts 頻度マップ/重ね合わせの回数/occurrence grid

同じ格子の地図を何枚も重ね、マスごとに条件を満たした回数を数えて塗る。

なぜこの数か

「いつ動いたか」ではなく「どのくらいの頻度でそうだったか」を答えるため。2枚の比較は変化の向きしか出せないが、回数は毎回・ときどき・一度も、の3つの面に分けてくれる。

素材の言葉

1枚の地図が1回の観測。重ねた束の厚みがそのままマスの濃さになる。写真を12枚重ね焼きしたとき、いつも写っていたものだけが濃く残るのと同じ。

Do — English edition
EN 同じ暦日の n 枚を重ねて回数を 4 階級で塗り、毎回とときどきの面積を両方書く
Do — 日本語版
JA 同じデータ・同じ作画・同じ寸法。変わるのは書体と、見出し・landing・出典の級数だけ
Don't 日付の違う地図を重ねて連続色で塗り、右下に 0〜12 のカラーバーを置く
EN 動く版 12 秒・作画 5.4 秒。現れ方 spatial(地が先、量が後)。最後のコマが左上の静止版(M-07)
JA 動く版 12 秒・作画 5.4 秒。現れ方 spatial(地が先、量が後)。最後のコマが左上の静止版(M-07)

使う発見

  • 同じ格子・同じ暦日の観測が何枚もあるとき(海氷・積雪・氾濫・雲)
  • 「毎回」と「一度も」の間の面積が発見のとき
  • 2枚の比較(縁の重ね)では、たまたまの年に引きずられるとき

使わない・代替

  • 枚数が3枚以下 → 縁の重ね(compare)
  • 回数ではなく量の平均が発見 → 格子アノマリー
  • 格子が揃っていない(投影・解像度が違う) → 先に揃える。揃わないなら重ねない

上限値

fill回数(count)。**マスの大きさが揃っているから回数で塗れる**。大きさの違う区画(国・県)では回数を率に直す(F-11)
classes4階級まで(0 を含めない)。回数をそのまま連続色にしない
hue1色相の順序スケール
maps4枚以上。枚数を図題に書く
date同じ暦日で揃える(季節を混ぜない)
legend置かない。数字の格子が代わり

入力データの形

同じ格子・同じ暦日の 2 値ラスタを n 枚(と陸のマスク)

副カテゴリ・色の系統

散らばり、不確かさ/sequential

解剖図(G1 form 枠 936×764px)

  • 図題: 枠の左上 2 行(何を数えたか/枚数・期間・マスの大きさ)
  • 地図: 枠いっぱい、極ステレオ(70°N 正角)。海は紙、陸は #ECECEC
  • 階級: 4 段(#CDD8E1 → #05396B)。回数の多い面ほど濃い
  • 直接ラベル: 芯(毎回)に太字で 1 つ、その外側(ときどき)に地の重さで 1 つ
  • 数字の格子: 左下、階級ごとの面積 4 行

作画規定

  • **同じ暦日で揃える。** 日付の違う地図を重ねると、季節が回数に化ける
  • 0 回のマスは塗らない。一度も無かった海と、地図の外を同じ色にしない
  • 階級は 4 つまで。回数は整数なので連続色にする理由がない
  • 枚数と期間を図題に書く。12 枚の 5 年おきと 12 枚の連年では、同じ「12回」の意味が違う
  • 「毎回」の面積と「ときどき」の面積を両方書く。芯だけ見せると、退いた分が消える
  • 格子の投影を変えない。面積を数える図で再投影すると、マスの大きさが場所で変わる

動く版の現れ方

spatial — 地が先、量が後。海と陸が先に台紙として現れ、そのあと回数の多い面から順に着地する。回数は場所の性質であって時間の順ではないので、左から右へ拭かない。

参照例

  • NSIDC — Sea Ice Index (G02135)
    同じ 25km 格子・同じ暦日の extent を年ごとに配る。重ねて数えられるのは格子が固定されているから
  • NASA Earth Observatory — Arctic sea ice minimum, year by year
    同じ日の氷を年ごとに並べる作法。並べるのと重ねて数えるのは別の問いに答える
  • SORAH inc. — GLACIES LIQUOR #1 — Arctic Ice Transition
    年と面積の格子を版面に敷く。数字の格子が凡例を兼ねる構造をこの型でも使う

実装

forms.grid_count.draw(card, ax, counts, land_mask, n=, bins=, labels=, title=, notes=, grid=) demo: {'n': 12, 'years': [1980, 2025], 'always_km2': 2721875, 'some_km2': 5649375, 'maps': 12}

地理 — Spatial

海氷の縁の重ね Sea-ice edge overlay 氷縁図/Extent map with median edge

極ステレオ図法の上に今日の氷を面で置き、基準(中央値や過去の同日)の縁を一本の線で重ねる。

なぜこの数か

「どこの海が開いたか」。面積の数字は線グラフに任せ、地図は場所だけを答える。海ごとに数えてから見出しを書く。

素材の言葉

白い面は今日の氷。オレンジの線は16年前の岸。線と面の隙間が、開いた海。

Do — English edition
EN 今日の氷を白面で、基準の縁を一本のオレンジ線で、海ごとに数えて開いた海と戻った海に面積を添える
Do — 日本語版
JA 同じデータ・同じ作画・同じ寸法。変わるのは書体と、見出し・landing・出典の級数だけ
Don't 複数年の縁を色分けして重ね、凡例で読ませ、面積の差を地図で言う
EN 動く版 12 秒・作画 5.4 秒。現れ方 compare(参照が先、今が後)。最後のコマが左上の静止版(M-07)
JA 動く版 12 秒・作画 5.4 秒。現れ方 compare(参照が先、今が後)。最後のコマが左上の静止版(M-07)

使う発見

  • 今日の氷が、平年や過去と比べてどこで退いたか(場所が発見)
  • 面積の数字ではなく「どの海が開いたか」を見せたいとき
  • 日次の海氷報告の地図版(量は線グラフに譲る)

使わない・代替

  • 失われた量そのものが発見 → 折れ線(ゼロ起点)。地図は面積を読ませない
  • 複数の年を重ねたい → 縁線は2本まで。それ以上は小さな多数
  • 全球を見せたい → 極ステレオは極域専用。全球は Robinson

上限値

edge_lines2
projection極ステレオ(70°N 正角、EPSG:3411/3413)
threshold密接度15%

入力データの形

極ステレオ格子(0=海 1=氷 253=海岸 254=陸)× 2枚(今日・基準)

副カテゴリ・色の系統

偏差、推移/sequential

解剖図(G1 form 枠 936×764px)

  • 地: 海 #DCE6EE、陸 #F0F0F0、氷 白。データは3値だけ
  • 今日の縁: INK 1.0px(LW past)
  • 基準の縁: オレンジ #E8721C 2.4px(LW main。NSIDC・極地研の慣例色)
  • 図題: 枠の左上、太字2行(「北極の海氷/今日の氷と、16年前の同じ季節の縁」)。「今日の氷」「基準の縁」の名前は左下(大西洋側の空き)に直接、凡例は置かない
  • 海の名前: 地図の上に薄く。開いた海だけ太字で面積(「東シベリア海 −16万km²」=焦点)。戻った海はオレンジの地の重さで面積を添える
  • 右下に投影の注記(「北極を上から見た図」)

作画規定

  • 基準期間と閾値(15%)を出典に必ず書く。機関で基準が違う(NSIDC 1981–2010/JAXA 2010–2019/C3S 1991–2020)
  • 縁線のオレンジは慣例。SORAH の VI 色ではないが、科学側の読者が知っている色を優先する
  • 極ステレオの歪みを注記する。面積の比較には使わない
  • 海岸線は描かない(データの 253/254 で陸が見える)。ベースマップは無彩色
  • 見出しは「どこが開いたか」を言う。「内側に縮んだ」は海ごとに数えてから書く(戻った海があるのが普通)
  • 面積の合計は線グラフの側で言う。地図では海ごとの差だけ

動く版の現れ方

compare — 参照が先、今が後。16 年前の縁が先に置かれ、そのうえに今日の氷が重なる。読者が引き算をする順番と同じ。

参照例

実装

forms.ice_edge.draw(card, ax, grid_today, grid_ref, label_today=, label_ref=, crop=, title=, labels=) demo: {'today_cells': 7464, 'ref_cells': 7841, 'net': {'ボーフォート海': 6.2, 'チュクチ海': 7.6, '東シベリア海': -15.9, 'ラプテフ海': 5.0, 'カラ海': -9.9, 'バレンツ海': -11.8, 'グリーンランド海': -4.0, 'カナダ多島海': 2.8}}

地理 — Spatial

海峡 Chokepoint 要衝/隘路/チョークポイント

地理を数十kmの縮尺まで狭め、その一点を通る量と、通るものの偏りを数える。

なぜこの数か

「どこか」はもう決まっている。答えるのは、その一点をどれだけの量が通り、それが何に偏っているか。世界地図では点にしかならない場所が、この縮尺で初めて幅のある水路になる。

素材の言葉

海のほうに地を置き、陸を白く抜くと、図が「通り道」の形になる。数えているのは水路の断面を横切った船で、円はその断面そのもの。

Do — English edition
EN 海に地を置いた数十km の地図に断面を1つ、縮尺と、割合の上位6水路の数字の格子
Do — 日本語版
JA 同じデータ・同じ作画・同じ寸法。変わるのは書体と、見出し・landing・出典の級数だけ
Don't 世界地図に海峡を矢印で示し、通過量を矢印の太さにする(縮尺も断面の定義も無い)
EN 動く版 12 秒・作画 5.4 秒。現れ方 spatial(地が先、量が後)。最後のコマが左上の静止版(M-07)
JA 動く版 12 秒・作画 5.4 秒。現れ方 spatial(地が先、量が後)。最後のコマが左上の静止版(M-07)

使う発見

  • 通過量そのものが発見のとき(海峡・運河・峠・関所・橋)
  • 通るものの構成が他と違うことが発見のとき
  • 地理の狭さと量の大きさの落差を見せたいとき

使わない・代替

  • どこを通ったかの経路が発見 → フローマップ・サンキー
  • 複数地点の量を比べたい → 比例シンボル地図
  • 通過量の推移が発見 → 折れ線。地図は場所を1回言えば足りる

上限値

extent数十〜数百km。縮尺を必ず置く
series1つの断面。複数の断面を1枚に置かない
count断面を横切った数。滞留や寄港を混ぜない
period期間を宣言する。受信の落ちた期間は入れず、入れなかったことを書く
legend置かない。数字の格子が代わり

入力データの形

断面の位置(経緯度)と、期間ごとの通過数(種別つき)

副カテゴリ・色の系統

割合、流れ/sequential

解剖図(G1 form 枠 936×764px)

  • 図題: 枠の左上 2 行(どこの何を数えたか/期間と右列の意味)
  • 地図: 枠の上 60%、緯度で横を補正した経緯度。**海に地(#F7FAFC)、陸は #EDEDED**
  • 断面: ACCENT の円 2.0px。数えている場所そのもの
  • 航路: GRAY_MID の点線(4,3)。データではなく参照なので細く
  • 直接ラベル: 断面の脇に太字で 1 つ(1日の隻数)、両岸の国名を地の重さで
  • 縮尺: 左下に 50km
  • 数字の格子: 枠の下、割合の上位 6 水路。1 行目がこの海峡

作画規定

  • **縮尺を必ず置く。** 狭い範囲の地図で、読者は幅の見当を持たない
  • 海のほうに地を置く。陸を主役にすると、水路が「陸の隙間」に見えて量の通り道に見えない
  • 断面は 1 つ。同じ図に 2 つ置くと、どちらの数字か分からなくなる
  • **受信の落ちた期間を入れない。入れなかったことを図題か出典に書く。** AIS は受信状況で数が変わる。落ちた期間を平均に混ぜると、量が減ったように見える
  • 航路は参照であってデータではない。点線・細線で、量と同じ濃さにしない
  • 他の水路と比べるなら数字の格子で。地図を 2 枚並べると、縮尺が違うのに同じに見える

動く版の現れ方

spatial — 地が先、量が後。陸と海が台紙として現れてから、数えている断面が置かれる。水路を左から右へ拭くと、船が一方向にだけ通るように見えてしまう(実際は双方向)。

参照例

  • IMF PortWatch — Daily Chokepoints Data
    AIS から 28 の海峡・運河の日別通航隻数を船種別に出す。断面を横切った数という定義が明快
  • The New York Times — The Choking of the Strait of Hormuz
    海峡の狭さと通過量の落差を 1 枚で見せる構成。地理を寄せて量を数字で置く型の原型
  • U.S. Energy Information Administration — World Oil Transit Chokepoints
    海峡ごとの石油通過量。船の数ではなく積載量で数えるときの定義の置き方

実装

forms.chokepoint.draw(card, ax, extent, mark=(lon, lat, km), lane=, title=, notes=, grid=) demo: {'extent': [54.2, 59.6, 25.3, 27.9], 'share': 0.6, 'per_day': 83.7, 'tankers': 50.2, 'second': 'Yucatan Channel', 'second_share': 0.511}

流れ Flow — 何から何へ、どれだけ移ったか

不確かさ Uncertainty — どこまで確かか

不確かさ — Uncertainty

不確かさの帯 Uncertainty band Confidence band/Ribbon/分位帯

推定や散らばりの幅を面で塗り、中央(中央値・平均)を線で通す。点ではなく幅で値を見せる。

なぜこの数か

「どこまで確かか」。点ではなく幅で値を見せると、観測網の薄い時代と厚い時代の差、戦争や衛星の登場が図に残る。幅の変化そのものが発見になる。

素材の言葉

帯は霧の濃さ。線は霧の中の道。霧が晴れた時代ほど道がはっきり見える。

Do — English edition
EN 帯の定義を図題に書き、代表値を線で通して末端に値、幅が発見なら寸法線で測る
Do — 日本語版
JA 同じデータ・同じ作画・同じ寸法。変わるのは書体と、見出し・landing・出典の級数だけ
Don't 複数の帯を色分けして重ね、「誤差範囲」とだけ書く
EN 動く版 12 秒・作画 5.4 秒。現れ方 uncertainty(推定が先、幅が後)。最後のコマが左上の静止版(M-07)
JA 動く版 12 秒・作画 5.4 秒。現れ方 uncertainty(推定が先、幅が後)。最後のコマが左上の静止版(M-07)

使う発見

  • 推定値に幅があるとき(測定誤差・モデル間の差・分位)
  • 「上がっている」と「ばらついている」を分けて見せたいとき
  • 帯の幅の変化そのものが発見のとき

使わない・代替

  • 幅の定義が言えない → 描かない。帯は定義があって初めて意味を持つ
  • 複数系列の帯を重ねたくなる → 小さな多数(帯の重なりは読めない)
  • 将来予測の広がり → ファン(先ほど広がる帯・別型)

上限値

bands1
quantiles四分位/十分位/±2σ/5–95%/very likely のいずれかを明記
series1

入力データの形

順序付き期間 × 中央値 × 下限 × 上限

副カテゴリ・色の系統

推移/sequential

解剖図(G1 form 枠 936×764px)

  • 図題: 枠の左上、太字2行(量/基準期間と帯の定義)
  • 帯: #CFE0FA(ACCENT の薄色)、輪郭なし
  • 中央: INK 2.4px、末端に ● と値
  • 寸法線: 帯の幅を名指す位置に ACCENT の縦線と「1942年 幅0.42°C」
  • 直接ラベル: 帯の名前は帯がいちばん太いところ、線の名前は線の中ほど(紙色の縁取り)
  • ゼロ線: GRAY_LIGHT 1.4px(偏差のとき)

作画規定

  • 帯の定義(何%か・何σか)を図の中に書く。「幅」「誤差」とだけ書かない(IPCC・気象庁)
  • 帯と線の役割を分ける。線は代表値、帯は不確かさ。帯の縁を線にしない
  • 帯が細くて見えないときも消さない。細いことが情報。本文の幅の数字は帯の色(ACCENT)で組む
  • 数値を本文で言うときは角括弧か ± で幅を併記する(「+1.2°C [1.1–1.3]」)
  • 低確率・高影響の経路は帯に混ぜず、破線で別に描く(IPCC SPM)
  • 帯の幅そのものが発見なら、寸法線で幅を測って見せる(観測網の変化・戦争・衛星以前)

動く版の現れ方

uncertainty — 推定が先、幅が後。答えているのは「どこまで確かか」。推定が引かれてから幅が開くので、幅が推定に付随するものだと分かる。

参照例

実装

forms.band.draw(card, ax, x, mid, lo, hi, ylim=, ticks=, band_label=, mid_label=, title=, width_marks=, end_label=) demo: {'n': 176, 'band_width_last': 0.07879009999999997, 'band_width_max_at': 1942}

翻訳 Analog — その量は、人の尺度(暦・場所・身体)で何にあたるか

翻訳 — Analog

暦の翻訳 Calendar analog 翻訳比較/Same-warmth day/Hometown 型

抽象量(°C)を、同じ観測列の中の人の尺度(暦の日付)に置き換える。量を先に置き、翻訳を後に添える。

なぜこの数か

「+2.5°C」は体で分からない。「いまの3月は百年前の4月はじめ」は分かる。翻訳は量の説明であって、量の代わりではない。だから量(°C)を必ず併記する。

素材の言葉

二つの年周期は、同じ場所の百年前といまの暦。翻訳の寸法線は、暦の上を先へ進んだ距離。

Do — English edition
EN 量(°C)を二つの年周期で先に置き、焦点の月だけ暦の日付へ翻訳し、何年の暦かを図題に書く
Do — 日本語版
JA 同じデータ・同じ作画・同じ寸法。変わるのは書体と、見出し・landing・出典の級数だけ
Don't 「東京ドーム何個分」のような別の物へ翻訳し、量を消して翻訳だけを残す
EN 動く版 12 秒・作画 5.4 秒。現れ方 analog(量が先、翻訳が後)。最後のコマが左上の静止版(M-07)
JA 動く版 12 秒・作画 5.4 秒。現れ方 analog(量が先、翻訳が後)。最後のコマが左上の静止版(M-07)

使う発見

  • 基準からの差(°C・ppm・km²)が、読者の身体や生活の尺度に置き直せるとき
  • 同じ観測列の中に翻訳先があるとき(百年前の暦・別の月・別の年)
  • 気候番組の基準線偏差に「自分ごと化」を足したいとき(週 1 まで)

使わない・代替

  • 翻訳先を別の物から持ち込む(「日本7個分」「東京ドーム何個」)→ 量の型で量を言う
  • 翻訳が主張になる(比較対象の選び方で結論が変わる)→ 選び方を図題に書けないなら翻訳しない
  • 盛夏・厳冬など、同じ暖かさが暦に無い月 → 翻訳できない。別の月か別の尺度へ

上限値

analogs焦点は1つ。他の月は地の重さの注記
scales暦・場所・身体の三つだけ
source_of_analog同じ観測列(別の場所・別の物を持ち込まない)
quantity翻訳元の量(°C)を必ず併記

入力データの形

基準期間の 12 か月平均 × いまの 12 か月平均(同じ地点・同じ量)

副カテゴリ・色の系統

推移、偏差/sequential

解剖図(G1 form 枠 936×764px)

  • 図題: 枠の左上、2行(量の名前 ── 二つの暦/基準期間といま)
  • 基準期間の年周期: AVG 1.6px 点線(平均の作法)。いまの年周期: INK 2.4px 実線+月中日の ●
  • 翻訳(焦点): いまの月の点から、基準の暦で同じ暖かさの日へ ACCENT 1.6px の横の寸法線+●。札は太字 ACCENT(「いまの3月 10.8°C = 百年前の4月5日ごろ」)
  • 他の月の翻訳: GRAY_MID 1px の寸法線と地の重さの札(「11月 = 10月30日ごろ」)
  • 目盛: 10 / 20 / 30°C、単位は最上段だけ。月は 1・4・7・10・12 月

作画規定

  • 翻訳先は同じ観測列の中から取る。別の場所・別の物を持ち込まない
  • 量 → 翻訳の順。翻訳元の量(°C)を札に併記する。翻訳だけの札は作らない
  • 焦点の翻訳は1枚に1つ。他の月は注記の重さ。翻訳できない月(同じ暖かさが暦に無い)は黙る
  • 何年の暦かを図題に書く(基準期間=翻訳の物差し。X-09)。都市化など含めたものは landing に書く
  • 見出しは翻訳の観察(「いまの3月は百年前の4月」)。「春が来なくなる」のような結論にしない

動く版の現れ方

analog — 量が先、翻訳が後。量が先、翻訳が後。二つの年周期が置かれてから寸法線が現れる。翻訳先が先に見えると、量が翻訳に従属してしまう。

参照例

実装

forms.analog.draw(card, ax, ref, now, focus_month=, focus_label=, ref_label=, now_label=, notes=, title=) demo: {'focus_month': 3, 'now': 10.83, 'ref_same_day': '04-05', 'shift_days': 21.1, 'shift_days_by_month': {1: -34.4, 2: 30.1, 3: 21.1, 4: 20.1, 5: 24.8, 6: 19.3, 9: -23.8, 10: -12.3, 11: -15.6, 12: -16.1}}

横断 Cross-cutting — 他の型と組み合わせて使う

横断 — Cross-cutting

数字の札 Big number with context Data Dash/Scoreboard/KPI カード

1面に1つの数字を大きく置き、その由来(量の名前・観測日・基準)と、小さな文脈図だけを添える。

なぜこの数か

読者が最初に知りたいのは「今いくつか」。数字を先頭に置くと、図は「それが多いのか少ないのか」を答える役に回れる。日次で更新できる骨格の表紙。

素材の言葉

数字は計器の針。桁は測定精度そのもので、回る桁(Bloomberg の小数6桁)は「いま測っている」の合図。旅行ポスターでは太陽の円がこの数字の席になる。

Do — English edition
EN 数字を1つ、桁は精度どおり、由来と始点の値を添え、文脈図は従属に
Do — 日本語版
JA 同じデータ・同じ作画・同じ寸法。変わるのは書体と、見出し・landing・出典の級数だけ
Don't 数字を4つ並べて色分けし、桁を誇張し、文脈図に凡例を付ける
EN 動く版 12 秒・作画 5.4 秒。現れ方 count(数字が測定精度で止まる)。最後のコマが左上の静止版(M-07)
JA 動く版 12 秒・作画 5.4 秒。現れ方 count(数字が測定精度で止まる)。最後のコマが左上の静止版(M-07)

使う発見

  • 日次・月次の報告の表紙(Earth の3プログラムの1枚目)
  • 1つの量が世界を要約できるとき(CO₂ ppm・気温偏差・海氷面積)
  • 読者が「今いくつか」を覚えて帰ればよいとき

使わない・代替

  • 数字が1つに絞れない → 小さな多数か、型の本体へ
  • 数字の意味が基準なしに読めない(偏差でも絶対値でもない指数)→ 基準線つきの折れ線
  • 精度が桁に見合わない(誤差 ±5 の量を小数2桁で書く)→ 桁を落とすか、帯

上限値

numbers1
digits測定精度に合わせる(CO₂ 0.1ppm・気温 0.01°C・面積 万km²)
context_figure1つ。目盛は3〜4本
colors2

入力データの形

最新値(数値・単位・観測日・場所)と、任意の文脈系列(順序付き期間 × 値)

副カテゴリ・色の系統

推移、大小/sequential

解剖図(G1 form 枠 936×764px)

  • 数字: 枠の左上、Gotham Bold 132pt。単位は数字の右に小さく密着(34pt)。これが1枚の焦点で、他に太字は無い
  • 由来: 数字の下に「量の名前 — 観測日、場所」を GRAY_MID 22pt
  • 文脈図: 枠の下 50%。年々の値 PAST 1px、平滑 INK 2.4px、最新点 ACCENT ●+線末の値(地の重さ。数字の札と競わせない)
  • 始点の値: 系列の左端に「1958年 316ppm」— 数字の相手(何から増えたか)
  • 目盛: 3〜4本、単位は最上段だけ。年は下端に4つまで

作画規定

  • 数字は1つ。2つ目を置くなら、それは基準(去年の同じ月・平年)で、本文に潜ませる
  • 桁は測定精度に合わせ、誇張しない。暫定値は出典に「暫定」と書く
  • 文脈図は数字の従属。図題を持たず、数字の下の由来がその役を兼ねる
  • 見出しは数字を繰り返さない。数字の「向き」か「例外のなさ」を言う
  • 旅行ポスター(P)では数字を太陽の円に置き換えてよい。G1 では置き換えない

動く版の現れ方

count — 数字が測定精度で止まる。答えているのは「今いくつか」。桁が回って測定精度で止まるのが、その問いの形そのもの。

参照例

実装

forms.big_number.draw(card, ax, value, unit=, label=, x=, y=, trend=, ylim=, ticks=, yunit=, end_label=, start_label=) demo: {'value': '429.1', 'n': 821, 'same_month_last_year': 427.87, 'annual_years': 68}

横断 — Cross-cutting

小さな多数 Small multiples トレリス/パネル図/Facets

同じ型・同じ軸・同じ大きさの小図を格子に並べ、目の移動だけで比較させる。

なぜこの数か

「全部同じか、順に変わるか、1つだけ違うか」。12枚を見比べる代わりに、各パネルの右上の数字12個を読ませる。

素材の言葉

12枚の窓。同じ大きさの窓から同じ景色を見て、窓ごとの数字で違いを言う。

Do — English edition
EN 同じ軸・同じ大きさ・意味のある順で並べ、軸の値は1か所だけ、各パネルの右上に結論の数字
Do — 日本語版
JA 同じデータ・同じ作画・同じ寸法。変わるのは書体と、見出し・landing・出典の級数だけ
Don't パネルごとに軸を変え、目盛りを12回書き、目立つパネルだけ大きくする
EN 動く版 12 秒・作画 5.4 秒。現れ方 sweep(データの時間で刷る)。最後のコマが左上の静止版(M-07)
JA 動く版 12 秒・作画 5.4 秒。現れ方 sweep(データの時間で刷る)。最後のコマが左上の静止版(M-07)

使う発見

  • 4本を超える折れ線を重ねたくなったとき(スパゲッティの解消)
  • 地域・月・カテゴリごとの「同じか、違うか」
  • 1図1メッセージを守りながら、多数を見せたいとき

使わない・代替

  • 2〜3系列 → 1図に重ねる(三本規則)
  • パネルごとに軸が違う → 原則不可。どうしても要るなら本文に「軸は独立」と明記
  • パネルが 16 を超える → 見出しで束ねて2図に分ける

上限値

panels4〜16
axes共有(独立は明記)
cols3〜4
per_panel_series1

入力データの形

パネル名 × 系列(同じ x 軸・同じ単位)

副カテゴリ・色の系統

推移、散らばり/sequential

解剖図(G1 form 枠 936×764px)

  • 図題: 枠の左上、太字2行。格子はその下
  • 格子: 4列。横の隙間 6%、各セルの上にパネル名の帯
  • パネル名: 左上 INK 19px。右上にそのパネルの数字(地の重さ。最も大きい1枚だけ太字+ACCENT=焦点)
  • 系列: 年々の値 PAST 1px、11年移動平均 2px(数字と同じ色)
  • 軸の値: 左上パネルにだけ目盛、左下パネルの下にだけ端の年。他のパネルは無印(同じ軸だから)
  • ゼロ線: 各パネルに GRAY_LIGHT 1px

作画規定

  • 軸を共有する。共有できないなら、その比較は小さな多数に向いていない
  • 並び順に意味を持たせる(月順・北から南・値の順)。アルファベット順にしない
  • パネルの大きさを揃える。強調したいパネルを大きくしない(Tufte)
  • 軸の目盛りは1か所だけ。12回書かない
  • 見出しは「全部が同じ」か「1つだけ違う」か「順に変わる」を言う。パネルごとの説明を見出しにしない
  • パネルの結論を1つの数字にして右上に置く。12枚を見比べる代わりに、12個の数字を読ませる

動く版の現れ方

sweep — データの時間で刷る。12 枚が同じ時間軸。全部を同時に刷ると、月ごとの速さの違いが並んで見える。

参照例

実装

forms.small_multiples.draw(card, ax, panels, cols=4, ylim=, smooth=, title=, values=, value_color=) demo: {'panels': 12, 'cols': 4, 'shared_axes': True, 'diff': {'Jan': 3.19, 'Feb': 3.14, 'Mar': 3.39, 'Apr': 2.55, 'May': 2.84, 'Jun': 2.2, 'Jul': 2.48, 'Aug': 2.32, 'Sep': 2.3, 'Oct': 2.93, 'Nov': 3.43, 'Dec': 3.16}}

08 — Studies

型の検証 — 外から来た問いと、「もし」

07 章の図版は「型の見本」で、型ごとに 1 枚しかない。ここは逆に、外から来た 3 つの問いに台帳を引いた記録と、 v2.0 で立てた STUDY の下の IF(「もし」のレジスター)の初回。型が足りなければ、足りなかったことが検証結果になる。 手順は 06 章のとおり ── データを取る → 発見を掘る → 発見の種類から型を引く → 焦点を一つ決める → 見出しを書く → 検査に通す。

問い引いた型結果台帳に返したこと
今年、世界のどこが燃えたか比例シンボル地図無かった(v0.6)型を新設。正積図法・面積比例の円・凡例の代わりの数字の格子
今年の夏の世界平均気温スパゲッティ通った目盛の書式を引数に(実測値の軸に + は付けない)
ネパール氷河の衰退基準線偏差の面通った谷の名前は面の中ではなく谷の下へ。焦点を山の名前に置けるように focus=
もし1990年以降の傾きが続いたら不確かさの帯の延長(IF)通った(v2.0)「もし」は帯と経路の形しか取らない。閾値の数字は見出しに置かず、基準線の名前と landing へ

問いの言葉が data の言葉と違うことがある。「森林火災」で引いたが、GWIS の焼失面積は全地被で、森林はその 7% しかない(2025 年)。 型を引く前に、問いの量が観測されている量と同じかを確かめる。違うなら、図題と出典でその差を書く(02 章「見えないものを書く」)。

Study — 比例シンボル地図(v0.6 で新設)

今年、世界のどこが燃えたか Where the world burned this year

地理カテゴリの型が 1 つも無かった。海氷の縁の重ねは極域の 2 時点比較専用で、「国ごとの量を世界地図に置く」型が台帳に存在しない。比例シンボル地図を起こした。v2.0 では焦点を最大の量ひとつに絞った ── 国名は地の重さ、数字だけ太字。

Where the world burned this year — EN
EN
今年、世界のどこが燃えたか — JA
JA

demo: {'countries': 162, 'max': 19483512.0, 'top': ['COD', 'AGO', 'AUS', 'SSD', 'ZMB', 'RUS', 'CAF', 'MMR'], 'world': 144453300.0, 'africa_share': 0.571, 'week': 34, 'forest_share': 0.074}

Study — スパゲッティ(既存)

今年の夏の世界平均気温 This summer's global mean temperature

既存の型でそのまま通った。月別 87 年を日別 87 年に替えただけで、帯・平均線・今年の線・記録年の線という部品の割り当ては変えていない。v2.0 では「最も暑い日」の札を地の重さに落とし、太字は今年の線末だけにした。

This summer's global mean temperature — EN
EN
今年の夏の世界平均気温 — JA
JA

demo: {'years': 87, 'this': '2026', 'record': '2024', 'band': (10, 90), 'last': [92, 16.78], 'mean': 16.802, 'gap': 0.0041, 'second': 2024, 'hottest_day': '2024-07-22', 'hottest': 17.156, 'summers': 87}

Study — 基準線偏差の面(既存)

ネパール氷河の衰退 The retreat of a Nepali glacier

気候の型を氷河に当てて通った。色だけ替えている ── 12 年のうち増えたのが 1 年なら、発散色ではなく 失った年を INK、増えた年だけ ACCENT にしたほうが「1 年」が立つ。v2.0 では焦点をその「増えた 1 年」に置き(focus="event:…")、線末の値は地の重さに。

The retreat of a Nepali glacier — EN
EN
ネパール氷河の衰退 — JA
JA

demo: {'above': 1, 'below': 11, 'cumulative': -10.37, 'years': 12, 'aar_last': 0.06, 'ela_rise': 111.0}

Study — IF ── 不確かさの帯の延長(v2.0 で新設)

もし1990年以降の傾きが続いたら If the post-1990 slope continued

STUDY の下の「もし」のレジスター。実データ(HadCRUT5)から延ばした像だけを描く ── 1990 年以降の直線回帰と、その 95% 予測区間。思弁は帯と経路の形しか取らない。見出しは「点線が線に届くのは、2030年代」で止め、閾値の数字は基準線の名前と landing に置く。現れ方は uncertainty(推定が先、幅が後)。月 1 の予定で、初回題材は 1.5°C。

If the post-1990 slope continued — EN
EN
もし1990年以降の傾きが続いたら — JA
JA

demo: {'slope_per_decade': 0.229, 'cross_year': 2032, 'band_cross_year': 2042, 'preindustrial_offset': -0.357, 'fit': '1990–2025'}

09 — Rules × inputs

少ない規則 × 多い入力

三つの工程は制約であって、多様性の源ではない。制約が生むのは一貫性で、多様性はもう一つの軸から来る。 少ない規則と多い入力の組み合わせが、量と多様性を保ちながら「誰の仕事か一目で分かる」状態を作る。Economist の日刊チャートや Kurzgesagt がそうである。

左に三つの工程という少ない規則、中に発見の種類・現れ方・媒体・番組・五群という多い入力、右にこの台帳がいま刷った実際のカードの格子。
規則は一貫性を、入力は多様性を担う。右の格子はこの台帳がいま刷ったカードそのもの。暖まる地球の偏差を毎日出す番組は、wonder 系の対重がないと疲弊を運ぶ。

番組への差分(dv_content_formats)

群差分台帳側の受け
SIGNAL発見カテゴリに「翻訳(analog)」を追加。Landing の型に「〜は含まない」を許す07 章「暦の翻訳」/T-04 に明文化
STUDYサブシリーズ IF(反実仮想・予測の帯)。uncertainty で動く。月 108 章の初回
WORKW1 作品札を「刷った日=固定された参照、今日=偏差」として compare の関係で書く未着手(判型 P の型と一緒に)
STUDIO初回記事は「機械が見つけた四つの食い違い」(T-10 の結果)。自己批評の公開が中庸の証明になる10 章の失敗事例がその素材
R1 記事順路の「不確かさ」節を「見えないもの」に改名し、除外条件を一文で書く02 章の小見出しを合わせた
番組wonder 系(aqua / sylvania)を気候番組の対重として位置づけ、「良くなっているものも同じ作法で数える」を役割に明記—

取らないもの

  • Anadol の方法(ML 生成・建築スケール・没入)。取るのは媒体が像を決めるという事実だけ。
  • 手の感触を主題にする系譜(Dear Data、Data Physicalization、手描き)。SORAH の媒体は画面・動画・印刷であり、手の痕跡はスコープ外。
  • 報道の速報性と、結論を言い切る見出し。
  • ダッシュボードの網羅。渡された探索は読者の 10〜15% しか使わない。
  • bar chart race 型の動き。合同性原則に反する。
  • 気候番組での楽観の演出。楽観は wonder 系番組の役割。
  • 商品リンクの日次付与。SEE の声が壊れる。売る一枚は WORK だけ。
  • 翻訳先を別の物から持ち込むこと(「東京ドーム何個分」)。翻訳先は同じ観測列の中から。
10 — Mistakes, we've drawn a few

失敗事例

Economist の分類(誤解を招く/混乱させる/要点を隠す)で、自分たちの失敗を残す。各型の Don't 図もここに属する。直したあとの見出しは、そのあと更に直っていることがある(v0.1 → v0.2 → v0.3)。現在の版は 07 章の図版が正。

日付分類直す前直したあと原則
2026.08.31要点を隠すこの10年の平年は、最初の30年より1.3°C高い青い縞は、1976年で終わっている(v0.1)→ 濃い赤の3本は、最後の3年(v0.2、データを日本に)見出しは図に見えているパターンを名指す。術語と結論の数字を置かない
2026.08.31誤解を招く北極海氷の縁(地図)で「日本7個分ちいさくなった」量は折れ線(ゼロ起点)へ。地図は場所だけ量の発見に地図を使わない
2026.08.31誤解を招くこの30日、揺れが届いた範囲に5,905万人が暮らす(取り下げ)→ 断面「西へ行くほど、震源は深い」定義できない量を数えない。相関が出ない日は出さない
2026.08.31混乱させる1本が1年。色は1951–1980年平均との差。1本が1年、128本。平年(1991–2020年)より+1°C以上暑い年は2023年から続く3年だけlanding は凡例ではなく読み方。基準期間は図題へ
2026.09.02混乱させる小さな多数のパネル名が form の罫に衝突、年ラベルが次段のパネル名に重なるセルの上にパネル名の高さを取り、年ラベルは最下段の下に。各パネルの右上に結論の数字格子は余白を先に取る。12 枚を見比べさせず、12 個の数字を読ませる
2026.09.02誤解を招く氷は、オレンジの線の内側に縮んだ氷が退いたのは、シベリア側(東シベリア海 −16万km²、チュクチ海 +8万km²)海ごとに数えてから書く。合計だけ見ると「戻った海」が消える
2026.09.02要点を隠す8 型のうち 6 型が同じデータ(GISTEMP)型ごとに「その型でしか見えない発見」を持つデータへ(気象庁・Niño 3.4・HadCRUT5・東京・NSIDC の海別・マウナロア)型の選び方は、データの選び方
2026.09.02混乱させる平均線の名前を線の上に乗せ、記録年の名前を線に重ねた山の左肩・右半分の最大点の真上に。重ねるときは紙色の縁取り名前は線に乗せない
2026.09.02混乱させる線末ラベルが隣の山の名前と競った(Niño 3.4)右に 5 年の余白を取り、札は図題の右の空きへ、点と札を引き出し線でつなぐ札の置き場を先に空ける
2026.09.02要点を隠すAVG #555555(ACCENT と明度差 10)AVG #808080(明度差 33)グレースケールで生きる。検査に落ちた色は使わない
2026.09.03混乱させる見出しの数字だけ太く見える(「2026年は、7か月すべてが帯の上」)和文を含む行は欧文連も同じ Noto の同じウェイトで組む黒みの実測で Noto DemiLight .277 に対し Gotham Medium .397。混植で1.43倍の段差ができていた
2026.09.03誤解を招く目盛の数値を Gotham(不等幅)で組み、桁が縦に揃っていなかった数字は Noto(実質等幅)で組むDGL 07「数値は必ずタブラー数字」。手元の書体で満たすのは Noto だけ
2026.09.03要点を隠す図題を INK の太字で置き、注釈も名指しも全部太字だった太いのは見出しだけ。図題は GRAY_MID の Medium、名指しは Medium、Bold は数字の札だけ商品は「太いのが題だけ」。太さで階層を作らない
2026.09.03混乱させる地図の図題の2行目だけ右にインデントしていたCard.settle() で枠を確定させてから注釈を置くaspect 固定の軸は最初に文字を実測した時点で枠が縮む。実装の不具合
—混乱させる(連作)パネルごとに軸や地色を変えた連作同じ判型・同じ地・同じ余白・同じ目盛で 5〜23 枚(Ikeda data.gram)連作は 1 パネル 1 データセット、差は数字で言う
—誤解を招く(数字の札)誤差 ±5 の量を小数 2 桁で書く桁は測定精度に合わせる(CO₂ 0.1ppm・気温 0.01°C・面積 万km²)桁は精度の主張
2026.09.03要点を隠す和文の地を DemiLight(黒み .277)と Regular(.306)で組み、1080px の図版で図の線に負けていた地を Medium(.368)に上げ、ウェイトを2段に。太いのは名指しと数字だけ紙の上の細さと、画面の上の細さは違う。実測して決める
2026.09.03混乱させる「タブラー数字」を散文にも適用し、Gotham の細い 1 が枠の中で泳いだ(「vs. the 1961–1990 mean」)等幅送りは桁が縦に揃う場所だけ ── 目盛・パネルの値・数字の札規定の適用範囲を、規定の言葉どおりに読む
2026.09.03混乱させる欧文版で本文の数量に色を付けると、その前後の空白が消えた(「widened it to0.42°Cin 1942」)和欧の境界の空白を落とすのは和文版だけ。欧文版では空白は語間なので残す組版の規則は言語ごとに持つ。共通化した瞬間に片方が壊れる
2026.09.03混乱させる和文の折り返しが「東シベリ/ア海」「8万km/²」と語の途中で折れた数量は単位ごと、カタカナ語はひと続きで次行へ送る禁則を _wrap_ja に追加折り返しは体裁ではなく可読性の規則
2026.09.03混乱させる海氷図で「E. Siberian −159k km²」が隣の「Laptev」に重なった(欧文は同じ情報に 1.6 倍の幅を要する)名指しを先に置き、ぶつかる海の名前は落とす重ねるより黙るほうがいい
2026.09.03誤解を招く欧文版で Gotham に無い字(≥ ←→)が豆腐になった持っているかを書体に直接訊く(FT2Font.get_charmap)。無い字だけ1字ずつもう一方の書体へ書体の中身を推測しない
2026.09.05要点を隠す(v2.0)1枚に太字の名指しが 2〜12 個あった(今年と記録年、開いた海と戻った海、山の名前 5 つ、12 パネルの数字全部、国名と量)焦点は一つ。太字と色は 1 枚に 1 つだけ(X-07 を機械化、Card._leads)。残りは地の重さの注記へ退避名前は一つのものにしか付かない。削ぐことと隠すことは違う
2026.09.05誤解を招く(v2.0)基準期間が出典にだけあり、図の中に無い型があった型が基準・除外条件を宣言し(Card.basis)、図題か注記に無ければ保存しない(X-09)立場は基準の選び方にだけ現れる。だから基準は図の中に
2026.09.06誤解を招く(v2.4)「優しい日本と、こわい日本」が検査を素通りした ── 短くすれば見出しでも通り、図題に置けば長くても通った価値判断・規範の語を台帳に置き(norm.JUDGEMENT)、図の中の言葉にも同じ検査をかける(T-11)図が言えるのは量であって善悪ではない。日常語でできた価値判断は、長さの検査も文体の検査も素通りする
2026.09.06要点を隠す(v2.4)「率でしか塗らない」が効きすぎて、開票マップ(政党=種類)も被災履歴マップ(回数)も作れなかった塗りを率・種類・回数に分け、塗る前に宣言させた(F-11)。禁じるのは分母を持たない量だけ禁則は「何を許さないか」で書く。「何だけを許すか」で書くと、思っていなかったものまで落ちる
2026.09.05混乱させる(v2.0)暦の翻訳の見出しを「春が3週間早い」と書きかけた「東京の3月は、百年前の4月はじめ」── 翻訳の観察で止める。日数は landing へ焦点は観察であって結論ではない(X-08)
2026.09.05誤解を招く(v2.0)IF の見出しに「1.5°C」を置きかけた「点線が線に届くのは、2030年代」── 閾値の数字は図中の基準線の名前と landing へ結論の数字は見出しに置かない(T-03)。「もし」でも同じ
2026.09.06誤解を招く(v2.1)「データの時間で刷る」を、横軸を左から右へ拭くことだと実装していた。87 本の束が一斉に現れ、今年の線がどこから出てきたのか見えなかった束をデータ自身の順に置く ── 1940年の線が先、今年が最後。基準は束のあと、焦点はその後(M-11、段取りを実測して検査)時間で刷るとは、紙の左端から刷ることではなく、データの時間の順に置くこと
2026.09.06混乱させる(v2.1)台帳の図解 3 点を、方向性ドキュメントの SVG から流用していたengine/diagrams.py で規範(条番号)と実データ(ERA5 の夏 87 本、いま刷ったカード)から描き直した台帳が「描かずに写す」と書いている以上、台帳の図解も写したものでなければならない
2026.09.06誤解を招く(v2.2)地図の型が「量」と「2時点の比較」しか無く、率の地図を総数のコロプレスで代用しかけたコロプレス(率)を起こし、率でしか塗らないを型の規定に。同じ焼失面積で、広さの1位(コンゴ)と割合の1位(ギニア)が違うことが図で見える塗られるのは面積であって量ではない。コロプレスが答えられるのは率だけ
2026.09.06要点を隠す(v2.2)1か月の地震を全部点で置いたら、濃いのはアメリカだった ── 「地震が多い場所」と読める図になっていた検出能の境目(M4.5 以上は世界共通)を basis() で宣言し、色を持つのはその部分集合だけに。帯ごとの回数と観測網の割合を数字の格子に置いた点の濃さは、事象の濃さと観測網の濃さの積。見えないものを図の中に書く
2026.09.06誤解を招く(v2.3)ホルムズ海峡の通航隻数に 2026 年を入れかけた。3 月から日 3〜6 隻に落ちていて、そのまま平均すると「通航が激減した」図になる28 の水路のうちこの海峡だけが同じ月から桁で落ちていることを確かめ、2019–2025 年で数えた。入れなかったことを図題と出典に書いたAIS の数は受信状況で変わる。落ちた期間を平均に混ぜると、量が減ったように見える
2026.09.06混乱させる(v2.3)「25km」が欧文版だけ数量として読まれ、和文版と突き合わない(k を千倍の接頭辞、m を単位と読んでいた)。同じ図の同じ数字が、二言語で別のものになっていたkm を単位として読み、単位の切れ目を  ではなく「英数字が続かないこと」で取る(和文では「25km四方」の m と 四 の間に境界が無い)二言語の検査は、両方の言語で同じように読めて初めて検査になる
2026.09.06要点を隠す(v2.3)ヨーロッパの火を合計だけで見て「平年の半分」と書きかけた区画ごとに基準と比べると、フランス 2.8 倍・スペイン 2.2 倍。合計と各区画が逆を向いていた分母が場所ごとに違う量は、合計では答えられない
11 — References

参照

5 領域・70 事例・約 750 URL のリサーチ、NYT / Bloomberg のディレクター 2 人の作品調査、SORAH の Pinterest・Bloomberg Data Dash・Ryoji Ikeda・Tableau の横断分析(2026-09-02)を基にした。詳細はプロジェクト doc dv_research_A〜H。ここでは台帳の根拠として直接引いたものだけ。2025–2026年に世の中で見られた事例そのもの(587件)は、別ページの事例集にある。この章は台帳が規範を組み立てるときに引いた文献で、事例集とは別のもの。

領域出典台帳への寄与
方向性(四つの共感)Blacki Migliozzi(Bloomberg → NYT)「2014: The Hottest Year」「What's Really Warming the World?」/ F1 App — Live Timing(App Store)/ Refik Anadol Studio「Unsupervised」(MoMA)/ NASA Scientific Visualization Studio / 「データビジュアライゼーションの全域地図」v1.1(dv2_I〜P)/ 方向性 v2.1「光を当て、焦点を結び、写し取る」三つの工程、X-06〜X-10、翻訳(analog)の型、STUDY の下の IF、取らないもの
翻訳・思弁NYT「How Much Hotter Is Your Hometown Than When You Were Born?」/ The Pudding「What will the climate feel like in 60 years?」/ Ed Hawkins climate spiral(1.5℃・2.0℃ の同心円)/ NYT の 2090 年までの予測の帯 / 池田亮司 data.tron / 荻原和樹(2020、不安を煽らない配色)/ David Goodsell / PDB-101(「水分子は描かない」)翻訳先の選択規則、IF は帯と経路の形しか取らない、基準を先に決めて書く、除外条件を書く
体系FT Visual Vocabulary(chart-doctor)/ Datawrapper Chart Chooser / From Data to Viz(Caveats)/ Data Viz Project / Munzner『Visualization Analysis & Design』/ Cleveland & McGill 1984 / Bertin『Sémiologie graphique』/ Wilke『Fundamentals of Data Visualization』/ 総務省統計局「なるほど統計学園」/ 藤・渡部『データビジュアライゼーションの教科書』10 カテゴリ、副キー、上限値、体系間の相違
報道NYT Graphics(Cox・Tse)/ Economist「Mistakes, we've drawn a few」/ Reuters Graphics / Bloomberg「What's Really Warming the World?」/ The Pudding / 日経ビジュアルデータ / 朝日新聞デジタル / NHK / 東洋経済オンライン見出しが先、注釈層、翻訳比較、失敗事例の書式
報道(作画の階層)Mira Rojanasakul(Bloomberg → NYT Climate)「See the Ocean Heat Fueling Hurricane Milton, in One Chart」「The World's Troubling New Tempo of Temperature Records」「This Year's Record-Breaking El Niño in 3 Charts」/ Blacki Migliozzi(Bloomberg → NYT)「What's Really Warming the World?」「Earth's Relentless Warming Sets a Brutal New Record」「How Much Hotter Is Your Hometown」— 15 作品(doc F)線の太さと色の階層、線末の日付+値、平均の点線、単位は最上段だけ、図内の図題、パネルごとの数字、暫定データの注記
科学・気候NASA Earth Observatory / SVS / Ed Hawkins #ShowYourStripes / Climate Central / Berkeley Earth / Copernicus C3S / NOAA Climate.gov / NSIDC Charctic / Global Forest Watch / Our World in Data / Carbon Brief / IPCC AR6 colour guide / cmocean(Thyng 2016)/ Crameri 2020 / 気象庁 / JAXA・極地研 VISHOP / 国土地理院色の規範、不確かさ・観測日・欠測、地図の投影、三本規則、氷縁の慣例
デザイン・アートGiorgia Lupi(Data Humanism)/ Federica Fragapane / Nadieh Bremer / Moritz Stefaner / Accurat / Studio Terp / Periscopic / Stamen / Mona Chalabi / Nicholas Felton / Takram / 木村博之 / 永原康史 / 中野豪雄 / JLReq一枚絵の四点セット、余白と三階層のタイポ、手描き表現の3条件、和文組版
横断(収束点)Pinterest sorah0000(Maps 34・SORAH ART 72 ほか)/ NYT Blacki Migliozzi 85 作品(Uranium・Hormuz・Toxic House)/ Bloomberg Green「Data Dash」/ Ryoji Ikeda(datamatics・test pattern・data.gram)/ Tableau『Visual Analysis Best Practices』— doc G数字の札、なぜこの数か、素材の言葉、本文の数字を図の色で、P の構図(円・地平線・重なる面)、G2 の段、夜版、密度の上限、発行前の 7 問
自社(商品)SORAH CLIMATE STRIPES / AQUA FLUXUS / GLACIES LIQUOR #1 / SYLVANIA CONTINUUM(shop.sorah.io、A1・900部限定)と、その用紙・印刷方式・図法・縮尺の仕様 — doc H一つのインク、紙が見える、太いのは題だけ、凡例は縮小図か数字の格子、素材と出所を明記。組版の3規則の実測
スタイルガイドUrban Institute / Sunlight Foundation / BBC bbplot / ONS / 英 Analysis Function / Datawrapper Academy / IBM Carbon / Google Material / Apple HIG Charts / Atlassian / CFPB / SmartHR章立て、型ページの記載項目、色トークン、must/should の口調、Do/Don't の作り方